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ジョン・フォード監督『周遊する蒸気船』

2007-08-26 15:43:17 | ノンジャンル
 先日お知らせした通り、今日から4日間、一日一作品つづ、ジョン・フォード監督の映画がWOWOWで放送されます。題して「30年代のジョン・フォード」というシリーズ。今日放送されたのは、蓮實重彦氏がフォード映画のベストワンに推す'35年作品「周遊する蒸気船」です。
 あらすじは、「Favorite Movies」の「John Ford」の項に掲載しておきましたので、そちらでご覧になっていただくとして、今回は細部についてこだわってみました。
 まず、開巻直後のシーン。蒸気船の前甲板で白ずくめの服に黒いシルクハットという宣教師が、酒は悪魔の飲み物だと言い、私も以前は飲んでいたが、今は酒を止めて豚から人間に戻ったと言います。それを最前列で聞いていた酔っ払いのフランシス・フォードが賛意を表し、右手を挙げますが、そこにはラム酒の瓶が握られています。宣教師は直ちに取り上げ、川に捨ててしまいます。
 と裏の甲板では、ウィル・ロジャーズが酒は百薬の長であると言い、病気がちの聴衆の1人を舞台に呼び、彼が2瓶買うと、雪崩をうったようにラム酒が売れて行きます。その中でフランシス・フォードもちゃっかり買っています。
 ジョン・フォードの実兄であり、彼を映画界に引き入れた張本人であるフランシス・フォードは、痩身で無精髭をたくわえ、ユーモラスで騙されやすく正義感が強い人物として、この時代のフォード映画にはかかせない役者でした。この映画でも彼の楽しさが堪能できます。
 そして蒸気船に客を呼ぼうとろう人形館を作っているとき、モーゼが2体あるので、1体はジェシー・ジェームズにしようと言ったり、キングジョージなんて聞いたことがないから、ワシントンにしようなど、ウィル・ロジャーズも笑わせます。
 そして保護者であり父のような愛情を持つウィル・ロジャーズと家族の虐待を受けていたヒロインとの関係は、グリフィス監督の「散りゆく花」における保護者で恋心を持つ中国人と父親の暴力にさらされるヒロインの関係を思い出させるものでした。
 留置所のシーンも面白く、夜に娘の恋人を自首させようと保安官宅をウィルが訪れると、2階の窓から現れたパジャマ姿の保安官は、これで中に入れといてくれ、と留置所の鍵をウィルに投げる始末。恋人は牢屋の中でノコギリ(こんなもの、牢屋に入れていいの?)で音楽を奏でると、他の黒人の囚人たちがコーラスで歌うというしみじみとしたシーンもありました。
 そしてラスト。娘の恋人を絞首刑から救うため、蒸気船の薪がわりに「ワシントンを燃やせ!」とウィルが言ってろう人形を燃やし、最後には大量に積んであるラム酒を燃やして爆発させながら猛スピードで進む蒸気船のシーンは、もうめちゃくちゃなおかしさです。
 まだ見てない方、DVDで発売されてるようでしたら、3000円ぐらい出してもお釣の来る面白さです。ぜひご覧になってください。

政府、地球温暖化防止に本腰?

2007-08-25 15:51:10 | ノンジャンル
 10日の朝日新聞の夕刊に「企業にCO2削減義務化も」という見出しの記事が載っていました。
 記事を引用すると「環境省は10日、二酸化炭素(CO2)排出が大幅に増え続けているオフィスビルなどの業務部門に排出削減を促すため、地球温暖化対策推進法(温対法)を改正する方向で検討に入った。(中略)
 日本は京都議定書でCO2などの温室効果ガスを、08~12年度に90年度比でマイナス6%とする削減目標が課せられている。しかし、05年度実績では逆に7.8%増加。特に業務部門は44.6%増と排出量の伸びが最も著しく、温室効果ガス排出量全体の約6分の1を占める。大型ビルの建設が相次ぎ、床面積が増加したことなどが原因とされる。同じく伸びが大きい家庭部門とともに議定書を達成する上で大きな課題となっている。
 具体的には、冷暖房などエネルギーを大量消費する百貨店やオフィスビルなど一定の床面積以上の大型施設に対し、単位面積当たりの排出量の数値目標を定め、達成できない場合は勧告のほか罰則を盛り込むことも検討する。
 原稿の温対法では、一定規模以上の事業所に温室効果ガス排出量の報告を義務づけるにとどまっている。企業への削減義務付けとなれば、操業時間の短縮など経営にかかわる対応を迫られかねないとして、産業界の強い反発が予想される。(後略)」
 今まで事業所に排出量の報告だけ義務付けていた、というのがまず驚きです。「うちは今これだけ排出してますよ」と報告させるだけでは、全然削減につながらないじゃないですか。何を考えているのか、訳が分かりません。
 事業所に削減義務付けさせるのは、当然です。電力会社などには既に義務づけているのですから、公平にすべての企業に削減を義務付けるべきですよね。それによって操業時間が短縮される、というのであれば、労働者にも有り難いです。
 百貨店での冷房のかけ過ぎは、普段から感じていることです。冷房を弱めると、お客さんは暑い外から中に入った時に味わう清涼感が少ししか味わえなくなってしまうかもしれませんが、地球温暖化が進む今、そのくらいは我慢すべきでしょう。
 それから家庭部門で排出量が増えているというのは、意外でした。省エネの電化製品などが普及してきているのに、どこで二酸化炭素が増えているのでしょう。教えてくれれば私はすぐに対策を考えます。この点でも「家庭でできる温暖化防止」のようなキャンペーンを政府に行ってほしいと思いました。

