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クリント・イーストウッド監督『ジャージー・ボーイズ』その5

2015-10-12 06:21:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 ディナーショー。フランキーのナレーション「ボブは家族と家にとどまり、俺は年間200日ステージをこなした。クラブにホテルにパーティ。何でもありだ」。“フランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズ”のネオン。クラブのオーナーから現金をもらい、ホテルの一室で札束を2山に分けるフランキー。“おいしい食事とショー 出演フランキー・ヴァリ”の看板。またオーナーから1枚ずつ現金をもらい、食堂のカウンターで札束を胸ポケットにしまうフランキー。カウンターの上に貼られている全米の地図を見ながら「お前も旅の身か」と独り言。店員「ヴァリさん、ジャージーから電話です」。
 帰宅したフランキー「あの子は?」メアリー「責めないで。父親なにの留守ばかりして」「歌手だ! 仕方がない!」「父親よ!」「君こそ母親だ! しっかりしろ!」。電話が鳴り、フランキー出る。電話ボックスからフランシーン「ママは?」「フランシーン! 今どこだ? 心配で……」「ニューヨークよ。そんなに騒がないで」「2日間も行方不明で、どういうつもりだ?」「怒鳴らないで」「いいか、パパははるばる帰ってきた。車代はあるか? 帰ってきなさい」。電話ボックスの外に、やさぐれた青年。「急に父親っぽいのね。私はたった2日、パパは何カ月もよ」「違う話だ」「そう、パパは仕事、家族のために身を粉にしてる。飽きるほど聞いたわ。勘弁して。ママは?」「パパに何てことを……」。青年、電話を切る。「フランシーン!」。フランキー、受話器を叩きつける。メアリー「上出来じゃない、パパ」とソファに座り、タバコを吸う。フランキーの歌がバックに。妻の方を振り返るフランキー。
 黒いコートの男、路上のベンチに座るフランシーンに近づく。「フランシーン? パパが待ってる」。青年「何か用か?」「いいや、行こう」「あんたは?」「うせろ。首を折るぞ」「大丈夫。電話するわ」。男、フランシーンを食堂へ。そこにいたフランキー「ありがとう」「いいんだ」「座って、フランシーン」。フランシーン、座る。「なぜ居場所が?」「情報通の友達がいる」「マフィアの仲間?」「何か頼むか?」「コークを」。注文するフランキーは、腕組みをしている。「聞いてくれ。パパは過ちを犯した。留守がちだし、ママもあんな状態だ。もっと干渉すべきだが、家と仕事の両立が難しい。お前も家庭を持ったら分かる。ダメだ。貸しなさい。(タバコを取り上げ)歌手になるなら、まず禁煙だ。いい歌手になるぞ。パパの素質とママの美貌を継いでるんだ。だが頑張らないと。一体どうした? 自分を傷つけて。(フランシーン、涙をこぼしだす。)歌手の道は険しい。才能を発揮しなきゃ見向きもされない。だが道は開ける。辛抱強く頑張るんだ。二人で切り開こう。いいな? パパが力を貸す。まず歌のレッスンだ。ちゃんと食べて発声練習もしよう。クルーが4曲デモを作ってくれる。ソロだ。悪夢を抜け出そう。頑張れ。歌手になるのが夢だろ?(うなずくフランシーン)手を。(フランシーンが差し出した手をフランキーは握る。)お前を信じてる。話せてよかった」。
 邸宅。フランキー、室内で歩き回り、「皮肉だな。昔はクルーがレコーディングしないから、反旗を翻した。今は娘のレコーディングを娘につぶされるところだった。近頃はドラッグが大流行。メアリーも母親失格だ。娘の非行は俺のせいだと責めてばかり。変わったよ」「フランキー、私にはもう無理」「何が?」「家族の愚痴を聞く余裕はないわ」「待てよ」「意味ないわ。来週は私が出張で、帰ったらあなたがツアー」「仕事は断れない」「その繰り返し」「借金という大きな穴を埋めないと」「墓穴よ」「君に何が分かる? トミーを助けた」「利用されたのよ。彼のせいでケダモノにも親切になった。あなたが地元を離れたらと期待していたのに、一生抜け出せない」。メアリー、鞄を閉め、バッグを肩にかけ、コートを手に持つ。「俺の結婚指輪は?」「あなたとトミーの? 違法よ」。メアリー、家の出口へ。「考え直せ」「私は最優先じゃないのね。この先もずっとトミーやボブやジョーイの次。行くわ」。メアリー、コートを着る。「明日にしろ」「ボストンに来て。一緒に週末を過ごしましょう」「無理だ。用事がある」「家庭と仕事よね。私との時間はない」「せめて今は行くな」「なぜ? お酒を飲んで、もう一度セックスを? ごめんなさい。回転木馬は降りるわ。もう疲れたの」。メアリー、フランキーにキスして去る。呆然と見送るフランキー。(また明日に続きます……)

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