DVDで、神代辰巳監督の1973年作品『四畳半襖の裏張り』を観ました。
人力車に乗った芸者。「こんなに早くから?」「お待ちかねだったのよ。中年の役者みたいな二枚目よ」「でも男の顔がいいのって誠がないような気がして」。“男は顔じゃない”の字幕。
三味線の練習。“男の顔はお金”の字幕。花江「いいね、男は顔じゃないんだよ」花丸「はい」「こんなことに騙されるのは下の下。男に顔があるとすればね、それはお金だよ」「はい」。
お袖(宮下順子)「今晩は」「お待ちかねだったのよ」「お初に。袖子です。お近づきにお一つ。富山の方じゃ大変なことが起こったようですね。何ですか大阪まで飛び火したっていう噂です。怖い世の中になりました。東京は大丈夫なんですかねえ」男(江角英明)「そいつは俺にも分からねえが、災いが降りかかる前に遊ぼうって了見だ」。「号外! 号外! 大阪でまた米騒動だよ」。「いやなことが起こったんでしょうか?」。
花丸、便所掃除をしている。花江「まだかい?」「はーい」「花丸、菊枝姉さんという人。お酌の時、お便所に行ったら、ご飯粒が落ちてたんだとさ。もったいないって姉さん、それをいただいたっていうけどね。そんなんだから今は出世して、綾小路の人のお世話になって御殿のようなお屋敷住まいなんだよ。いいね。便所におちてるものも汚いって了見じゃ出世できないよ」。
「号外! 号外! 東京米穀集積所が襲撃されたよ」。
男「さて騒動が起きないうちに休もうか。女将に聞いてるね」。
タイトル。
袖子が男の着物を脱がす。男「やさしいね。惚れたよ」。蚊帳の中に入る男。「どういう訳か初回って気がしないね」。“初回の客に気をやるな”の字幕。
花江「初めてのお客に気を移しちゃいけないよ」花丸「はい」「(中略)でもね、もし間が悪く気が乗ってそうになりそうだったら、あたしはお金と寝てるんだって、そう思うんだよ」「はい」。
袖子、蚊帳の中に入り「失礼します。ごめんなさい」と布団をかぶる。男「暑いから布団をはがそうか?」「このままにして。恥ずかしいですから」「汗をかいても知らないよ。俺、汗っかきだから」「いいんです」「その方が刺激になるなら」「そんなつもりなんかじゃ」「じゃあ二人の中を取って、デモクラシーだ。ちょっとだけ布団をかけよう」。
「今晩は」「あなた聞いた?」「なかなか離れてくれないんだもの。これでも精一杯急いで来たのに。ホントに死にたい」兵隊「時間がないんだよ。もうそれでも会えないよりいいってもんだ」「いやよ。ねえ。ちょっとだけ。せめてちょっとだけ」と女は尻を振る。「帰っちゃ嫌。あたしだってつらい。めったに会えないのに。やりくりしてやっと来たのに。芸者なんか辞めて死んでしまいたい」。兵隊、下を脱ぐが「時間がないんだよ」。
夜道を走る兵隊。
男「布団はどうする?」袖子「やめて。初めてですもの。恥ずかしい」「明るい方が好きだけどね」「嫌、勘弁して下さい。意地悪、見ないで」。
女「あーあ、忙しい。体がいくつあっても足りゃしない。次はタコ入道か」。部屋で待っているタコのようなハゲ男。
花江「そこに入ったら、体が勝負さ。遊びなれた客はね、それから先に女の体の品定めをするものなのさ。それを楽しんでるんだから、いやらしいたらありゃしない。けどこっちも商売だからね。それに答えてやんのさ。痛い! 痛いじゃないか!」。花江の足をもんでいた花丸「すいません」「でもねえ、いい旦那と会うことが、てっとり早い武器なんだよ。顔が少々ヘチャだって、持ち物さえよけりゃ。男もだんだんそうなっていくものなのさ。あー、いやらしいねえ。でもねえ、あんた顔よくないんだからね」「はい」。
膣に玉子を入れながら床掃除をする花丸。「何でも修行だよ」「はい」、
男「酒を飲みすぎたらしいよ。長くなっちゃお前さんに気の毒だけどね。気分を変えよう。それに暑くないか? 汗をいっぱいにかいて」。布団をはぐ男。「嫌、恥ずかしい」。
花江「しっかりおし。みんなお前のためなんだよ。若いお客ならあっという間さ。でも男も中年になると、その上酒でも入っているようなら、死ぬほどしつこい客がいるものさ。ほら、ほら、ほら。そんな目に会いたくなかったら、今から下腹の動きをよくしておくんだよ。そうすりゃ地獄から抜け出せる」。膣に入れられた笛を吹こうとする花丸。
激しくセックスする男と袖子。
「匍匐前進で前へ!」隣の兵士「遊びなれた客なら女がしきりに動きやがると、相手もいいんだなとそう思う。しかれども兵になりたる者、そんなことではだまされん。“敵の計画を利用しろ”の字幕。
“初会の客に気をやるな!!”の字幕。
「突撃に前へ!」「女が男の手を許したら、勝負はついたようなもんだ。一番敏感なところを強くなく弱くなく揉む」。
(明日へ続きます……)
→「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~moto)