水素ガスで走る自動車の仕組みって?

2007-08-24 16:55:48 | ノンジャンル
 このところ地球温暖化ネタが多いですが、今日もその一環のネタです。
 私が今乗ってる車はホンダの車なので、先日、立派なパンフレットが送られて来ました。内容は、水素ガスで走る車についてです。
 これまで水素ガスで走る車って聞くと、水素ガスを燃やして、それでエンジンを動かし、排気ガスは水だけ、というのだと思っていましたが、違ってました。どうも水素ガスを燃焼させるだけではパワー不足でエンジンを動かすところまでいかないようで、実際には水素ガスを燃やして、そこから発生する電気を使って走らせるのだそうです。
 そしてその電気を発生させる装置「燃料電池スタック」は1999年には202kg あったのが、2003年には96kg 、2006年には67kg と年々軽量化されているんですね。軽量化されれば、当然その分、車のパワーも使わなくても済むわけで、大変な企業努力をされているな、と思いました。
 そして燃料の水素をどうやって作るか、ですが、方法は2つあって、1つは、太陽電池で発電し、その電気で水を分解する「太陽電池式水素ステーション」、もう1つは、身近な天然ガス(都市ガス)から水素を作る「Home Energy Station」で、これは副産物として熱が出るので、家庭ごとに設置すれば、熱も手に入れられるというもの。どちらも21世紀になってから、カリフォルニアで実験稼動しているとのことです。
 と、ここまで読めばいいことずくめですが、問題は車、または水素を発生させる装置のお値段です。パンフレットでは、値段にはまったく触れられていません。おそらく目の玉が飛び出る程、高いのでしょう。トヨタの環境車「プリウス」が高級車のように、ホンダも値段にかけては庶民的というのは難しいと思いました。
 しかし、こうした取り組みは全面的に賛成です。ホンダはテレビCMでも環境に優しい車の走らせ方をアピールしたりしていて、好感が持てます。他のメーカーも負けずに、環境に優しい車の開発を進めてほしいと思います。

ジェフリー・ディーヴァー『ボーン・コレクター(下)』

2007-08-23 15:00:12 | ノンジャンル
 ジェフリー・エヒーヴァーの「ボーン・コレクター(下)」を読みました。
 ボーン・コレクターは老人を桟橋の杭に手錠でつなぎ、満潮時に全身が沈むように海に入れます。そしてタクシーに戻るとぶつかってきたジョギング中の女性を殴打して意識を失わせます。サッックはFBIが犯人の逮捕ばかり力を入れて被害者の救出に熱心でないことに愛想をつかし、証拠全部とともにライムの家に現れます。しばらくするとデルレイが窃盗の罪でサックスを捕まえにきますが、そこへFBIマンハッタン支局長と検事総長が現れ、捜査はライムに任せることにしたと言います。市長もその意向だとのこと。デルレイは苦悩の表情を浮かべるが、その後はライムらに協力します。サックスとライムは前の現場で発見された下着が海水に濡れていたこと、月の満ち欠けの載っていた新聞、タバコの葉から、犯人は昔タバコ畑の桟橋のあったところで被害者を溺死させるつもりだと推理し、間一髪で被害者を救出します。
 国連平和会議に出席するキャロルと幼い娘は犯人のタクシーに乗り、アジトに娘だけ残して教会の地下室に時限爆弾とともにキャロルを閉じ込められます。ライムは過去の事件から次は教会の放火をすると推理し、昔の黒人居住区にある教会にサックスを急行させ、間一髪でキャロルを救います。様々な証拠から犯人が「古きニューヨークの犯罪」という本を読み、その本の中のシュナイダーの犯罪を模倣していることが分かります。犯人の住居も特定され、警察が踏み込み、野犬に襲われそうになっていた少女を救出するが、そこには酸で肉を溶かされた死体が3体と、無数の人骨が発見され、警官たちは悪臭と死体の惨状に吐き気を我慢します。犯人はいませんでした。
 シュナイダーが警察を恨んでいたように、犯人も警察を恨んでいるかもしれない、とライムは考えます。そして、ライムを訪ねてきたライムのよく知る男は、ボーン・コレクターでした。さて、その男は‥‥。

