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増村保造監督『大地の子守歌』

2021-10-03 16:31:00 | ノンジャンル
 増村保造監督・共同脚本の1976年作品『大地の子守歌』をDVDで観ました。

 サイト「MOVIE WALKER PRESS」のあらすじに加筆修正させていただくと、
「秋の四国路の野山に、美しい鈴の音がこだまする。山道を踏みしめていく幼いお遍路(原田美枝子)の瞳はつぶらだが盲目であった。少女の名はりんという。彼女は四国の山奥で、ばばと二人で野性の子として暮していたが、ばばの死後、瀬戸内海のみたらい島に売られた。りんが13歳の時だった。
 島でりんを待っていたのは売春という地獄だった。当分は店の雑用をしていたが、りんが女になる近い将来、りんも春を売る女にされてしまうのだった。
 彼女は反抗し続け、苦しい時はばばがよく歌った子守唄を歌った。この島では陸地での売春と別に「おちょろ舟」を漕ぎ出して沖に停泊する船での売春があった。りんはおちょろ舟の漕ぎ手を志願した。舟さえ漕げれば、いつの日か島を脱出できると考えたからだ。
が、やがて初潮を迎えたりんは、客をとらされた。島で知り合った少年との淡い恋も散った。りんは狂ったように働きつづけた。その結果、昭和十年、視神経を犯されてしまった。それでも、生きる、という望みを捨てなかった。負けるものか、という闘魂がりんの心を支えていた。そんなりんに同情した牧師(岡田英次)が、りんを島から逃がそうと舟に乗せた。四国へ逃げのびてお遍路になれ、という男に向かって、りんは帯をといた。生まれたままの姿で、りんは男にとも、天にとも、海にとも解らぬまま、汗と涙で汚れた手を合わせた。「うちはただでお金をもらうことはできまへん。どうぞ、うちを好きにしておくれませ。この恩は、一生、忘れはせんけんな!盲のおりんのこの気持をうけとっておくれませ」……。
 朝焼けの四国路を幼いお遍路が行く。りんは夜露のおりた土に顔をこすりつける。いっぱいにひらいた瞳で、大地の底まで見通そうと一心に目をこらす。やがて、土の下から声が上ってくる。「おりん、おりん」それは、ばばの声であり、大地の声であり、神の声であり、また、浄化されたりん自身の声でもあった。

 おりんをめぐるストーリーにおりんのお遍路姿が随所にカットインされる構成でした。原田美枝子の体当たりの演技が印象的でした。公開当時もキネマ旬報1位やブルーリボン賞など、国内の賞を総なめした映画だったそうです。