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ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督『雪の轍』

2016-10-21 08:43:00 | ノンジャンル
 朝日新聞で山根貞男氏が推薦していた、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督・共同脚本の’14年作品『雪の轍』をWOWOWシネマで見ました。
 湯気の上がる川。歩いてくる中年男性。丘の上の子供たちの姿と声。中年男性は岩でできた家“ホテル・オセロ”に入っていく。「キノコを採ってきた」客の一人「ここには馬が?」「いや、野生の馬です」。
 馬を買いに行くアイドゥン。「いい馬を捕まえてみせる」。
 下校の子供たちの声の中で車、停車。アイドゥン「例の家族は?」ホテルの管理人のヒダーエット「強制執行しました。2か月で追い出せます」「父から継いだ資産だが、時々放り出したくなる」「手ぬるいのですよ。家賃の滞納なんて、この辺で聞いたことがない」。投石で窓にヒビが入る。「あのガキ!」。ヒダーエットが少年を捕まえる。「なぜずぶ濡れに?」「小川を越えようとして落ちたんです。このままだと風邪をひきます。家まで送りましょう」。
 家まで送り、ヒダーエット「私が話します」。家の周りに散乱するゴミ。「ハムディ導師!」イリヤスの父のイスマイルが出て来る。「イリヤスが何か?」「車の窓に投石したんですよ」「あの子が? 金なら払うよ」「大事故を起こしかけたんだ。金の問題じゃない」。イスマイル、イリヤスを呼ぶ。「お前がやったのか?」。なかなかうなずかなかったイリヤスはやっとうなずく。イリヤスに平手打ちをくらわすイスマイル。「行け」。ヒダーエットをにらみつけて、イリヤスは家に入る。「何も殴らなくても」。アイドゥン、ヒダーエットを呼ぶ。行きかけると、ガラスの割れる音。イスマイルが素手で家のガラスを割っている。「これでいいのか?」とイスマイル。「もっとイリヤスを叩いてもいいんだぞ。わずかな家賃の代わりに冷蔵庫やテレビを取り上げて。今度は息子か?」。ハムディ現れ「粋がるな」と喧嘩をふっかけようとするイスマイルを止める。ヒダーエットは車に戻るがなかなか車が動かない。ハムディが来て「すべて払う。私たちにも自尊心がある。いきなり行政執行者をよこさなくても、話し合いで」ヒダーエット「話し合いは何度もしたろう」。
ヒダーエットら去る。ハムディ「何て奴らだ」。
 ヒダーエット「ファトマ! お前に土産だ」アイドゥン「窓ガラスを交換しておいてくれ」。
 客のカップルに声をかけるアイドゥンは、密かに彼らの部屋を覗く。
 夜。書斎。「兄さんに」と妹のネジラがお茶を持ってくる。「先週のコラム、良かったわ。地方紙になんて書かないで、もっと大きな新聞に書けば? よく毎週ネタがあるわね」「今日、ハムディのところに行ったが、ガラクタだらけだった。導師は地域の手本にならなければ。ずるそうで貧相な男だ。来週はこのことを書こうか?」。
 アイヴァンは友人のスアーヴィと妻のニハルを呼んで、ガリップ村の女性から寄付の要請が来ていることを明かす。信用が置けないとニハル。
 朝食を食べながら、ニハルとネジラと悪事について議論するアイヴァン。ヒダーエットは昨日に続いて、ハムディがイリヤスを連れてきたと言う。会ってやるべきだとニハルとネジラ。ハムディはイリヤスが心から悔い改めていると言い、アイヴァンの手に接吻するようにイリヤスに言うが、イリヤスは失神してしまう。
 捕らえられ、川の中で暴れる馬。それを見るアイヴァン。
 夜。25年間役者として頑張って来て、今はトルコ演劇史の大著に挑戦しようとしているとアイヴァンが言うと、自己満についてネジラと議論になる。雨の音。
 ロビーに人込み。ニハルは小学校の修理に寄付を集める慈善事業に参加していて、これが最後の会合だとアイヴァンに言うが、レヴェントという教師がニハルに馴れ馴れしいように思えて、面白くない。隣室でニハルと喧嘩になり、ホテルを去るアイヴァン。
 夜。慈善事業に関してニハルと議論するアイヴァン。風の音。暖炉の音。ニハルは泣き出し、アイヴァンは大金を寄付し、「明日イスタンブールに行き、春まで帰らない」と言う。
 馬を逃がすアイヴァン。
 イスタンブールの駅舎までアイヴァンとヒダーエットはたどり着くが、アイヴァンは気を変えて、スアーヴィの農場を目指す。
 夜。スアーヴィとあらかじめ約束していたレヴェントが訪ねて来る。柔軟に物事を受け入れないとと語るスアーヴィ。
 ニハルはハムディ導師を訪ね、大金をあげると言うが、そこに現れたイスマイルはそれを暖炉の火に入れてしまう。
 レヴェントは人の批判に耳を貸すべきではないと言って、災害時にホテルが儲けた話をし、アイヴァンを怒らせてしまい、アイヴァンは吐く。
 翌日。3人は猟に出て、アイヴァンはウサギを捕る。
 ウサギを手にしてホテルに帰ってくるアイヴァン。それを悲しげに見下ろすニハル。ホテルの遠景で映画は終わる。

 ハッとさせるような画面には一回も会うことがありませんでした。