道彦の散歩道

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毎日の事件事故の記録

04/03 「鮭の焼漬弁当」と「鰊みがき弁当」

2013年04月03日 | インポート

【 鮭の焼漬弁当】

鉄道の街で半世紀、非凡な「鮭の焼漬弁当」は、信越本線・新津駅の駅弁。
新津駅で1950年頃に登場し、半世紀以上の時を刻む名物駅弁。鮭をメインに据えた幕の内弁当「鮭の焼漬弁当」。
この駅弁、失礼ながら見栄えしない。肌色の包装紙を外してフタを開ければ、長方形の区画が整えられた白いプラ製トレーが目に付く。個々の区画には、ご飯やおかずや付け合わせが整然とため込まれている。
その中で長方形の区画にしっかり納まる焼き鮭が、駅弁の名前となるメインデイッシュ「鮭の焼漬」である。駅弁に焼鮭は珍しくないけれど、この焼鮭は尋常ではない。まず、でかい。塊と呼べる大きさで、区画に鎮座する。そして、食べると旨い。脂が乗っていて歯応えがある。それでいて柔らかい。塩辛さがむしろ心地良い。駅弁に入る鮭の最高峰がここにある。
これは鮭を焼いた後にタレに漬け込んだ、越後の国の郷土料理だそうだ。さらに、米どころである新潟県の駅弁であるから、ク-ルに香るコシヒカリの日の丸ご飯が素で旨い。鮭の焼漬に負けない大きさの玉子焼きとカニクリ-ムコロッケが、川の字を描いてトレーにぴったり納まる姿も、この駅弁の特徴であると感じる。

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【鰊みがき弁当】

見た目は地味だが実力派の「鰊みがき弁当」は、函館本線・函館駅の駅弁。
函館駅の名物駅弁「鰊みがき弁当」は、身欠き鰊の甘露煮とカズノコの味付けをご飯の上にたっぷり載せた、シンプルな内容の弁当である。
発売当初から製法が変わらないという甘辛な鰊は、口の中で身を崩しながら濃厚な旨味を広げる。
醤油風味のカズノコは、サクッとした歯応えを残してプチプチとはじける。これらが白ご飯の食を進めて、そしていて腹が満ちてくる。大根の味噌漬けと茎ワカメの箸休めもまた、中身を引き立てるいい役割を演じている。
面積が小さく底の深い木製の折箱に、漢字の「鰊」を大きく書いた包装紙を載せる。これが駅弁売店に置かれていなければ、何かが足りない気がするような存在感。見た目が地味であろうが、これが函館の駅に根付き、旅客に親しまれ続ける。半世紀の時を経た、名選手である。

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