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ジェフリー・ディーヴァー『悪魔の涙』

2007-08-01 15:59:02 | ノンジャンル
 ジェフリー・ディーヴァーの'99年作品「悪魔の涙」を読みました。
 大晦日の日のワシントンDC、午前9時。地下鉄へ向かうエレベーター上で銃の乱射事件が起き、20人以上の死者が出ます。間もなく州庁舎に手紙が届き、2000万ドルと所定の場所に置かないと、ディガーは午後4時、8時、真夜中と無差別殺人を繰り返す、と書いてあります。FBIのルーカス女性捜査官は、離婚した妻に子供の養育権を渡さないためにFBIを辞めて自宅で仕事をしていたパーカーを口説き落とし、捜査に参加させます。手紙を届け、当初実行犯に指令を与えたと思われていた男は交通事故で死んでしまいます。脅迫状には「俺が死んでも殺しは止まらない」と書いてありました。パーカーは午後4時の現場をあるホテルに見当をつけますが、罠であることに気付き、午後4時に終演を迎えるメイスン劇場へ急行し乱射が始まる直前に現場入りしますが、警官に犠牲者を出し、ディガーには逃げられてしまいます。パーカーは封筒から検出された物質から手紙の書かれた場所を特定し、ルーカスらは部屋に踏み込み、机の上に今後の犯行現場が書かれているメモを発見しますが、その瞬間向かいの家の屋根から銃を乱射され、ガソリンを入れた瓶が割れ、鍋に銃弾が当たって起こった火花で引火し、脱出を余儀無くされますが、FBIのゲラー捜査官が火傷を負いながら、半分焼けたメモを持ち、窓から飛び下ります。メモは一部しか読めず、後の灰になった部分はコンピューターにより解析し、午後8時の現場をリッツ・ホテルと推測し人員を配置します。しかし、実際に事件が起こったのはリッツィ・レディという豪華ヨットでした。警備員がいたおかげで11人の死者で済みましたが、今回もディガーには逃げられてしまいます。パーカーは最後の場所をヴェトナム戦没者慰霊碑に見当をつけ、ルーカスが人員を配置します。ジャーナリストでFBIの動きを追って、今回の犯人の本を書こうと思っているツィンマンは林の中に、ビデオで確認された金の十字架を首に下げているディガーを発見しますが、殺されます。パーカーのその場にいましたが、ディガーに逃げられます。夜の12時、そこに来ていた市長のそばにいた2人が射殺され、市長も応戦し、ディガーの左腕に命中させます。バスに逃げ込んだディガーはそこから乱射しますが、ディガーは車内で撃たれ、バスは火の海になり、消火後、マシンガンを手にした死体が発見されます。死者は10名でした。ようやく事件が終了して、心理学者エヴァンズはFBI本部から帰ろうとしますが‥‥。
 これから物語はまだ二転三転します。この後の展開は「Favorite Novels」の「ジェフリー・ディーヴァー」の項に書いてありますので、興味のある方はご覧ください。
 上のあらすじ以外にも、ツィンマンが語る過去のディガーたちの犯罪とか、理想を追及するために周囲の理解が得られない市長の話とか、様々な話が書かれています。ミステリー嫌いな私でも楽しく読めるのは、理屈っぽくない平易は文章と、展開の速い物語のせいでしょう。物事に関する描写も必要最小限に押さえられていて、人気があるのもなるほど、と思いました。ミステリー嫌いな方にもオススメです。