 意外なラストがこれから展開していきます。リンカーン・ライム・シリーズの第一作ということで、人物紹介が前半は長く、それを読むのに少し疲れますが、後半は怒濤のごとく、ストーリーが流れ、次々と起こる事件のハラハラします。犯人逮捕への道以外に、ライムとサックスが次第に仲良くなっていき、自殺願望の強かったライムが最後に生きる希望を見い出すところなど、ちょっと感動的でした。
 上のあらすじの詳細と衝撃のラストについては「Favorite Novels」の「ジェフリー・ディーヴァー」の項に載せておきましたので、興味のある方はご覧ください。
 まだ読んでない方にはオススメです。

ジェフリー・ディーヴァー『ボーン・コレクター(上)』

2007-08-22 16:20:02 | ノンジャンル
 ジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライム・シリーズの第一作「ボーン・コレクター(上)」を読みました。
 飛行場からタクシーに乗った男女のビジネスマンが行方不明になります。その後匿名の通報者が広い場所を通報してきます。足が関節炎を理由に今日の午後から広報課に異動するはずだった女性警官サックスは、ひじから下を埋められ、左の薬指の肉をそがれ、そこに指輪を通されている男性の被害者を発見します。証拠保全のため独断で現場近くの一車線と鉄道をストップさせますが、交通渋滞を起こし、鉄道会社からも抗議の電話を受けた上司は、サックスを叱責し、すぐに規制を解除させます。
 鑑識中の事故で全身マヒになり引退していた犯罪学者ライムは、難解なこの事件の捜査に協力してもらおうとかつての同僚セリットーと若い捜査官バンクスの訪問を受けます。長い説得を受けた末、やっと協力を引き受けたライムは、サックスの行動を聞き、この女性警官に自分の手となり足となって働いてもらおう、と決心します。ライムの指示で、サックスは現場検証をし、証拠物件を集めます。そこには次の犯行現場をわざと暗示するように犯人が置いていった、錆びたボルト、アスベスト、牡蠣の貝殻、コンクリートの破片が見つかります。牡蠣とコンクリートから犯人のアジトはダウンタウンのパール・ストリート付近だとライムは推理します。そしてボルトとアスベストからスチームパイプが浮かび上がります。最近修理したスチームパイプの場所に急行したサックスは、高温のスチームを浴びてひどい火傷を負って死んでいる女性を発見します。すぐにライムの指示にしたがい証拠物件を集め始めますが、最後に被害者がはめられている手錠を手に入れるため、被害者の手首を切断しろ、と言われライムに怒りを感じながら他の警官に手首を切断してもらいます。
 犯人のボーン・コレクターはドイツ会館で若い女性を誘拐します。彼は「古きニューヨークの犯罪」という本を持ち歩き、シュナイダーの犯罪の章を丸暗記するほど読み、彼の犯罪の再現をしているのでした。女性は古いビルの地下室に監禁され、足と腕に骨まで達する傷をつけられて、放置されます。しばらくするとネズミが肉を求めて寄って来ます。一方、ライムらは女性の現場で得られた証拠を調べます。次の現場を暗示するものは、牛の骨、ネズミの毛、古い厩肥。ライムは家畜の一時収容所だった場所にサックスを急行させる。サックスが着くと、女性の悲鳴が聞こえているのに既に到着した警官はサックスの到着を待つようにとライムに言われて女性の救出をしていませんでした。怒りにふるえるサックスは、すぐにネズミに肉を喰いちぎられている女性を救出しますが、ライムはその場で女性に事情聴取をしろ、と言います。サックスはいやいや従い、女性を病院へ送ると、証拠物件の収集を始めます。
 ライムらが証拠の検証をしていると、FBIのデルレイが来て、今後この事件はFBIが担当するので、君たちは捜査を止めるように、と言って証拠全てとサックスを連れて行ってしまいます。サックスはFBIの捜査陣の充実ぶりに驚きますが、容疑者の逮捕ばかりに力を注ぎ、被害者の救出は無視するFBIの方針に反発し、証拠をすべてライムのもとへ持って行き、またライムの捜査が開始されます。ボーン・コレクターはタクシーに痩せた老人を乗せ、西へ猛スピードで向かいます。
 上巻はここまでです。サックスが足の関節炎に苦しみ、証拠保全を第一にするライムに反感を覚えながらも、被害者の救出に全力を注ぐ彼に引かれて、彼の捜査に協力していく過程が描かれています。ライムは自殺を考えていましたが、捜査に協力することで生きがいを感じ始めます。異常な殺人を続ける優秀な頭脳を持つ犯人、さあ、後半はライムたちとボーン・コレクターの間にどんな戦いが待っているのか、楽しみです!