DVDで、斎藤寅次郎監督の1949年作品『金語楼の子宝騒動』を観ました。
配膳をする娘たち。金太郎(柳家金語楼)「ご飯だぞ!」。大勢の子供たちが階段で降りてくる。「まだ来てない子がいるな。トミコは?」トミコ(美空ひばり)「いるわ」「末子は?」「いるわ」妻(浦辺粂子)「~ちゃんと~ちゃんと~ちゃんよ」。金太郎は食べようとするが、その度に「お代わり!」と子供たちが言ってきて、なかなか食事にありつけない。妻が「代わってあげますからお食べなさい」と言うと、「お父さんは盛りが少ないからだ」と子供たちは言う。遅れて降りてきた娘は「ご飯、もうこれしかないの?」と言い、言葉遣いを金太郎に叱られると、「衣食足りて礼節を知る、よ」と言われてしまう。弟の字引を栄(久我美子)が持っていこうとすると、弟は「勝手に持っていくなよ」と言う。「私以外の人は皆持っているのに。お父さん、買って」と言われ、金太郎は「買ってやる」と言う。
銀行の清掃員をやっている金太郎に息子の次郎が近づき、今日は親孝行をしに来たと言い、わんさと金を運んでいるんだろう?とも言う。
字引を万引きする栄。(中略)
隣人(花菱アチャコ)「あんたのところの子がうちのキュウリを食べた!」妻「すみません」。帰ってきた金太郎に妻は「子供たちがお腹をすかせています」と訴える。
トミコの家庭訪問「学校でこんな歌を歌うんですよ。こ~んな~女に~だ~れ~が~した~♪」。トミコ「だって兄弟も大人も歌ってるんですもの」。
金太郎「俺は退職金で商売を始めようと思ってる。人手は十分ある。薬屋はどうだ?」妻「毛生え薬は売らないほうがいいわね。信用の問題があるし」「好きで禿げてるわけじゃない!」「こんにちは」「おじいちゃん、おばあちゃん、こんにちは」「子供を3人も抱えているので、文房具屋を始めようと思うのよ。資金提供をお願いしたいんですけど」。そこへ現れた四郎「今日はお父さんにお小遣いを渡そうと思って」「ありがたくもらっておくよ」。包みを開けると、紙幣が1枚だけ出てくる。「1枚だけか」とがっかりする金太郎。「物騒な世の中で、僕が宿直をしてた時、学校のガラスが割られた。賠償しなきゃいけない」。新たに現れた留子は腕を包帯で吊っていて「会社の自動車の弁償に3万円必要なの」。金太郎「30年間汗水たらして稼いだ金なのに、皆持っていく気か!」
アイスキャンデーを売り歩いている金太郎。一郎(田中春男)は子供に混ざって野球をしている。「1ヶ月前に会社が閉鎖されたんです。扶養家族6人もいると再就職が難しくて」「これやるから、元気だせよ」と、アイスキャンデーを一郎に渡す金太郎。(中略)
“表彰状 泉山金太郎 十五人の子宝~”。家族が全員収まった記念写真。町会長「産めよ増やせよの精神で、町会全体の名誉だよ」。
金太郎「おだてに乗って子供をこしらえてきた」。記念写真を額ごと投げ捨てると、隣人の頭にぶつかる。隣人が投げ返すと、金太郎の頭にぶつかる。喧嘩になる2人。
氷嚢を頭に吊られて寝込む金太郎。起きると薬屋に行き、避妊薬を買おうとするが、隣人に見とがめられ、買わずに帰る。
“集団見合会場”“見合のニュールック、お互いの健康美を認め合うため、必ず水着を着用のこと”という張り紙。
隣人、かわいい娘を見つけると「うちの子は大学を一位で卒業し、野球選手で、大きな会社で働いている」と声をかけるが、すぐ目移りして、別の女性を追いかける。憤慨する娘。
金太郎「たのもしい男が一人もいない」隣に座った老女「私もさみしい身の上。あなたが救いの神に見える」。金太郎が逃れようとすると、老女の口から入れ歯が飛び出す。(中略)
隣人「本人同士が好き合ったんだから仕方がない。が子供はそろばんをはじいてから。だからうちは子供は2人だけ。やたらに作ると貧乏と競争することになる」と言い、金太郎を怒らせる。
妻「日暮里のお姉さんが」金太郎「とうとう来たか」日暮里の姉さん(飯田蝶子)「トミコはもらわれた方が幸せ」。
金太郎、トミコに「堪忍してくれ」トミコ「ユキちゃん、手紙ちょうだいね。今日誰と日暮里に行くの?」「父さんとだよ」「輪タクに乗りたい」「どうせ目と鼻の先だ」。泣く兄弟の前で歌うトミコ。(中略)
妻「操がヒステリーを起こしてる」操「これを見てください」。一郎に解雇を告げる紙。「帰って来たらかみついてやる」。帰ってきた一郎「北海道土産だぞ。これから親子6人。北海道で新しい生活だ」。
妻、玄関先で倒れる。
(明日へ続きます……)
→「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
