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うつ病を予防するために

2015-10-17 06:33:00 | ノンジャンル
 先日、メンタルケア・スペシャリスト養成講座・基礎課程の講義で、うつ病に詳しい坂元薫先生の話を聞くことができました。
 健康な人は気分のいい状態と悪い状態が交互に現れるのですが、悪い状態が続くと、やがて頭痛やめまい、下痢、動悸などの身体症状が現れ(これを“適応障害”というのだそうです)、さらに症状が進むと、不眠・食欲減退による体重減少(これは“抑うつ状態”と呼ぶ)となり、これ以降をうつ病と呼ぶのだそうです。
 また、うつ病は決して“なまけ”ではなく、神経の刺激が次の神経にうまく伝わらなくなるという脳の病気であり、医学的に治せること、しかし治るには短くても2~3カ月はかかり、薬物療法が一番効果的であること、うつ病にかかってしまったら、自分の性格や環境のことを深く考えないようにし、治そうと頑張ったり、重大な決断を避けたり、自殺しないよう努力し、周囲の人はうつ病の人を受け止め、サポートし、よりそうようにしてあげるといいことなどを教わりました。
 うつ病の一種で、双極性障害(いわゆる“そううつ病”)というものもあり、これは“躁(そう)”(気分が異常に高揚する状態)と“うつ”(気分が異常に落ち込む状態)が交互に現れるもので、“躁”病が起こる原因となるのは、仕事上の多忙・負荷、睡眠不足、旅行(体も疲れるし、睡眠不足になりがち)、抗うつ薬を飲むこと、肉親との死別(悲しみから逃れようとして躁になっていまう)などがあるとのことでした。
 それ以外にも、最近の20代の女性に多く見られる“非定型うつ病”(現代型うつ病とも呼び、嫌なものに対しては異常に気分が落ち込むが、それ以外の時には平常心に戻り、眠りすぎ、食べ過ぎ、人間関係に過敏になる)というものもあり、うつ病も多様化しているという話もされていました。
 うつ病の人への対し方として考えられるのは、傾聴(話をよく聞いてあげる)が一番に挙げられるそうです。傾聴の技術としては、①肉親でない人には、タメ口をきかない ②相手が好感をもてるような相槌をうつ(相手より少しゆっくりのテンポ、落ち着いたトーンで。相手の言葉にこちらの言葉を被せない。「うん、うん」と続けずに、「はい、ええ」を入れる。相槌にニュアンスを乗せて伝える) ③相手の気持ちをフィードバックする(「つらいんです」→「つらいんですね」、「寂しいんです」→「寂しいんですね」) ④相手の意思をフィードバックする(「仕事がしたいんです」→「仕事がしたいんですね」、「喧嘩はしたくないのに」→「したくないんですね」、この際強くフィードバックするのは、相談者のポジティブな意思だけにする。相手の言葉を繰り返して使うのは効果的)⑤どんな小さなことでもよいので、相手のできること、よいところを見つけて褒める(「そんな悩みを抱えながら、仕事もしているなんて、本当に頑張っていると思います」、「自分のことだけでも大変なのに、他の人のことも気遣われて、お優しいのですね」) ⑥できないことや悪い面には触れず、良い面に目が向くように話を持っていく(相談者自身が、自己評価を高めて、自身を持てるように心がける)とのことでした。
 そして最後にうつ病にならないコツとして、①自分の限界を知る ②笑う習慣を身につける ③悩みを複数の人に相談する(悩みを相談できる人を複数作っておく) ④ウォーキングなどの有酸素運動をする ⑤現状を容認する ⑥楽観的になる ⑦たくさんの人と一緒にいるように心がける ⑧睡眠を十分にとる ⑨妥協する習慣を身につける(完璧主義を避ける) ⑩コーヒー、カフェインを取りすぎない ⑪1日15分でいいから、(できれば目を閉じて)好きな音楽を聴く ⑫わずらわしい人間関係を切る などが挙げられていました。また躁状態の典型的な症状として、金使いが荒くなるということがあるので、その点も普段から自分で気を付けておくことが大事だということでした。
 現在、うつ病で通院している人は全国で43万3千人、潜在的な人も合わせると、100万人以上の人がうつ病にかかっていると考えられています。自殺者は年間3万人、1日に換算すると80人。これは10万人当たりの自殺数で他の国と比べても、異常に高い数字なのだそうです。頭痛、めまい、下痢、動悸、そしてそれがもっと進んで不眠、食欲不振に悩んでいる方は、内科や産婦人科を訪ねる前に、まず精神科を訪ねることをお勧めして、この文章を終わりたいと思います。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/