ビル・エヴァンスの誕生日

　1929年の今日、私の大好きなジャズ・ピアニスト、ビル・エヴァンスが生まれました。
　彼に6才の時にピアノを教えたのは父で、その後は兄とともにバンドを組み、ピアノの才能を発揮していきます。やがて、20才でプロ活動を開始、29才で初リーダー・アムバムを録音。そして白人で初めてマイルス・デイヴィス・グループに参加。30才でスコット・ラファロという才能あふれるベーシストと出会い、ここから彼の華やかな、そして死に彩られた音楽人生が始まります。スコット・ラフファロとは３枚のアルバムを残しただけで、ラファロが事故死。失意の中から再び蘇りますが、33才で音楽を教えてくれた父が死に、44才の時に妻が鉄道自殺で亡くなり、50才の時に兄ハリーまでが自殺。その後は何かに憑かれたようにピアノを引き続け、肝硬変でとてもピアノを弾ける状態でないのにライブで弾き続け、ライブの終わった瞬間に倒れ、病院に搬送しましたが、もはや遅く、51才で亡くなります。
　彼との最初の出会いは大学時代でしたが、その時はこちらの耳がまだ成熟していなかったようで、聞き過ごしました。そして40代になって木住野佳子さんを知るようになってから、彼女が影響を受けたというビルと再び出会い、彼の音楽にのめり込んでいくようになります。
　彼はトリオもいいですが、ソロピアノもとても綺麗で、「ダニー・ボーイ」（これは木住野さんもアルバムで見事なソロの演奏をされています。）のソロは何ともいえない気持ちになります。また、「ワルツ・フォー・デビー」に収録された「マイ・フーリッシュ・ハート」は、ジャズ音楽のナンバーワンと言う人がいるくらいの名演です。
　ビルを知らない方、ぜひ聞いてみて下さい。最初のオススメはアルバム「ワルツ・フォー・デビー」です。