昨日の続きです。
“バイオハザード”をやるシュン。母「物置の片づけやった?」「明日やるよ」「1カ月もそのまま」「明日やるって」。ゲームオーバー。チャンネルをニュースに変えると「建物の前の無人の車、突然爆発」と報じている。「歩行者16人死亡、日本人の被害者はまだ確認されず。反政府グループの犯行か?」。
登校する学生たち。「おはよう、シュン」と声をかけた金髪の女子は、ベルを鳴らしながら自転車に乗っている。メガネ「お前さあ、何で彼女と付き合わない訳?」「家が隣同士ってさ、ガキの頃からいつも一緒にいたから、今さらそういう感じでもない。(笑顔で自転車をこぐ女子。)あるでしょ? そういうの」「彼女、もてるぞう。いつまでもそばにいるとは限らないぞ」「はい、はい、まあそのうちにねえ」。
階段をメガネが上り、シュンも上がろうとして振り返ると、男子を殴っている男子。横たわっている無数の男子。殴っている男子はシュンと目が合うが、また横たわってる男子の方を見て蹴り飛ばす。メガネ「あいつら、楽しいのかねえ」。ドスッという音。
世界史の授業中。先生「高畑?」「は、はい」「もういいよ。寝てて」。笑い。「はーい、ここテストに出るぞ」。黒板に血しぶき。床に無数の赤いビー玉。驚く生徒たち。先生の首にダルマが乗っていて、机の上に飛ぶ。
死体の山とシュン。「神様、僕の退屈を返してください」。「チューチューチュー」とダルマ。「お前はネズミや。もうすぐ来るで。猫が来るで」「ネズミ?」「猫が来るでえ」。シュン、後ずさりしながら「猫が来る……」。1人の女子、戸を開け、怯えている。「あー、イチカ」「シュン、あーあーあー」と腰抜かす女子。シュン、廊下に出る。イチカ「良かったー、生きてて」「他のみんなは?」「他に? 私、自分を助けたくて~(声が震えていて、聞き取れない)スイッチを押したの。あたし、みんな殺しちゃった。私のせいだよ!」「いや、俺も同じだ。俺が~」「ねえ、これって何がどうなってるの?」「いやー、俺にも分かんないよ。そうだ。警察に」。携帯を取り出すが、“圏外”の文字。「なんで?」「チューチューチュー、お前らはネズミや。もうすぐ猫が来るで、来るでえ!」「ここから出よう。警察に知らせないと」。2人、出口へ走るが、どの扉も開かない。シュンが消火器を扉のガラスにぶつけても、消火器は跳ね返される。唯一開いた扉は体育館への扉で、2人が体育館に入ると、扉は閉まってしまう。開けようとすると「無駄だよ。一度中に入ったら出られない」。ネズミの着ぐるみを着た生徒もいる。「はー、何だ? これ」。床に巨大な文字が書かれている。“ネコにすずつけたら、おわり”。イチカ「どういうこと?」ネズミの1人「さあ、君たちも早く着替えたまえ。逆らったら何が起こるか分からない。早く!」。バスケットボールを持ち、床に座っている生徒。「早くしないか?(声が裏返る)これは生徒会長の命令だぞ」。振動。床が開き、巨大な猫の置物、現れる。“猫ふんじゃった”の音楽。猫の首がバネでビヨヨーンと伸び、生徒の1人を丸飲み。ズズーンと体が滑って動き、次の生徒を丸飲み。その後も次々と飲み込んでいく。シュンとイチカの前に巨大な鈴が転がってくる。猫の首に輪っか。鈴のタイマー、残り9分32秒。「あそこにあの鈴をシュートしろってことか?」。さっきバスケットボールを持っていた生徒、猫の輪っかにボールをシュートする。“2年吉川晴彦・バスケ部エース”の字幕。「毎日500本のシュート練習をし、指の爪をはがしたのは30回以上。なぜバスケを続けてきたのか、今やっと分かった。すべてはこの瞬間のためだ」。鈴をシュートすると、輪っかへ一直線。しかし猫が鈴をつかむ。吉川「手、動くのかよ!」。猫、吉川を手で横殴りにし、吉川は鈴とともに壁にめり込む。口から血を垂らして倒れる吉川。また“猫ふんじゃった”の音楽。猫、再び生徒を襲い始める。シュン「皆、着ぐるみを脱げ。あいつは着ぐるみを着てる奴しか襲ってない」。皆、急いで着ぐるみを脱ぐと、猫はおとなしくなる。しかし生徒会長と他の生徒が口論を始めると、また猫は生徒を食べ始める……。
この後、シュンは猫の輪っかに鈴を入れることに成功し、白い立方体の中の部屋に閉じ込められて、4体のこけしによって“カゴメカゴメで当てたら、終わり”と言われ、立方体から出ると、今度はシロクマに“本当のことを言ったらおわり”と言われ、最後にマトリョーシカに“カンケリしたら、終わり”と言われ、生き延びます。あらすじを書いた部分の後は凡庸なストーリーをなぞることに終始し、冒頭の「体の欠損による殺人」が魅力的に描かれていることが、この映画の最大の見せ場となっていたように思います。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