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配膳をする娘たち。金太郎(柳家金語楼)「ご飯だぞ!」。大勢の子供たちが階段で降りてくる。「まだ来てない子がいるな。トミコは?」トミコ(美空ひばり)「いるわ」「末子は?」「いるわ」妻(浦辺粂子)「~ちゃんと~ちゃんと~ちゃんよ」。金太郎は食べようとするが、その度に「お代わり!」と子供たちが言ってきて、なかなか食事にありつけない。妻が「代わってあげますからお食べなさい」と言うと、「お父さんは盛りが少ないからだ」と子供たちは言う。遅れて降りてきた娘は「ご飯、もうこれしかないの?」と言い、言葉遣いを金太郎に叱られると、「衣食足りて礼節を知る、よ」と言われてしまう。弟の字引を栄(久我美子)が持っていこうとすると、弟は「勝手に持っていくなよ」と言う。「私以外の人は皆持っているのに。お父さん、買って」と言われ、金太郎は「買ってやる」と言う。
銀行の清掃員をやっている金太郎に息子の次郎が近づき、今日は親孝行をしに来たと言い、わんさと金を運んでいるんだろう?とも言う。
字引を万引きする栄。(中略)
隣人(花菱アチャコ)「あんたのところの子がうちのキュウリを食べた!」妻「すみません」。帰ってきた金太郎に妻は「子供たちがお腹をすかせています」と訴える。
トミコの家庭訪問「学校でこんな歌を歌うんですよ。こ~んな~女に~だ~れ~が~した~♪」。トミコ「だって兄弟も大人も歌ってるんですもの」。
金太郎「俺は退職金で商売を始めようと思ってる。人手は十分ある。薬屋はどうだ?」妻「毛生え薬は売らないほうがいいわね。信用の問題があるし」「好きで禿げてるわけじゃない!」「こんにちは」「おじいちゃん、おばあちゃん、こんにちは」「子供を3人も抱えているので、文房具屋を始めようと思うのよ。資金提供をお願いしたいんですけど」。そこへ現れた四郎「今日はお父さんにお小遣いを渡そうと思って」「ありがたくもらっておくよ」。包みを開けると、紙幣が1枚だけ出てくる。「1枚だけか」とがっかりする金太郎。「物騒な世の中で、僕が宿直をしてた時、学校のガラスが割られた。賠償しなきゃいけない」。新たに現れた留子は腕を包帯で吊っていて「会社の自動車の弁償に3万円必要なの」。金太郎「30年間汗水たらして稼いだ金なのに、皆持っていく気か!」
アイスキャンデーを売り歩いている金太郎。一郎(田中春男)は子供に混ざって野球をしている。「1ヶ月前に会社が閉鎖されたんです。扶養家族6人もいると再就職が難しくて」「これやるから、元気だせよ」と、アイスキャンデーを一郎に渡す金太郎。(中略)
“表彰状 泉山金太郎 十五人の子宝~”。家族が全員収まった記念写真。町会長「産めよ増やせよの精神で、町会全体の名誉だよ」。
金太郎「おだてに乗って子供をこしらえてきた」。記念写真を額ごと投げ捨てると、隣人の頭にぶつかる。隣人が投げ返すと、金太郎の頭にぶつかる。喧嘩になる2人。
氷嚢を頭に吊られて寝込む金太郎。起きると薬屋に行き、避妊薬を買おうとするが、隣人に見とがめられ、買わずに帰る。
“集団見合会場”“見合のニュールック、お互いの健康美を認め合うため、必ず水着を着用のこと”という張り紙。
隣人、かわいい娘を見つけると「うちの子は大学を一位で卒業し、野球選手で、大きな会社で働いている」と声をかけるが、すぐ目移りして、別の女性を追いかける。憤慨する娘。
金太郎「たのもしい男が一人もいない」隣に座った老女「私もさみしい身の上。あなたが救いの神に見える」。金太郎が逃れようとすると、老女の口から入れ歯が飛び出す。(中略)
隣人「本人同士が好き合ったんだから仕方がない。が子供はそろばんをはじいてから。だからうちは子供は2人だけ。やたらに作ると貧乏と競争することになる」と言い、金太郎を怒らせる。
妻「日暮里のお姉さんが」金太郎「とうとう来たか」日暮里の姉さん(飯田蝶子)「トミコはもらわれた方が幸せ」。
金太郎、トミコに「堪忍してくれ」トミコ「ユキちゃん、手紙ちょうだいね。今日誰と日暮里に行くの?」「父さんとだよ」「輪タクに乗りたい」「どうせ目と鼻の先だ」。泣く兄弟の前で歌うトミコ。(中略)
妻「操がヒステリーを起こしてる」操「これを見てください」。一郎に解雇を告げる紙。「帰って来たらかみついてやる」。帰ってきた一郎「北海道土産だぞ。これから親子6人。北海道で新しい生活だ」。
妻、玄関先で倒れる。
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