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エリック・ロメール監督『モード家の一夜』

2021-10-29 06:53:00 | ノンジャンル
 「あつぎのえいがかんkiki」で、エリック・ロメール監督・脚本、ネストール・アルメンドロス撮影、モーツァルト音楽の白黒映画、1968年作品『モード家の一夜』を再見しました。
 サイト「MIHOシネマ」のあらすじに一部修正加筆をさせていただくと、
「敬虔なカトリック教徒であり、フランス中部の街クレルモン=フェランで自動車工場技師をしている「私」(ジャン=ルイ・トランティニャン)はいつものように教会のミサへと参加する。そこには同じくミサに来ていたフランソワーズという若い女(マリー・クリスチーヌ・バロー)もいた。「私」はフランソワーズの美しい容姿に惹かれ、ミサが終わった後に彼女を付け回す。そして、「私」はその日初めて見たフランソワーズが妻になると確信したのだった。
 「私」はカフェで偶然、友人であるヴィダルに14年ぶりに会う。ヴィダルは大学で哲学を教えている。「私」はパスカルの話を始める。「私」は、何もかも陳腐で何も新しくないとパスカルを否定する。一方ヴィダルはいつもパスカルと共にいると言う。生きる意味とは何かを、二人は長々と語り合うのだった。
 カフェを出た後、「私」とヴィダルは古典音楽のコンサートを観に出かける。その後、レストランへと場所を移した彼らはまた明日会おうと約束するのだった。
 ヴィダルは、友人のモードという女(フランソワーズ・ファビアン)の家に行こうと「私」に提案する。モードはとても美しい女性だとヴィダルは言うのだった。
 モードの家へと着いた「私」とヴィダル。小児科医であるモードは離婚をして、家を出ていくところだと言う。三人は一緒に食事を摂ることにする。
 パスカルの風変わりなキリスト教観念が好きじゃないと語る「私」。モードもまた、パスカルは嫌いな作家だと言う。「私」はさらに、キリスト教を理解する別の方法があるはずだと語る。パスカルの理論で驚いたことは、結婚はキリスト教義で位が低いということだと「私」は語る。そして、「私」はフランソワーズの話を始めるのだった。結婚という妄想に取り憑かれているとヴィダル達は笑う。
 「私」は、どんな女だろうと簡単に寝なかったと語り出す。それは無意味だからだと言う「私」にヴィダルは、旅先で二度と会えない美女であっても欲望を抑えられるのかと聞く。そんなことは一度も起きなかったと答える「私」は、今は改心したから断ると答えるのだった。
 三人の会話は止まらずに進む。外では雪が降り出していた。そして内心留まりたがっていたヴィダルが部屋から去って行き、「私」とモードの二人きりになるのだった。
 二人になっても話は尽きない。モードは、宗教には興味がないと言う。モードは、ある晩ヴィダルと寝たが決して好きになることはなかったと語る。そして彼らはお互いのことを語り始める。
 一夜を共に過ごすことになった「私」とモード。敬虔なカトリックである「私」は、ベッドで眠る全裸のモードに対して自分はソファで眠ると言う。結局ベッドへと移ったが、彼らは一晩添い寝するだけだった。朝方、モードが「私」に行為を迫るのだが、「私」は優柔不断な態度をとりながらそれを断る。その態度が気に入らないと言ってモードは怒るのだった。(中略)
 翌日の夕方、カフェへと足を運んだ「私」は自転車に乗るフランソワーズを発見する。「私」は彼女を追いかけて話しかける。雪が降る中、「私」はフランソワーズを車に乗せて家まで送ることにする。しかし車道で雪のために度々スリップした車はついに動けなくなっていまい、二人はフランソワーズの学生アパートに泊まることにするのだった。
 二人はアパートで楽しく時間を過ごす。ときには宗教観を、ときには恋愛観を語り、それはまるで恋人同士のようだった。そして、二人は別々の部屋で眠るのだった。
 翌日、「私」はフランソワーズに求愛する。フランソワーズは、「私」を失望させるからそんなことは言わないで欲しいと言う。フランソワーズには最近まで恋人がいた。その人は妻子のある身で、「私」のことを愛しているが、そのことが引っかかっているのだと悲しい様子を見せるのだった。
 5年後、フランソワーズと結婚した「私」は、子供を連れて海に向かって歩いていた。すると、向かいからモードが歩いてくる。モードは再婚したことを「私」に告げると、「私」とは逆に海から丘へと歩いていき、それを見送った「私」は、自分の妻と子供へ追いつくために海をめざして走り出すのだった。」

 モードの元恋人が交通事故死していることから、「私」とフランソワーズが雪道の中、猛然とスリップしていく様は見ていてハラハラしましたが、ラストのハッピーエンドぶりについ号泣してしまいました。アルメンドロスの自然光を映した白黒画面は美しく、ジャン=ルイ・トランティニャンの代表作の一つと言えるでしょう。一言で言えば傑作だと思いました。