“バイオハザード”をやるシュン。母「物置の片づけやった?」「明日やるよ」「1カ月もそのまま」「明日やるって」。ゲームオーバー。チャンネルをニュースに変えると「建物の前の無人の車、突然爆発」と報じている。「歩行者16人死亡、日本人の被害者はまだ確認されず。反政府グループの犯行か?」。
登校する学生たち。「おはよう、シュン」と声をかけた金髪の女子は、ベルを鳴らしながら自転車に乗っている。メガネ「お前さあ、何で彼女と付き合わない訳?」「家が隣同士ってさ、ガキの頃からいつも一緒にいたから、今さらそういう感じでもない。(笑顔で自転車をこぐ女子。)あるでしょ? そういうの」「彼女、もてるぞう。いつまでもそばにいるとは限らないぞ」「はい、はい、まあそのうちにねえ」。
階段をメガネが上り、シュンも上がろうとして振り返ると、男子を殴っている男子。横たわっている無数の男子。殴っている男子はシュンと目が合うが、また横たわってる男子の方を見て蹴り飛ばす。メガネ「あいつら、楽しいのかねえ」。ドスッという音。
世界史の授業中。先生「高畑?」「は、はい」「もういいよ。寝てて」。笑い。「はーい、ここテストに出るぞ」。黒板に血しぶき。床に無数の赤いビー玉。驚く生徒たち。先生の首にダルマが乗っていて、机の上に飛ぶ。
死体の山とシュン。「神様、僕の退屈を返してください」。「チューチューチュー」とダルマ。「お前はネズミや。もうすぐ来るで。猫が来るで」「ネズミ?」「猫が来るでえ」。シュン、後ずさりしながら「猫が来る……」。1人の女子、戸を開け、怯えている。「あー、イチカ」「シュン、あーあーあー」と腰抜かす女子。シュン、廊下に出る。イチカ「良かったー、生きてて」「他のみんなは?」「他に? 私、自分を助けたくて~(声が震えていて、聞き取れない)スイッチを押したの。あたし、みんな殺しちゃった。私のせいだよ!」「いや、俺も同じだ。俺が~」「ねえ、これって何がどうなってるの?」「いやー、俺にも分かんないよ。そうだ。警察に」。携帯を取り出すが、“圏外”の文字。「なんで?」「チューチューチュー、お前らはネズミや。もうすぐ猫が来るで、来るでえ!」「ここから出よう。警察に知らせないと」。2人、出口へ走るが、どの扉も開かない。シュンが消火器を扉のガラスにぶつけても、消火器は跳ね返される。唯一開いた扉は体育館への扉で、2人が体育館に入ると、扉は閉まってしまう。開けようとすると「無駄だよ。一度中に入ったら出られない」。ネズミの着ぐるみを着た生徒もいる。「はー、何だ? これ」。床に巨大な文字が書かれている。“ネコにすずつけたら、おわり”。イチカ「どういうこと?」ネズミの1人「さあ、君たちも早く着替えたまえ。逆らったら何が起こるか分からない。早く!」。バスケットボールを持ち、床に座っている生徒。「早くしないか?(声が裏返る)これは生徒会長の命令だぞ」。振動。床が開き、巨大な猫の置物、現れる。“猫ふんじゃった”の音楽。猫の首がバネでビヨヨーンと伸び、生徒の1人を丸飲み。ズズーンと体が滑って動き、次の生徒を丸飲み。その後も次々と飲み込んでいく。シュンとイチカの前に巨大な鈴が転がってくる。猫の首に輪っか。鈴のタイマー、残り9分32秒。「あそこにあの鈴をシュートしろってことか?」。さっきバスケットボールを持っていた生徒、猫の輪っかにボールをシュートする。“2年吉川晴彦・バスケ部エース”の字幕。「毎日500本のシュート練習をし、指の爪をはがしたのは30回以上。なぜバスケを続けてきたのか、今やっと分かった。すべてはこの瞬間のためだ」。鈴をシュートすると、輪っかへ一直線。しかし猫が鈴をつかむ。吉川「手、動くのかよ!」。猫、吉川を手で横殴りにし、吉川は鈴とともに壁にめり込む。口から血を垂らして倒れる吉川。また“猫ふんじゃった”の音楽。猫、再び生徒を襲い始める。シュン「皆、着ぐるみを脱げ。あいつは着ぐるみを着てる奴しか襲ってない」。皆、急いで着ぐるみを脱ぐと、猫はおとなしくなる。しかし生徒会長と他の生徒が口論を始めると、また猫は生徒を食べ始める……。
この後、シュンは猫の輪っかに鈴を入れることに成功し、白い立方体の中の部屋に閉じ込められて、4体のこけしによって“カゴメカゴメで当てたら、終わり”と言われ、立方体から出ると、今度はシロクマに“本当のことを言ったらおわり”と言われ、最後にマトリョーシカに“カンケリしたら、終わり”と言われ、生き延びます。あらすじを書いた部分の後は凡庸なストーリーをなぞることに終始し、冒頭の「体の欠損による殺人」が魅力的に描かれていることが、この映画の最大の見せ場となっていたように思います。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)