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人力車に乗った芸者。「こんなに早くから?」「お待ちかねだったのよ。中年の役者みたいな二枚目よ」「でも男の顔がいいのって誠がないような気がして」。“男は顔じゃない”の字幕。
三味線の練習。“男の顔はお金”の字幕。花江「いいね、男は顔じゃないんだよ」花丸「はい」「こんなことに騙されるのは下の下。男に顔があるとすればね、それはお金だよ」「はい」。
お袖(宮下順子)「今晩は」「お待ちかねだったのよ」「お初に。袖子です。お近づきにお一つ。富山の方じゃ大変なことが起こったようですね。何ですか大阪まで飛び火したっていう噂です。怖い世の中になりました。東京は大丈夫なんですかねえ」男(江角英明)「そいつは俺にも分からねえが、災いが降りかかる前に遊ぼうって了見だ」。「号外! 号外! 大阪でまた米騒動だよ」。「いやなことが起こったんでしょうか?」。
花丸、便所掃除をしている。花江「まだかい?」「はーい」「花丸、菊枝姉さんという人。お酌の時、お便所に行ったら、ご飯粒が落ちてたんだとさ。もったいないって姉さん、それをいただいたっていうけどね。そんなんだから今は出世して、綾小路の人のお世話になって御殿のようなお屋敷住まいなんだよ。いいね。便所におちてるものも汚いって了見じゃ出世できないよ」。
「号外! 号外! 東京米穀集積所が襲撃されたよ」。
男「さて騒動が起きないうちに休もうか。女将に聞いてるね」。
タイトル。
袖子が男の着物を脱がす。男「やさしいね。惚れたよ」。蚊帳の中に入る男。「どういう訳か初回って気がしないね」。“初回の客に気をやるな”の字幕。
花江「初めてのお客に気を移しちゃいけないよ」花丸「はい」「(中略)でもね、もし間が悪く気が乗ってそうになりそうだったら、あたしはお金と寝てるんだって、そう思うんだよ」「はい」。
袖子、蚊帳の中に入り「失礼します。ごめんなさい」と布団をかぶる。男「暑いから布団をはがそうか?」「このままにして。恥ずかしいですから」「汗をかいても知らないよ。俺、汗っかきだから」「いいんです」「その方が刺激になるなら」「そんなつもりなんかじゃ」「じゃあ二人の中を取って、デモクラシーだ。ちょっとだけ布団をかけよう」。
「今晩は」「あなた聞いた?」「なかなか離れてくれないんだもの。これでも精一杯急いで来たのに。ホントに死にたい」兵隊「時間がないんだよ。もうそれでも会えないよりいいってもんだ」「いやよ。ねえ。ちょっとだけ。せめてちょっとだけ」と女は尻を振る。「帰っちゃ嫌。あたしだってつらい。めったに会えないのに。やりくりしてやっと来たのに。芸者なんか辞めて死んでしまいたい」。兵隊、下を脱ぐが「時間がないんだよ」。
夜道を走る兵隊。
男「布団はどうする?」袖子「やめて。初めてですもの。恥ずかしい」「明るい方が好きだけどね」「嫌、勘弁して下さい。意地悪、見ないで」。
女「あーあ、忙しい。体がいくつあっても足りゃしない。次はタコ入道か」。部屋で待っているタコのようなハゲ男。
花江「そこに入ったら、体が勝負さ。遊びなれた客はね、それから先に女の体の品定めをするものなのさ。それを楽しんでるんだから、いやらしいたらありゃしない。けどこっちも商売だからね。それに答えてやんのさ。痛い! 痛いじゃないか!」。花江の足をもんでいた花丸「すいません」「でもねえ、いい旦那と会うことが、てっとり早い武器なんだよ。顔が少々ヘチャだって、持ち物さえよけりゃ。男もだんだんそうなっていくものなのさ。あー、いやらしいねえ。でもねえ、あんた顔よくないんだからね」「はい」。
膣に玉子を入れながら床掃除をする花丸。「何でも修行だよ」「はい」、
男「酒を飲みすぎたらしいよ。長くなっちゃお前さんに気の毒だけどね。気分を変えよう。それに暑くないか? 汗をいっぱいにかいて」。布団をはぐ男。「嫌、恥ずかしい」。
花江「しっかりおし。みんなお前のためなんだよ。若いお客ならあっという間さ。でも男も中年になると、その上酒でも入っているようなら、死ぬほどしつこい客がいるものさ。ほら、ほら、ほら。そんな目に会いたくなかったら、今から下腹の動きをよくしておくんだよ。そうすりゃ地獄から抜け出せる」。膣に入れられた笛を吹こうとする花丸。
激しくセックスする男と袖子。
「匍匐前進で前へ!」隣の兵士「遊びなれた客なら女がしきりに動きやがると、相手もいいんだなとそう思う。しかれども兵になりたる者、そんなことではだまされん。“敵の計画を利用しろ”の字幕。
“初会の客に気をやるな!!”の字幕。
「突撃に前へ!」「女が男の手を許したら、勝負はついたようなもんだ。一番敏感なところを強くなく弱くなく揉む」。
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