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マキノ雅弘監督『日本侠客伝・斬り込み』&加藤泰監督『緋牡丹博徒 お竜参上』他

2014-07-23 09:18:00 | ノンジャンル
  マキノ雅弘監督の'67年作品『日本侠客伝・斬り込み』をスカパーの東映チャンネルで見ました。渡世の義理で親分を斬った旅人(高倉健)が幼い息子を連れて逃げ、その先でテキ屋の元締めの笠谷(石山健二郎)の世話となり、笠谷の意向を受けて新宿に出て、そこでテキ屋の元締めとなり、笠谷の娘(藤純子)と結婚し、彼の後立になってくれる親分(大木実)を銃撃した、新宿に手を出そうとするヤクザの相州屋(渡辺文雄)を殺し、最後には逃げた先で親子3人水入らずで暮らすようになるという話で、最初は相州屋に雇われて新宿のテキ屋を襲いますが、その後、高倉健側につく大阪のヤクザを長門裕之と潮健児、高倉健が来るまで新宿のテキ屋組合の副組合長をしていた男を金子信雄、飲み屋で働くその妻を南田洋子、相州屋の代貸を天津敏が演じていて、冒頭のシーンが斬り込みで、ハッピーエンドで終わり、 高倉健と藤純子の濡れ場シーンも水辺でなく室内に設定されるという、このシリーズとしては珍しいものでした。
 また、加藤泰監督、鈴木則文との共同脚本の'70年作品『緋牡丹博徒 お竜参上』もスカパーの東映チャンネルで再見しました。盲目で目の手術を受け、孤児になった女の子を訪ねて浅草にやって来た女博徒を藤純子、女郎になっていた妹を殺され、その復讐で親分の腕を斬り落とし、その子分から追われ、藤が身を寄せる親分(嵐寛寿郎)を訪ねる侠客を菅原文太、菅原を親分の仇と狙う男を沼田曜一、嵐の代貸を汐路章、嵐から縄張の浅草を奪おうとする親分を安部徹、その代貸を名和宏、藤が訪ねる元盲目の女の子とスリを働く男を山城新伍、藤を助けるために現れる藤の兄弟分を若山富三郎が演じ、徹底した縦の構図、長回し、カメラのローポジション、そして雪の橋で藤が菅原に手渡し、菅原の手からこぼれ、橋の雪の上を転がる果物が印象に残る映画でした。
 また、ラージクマール・ヒラニ監督・共同脚本の'09年公開のインド映画『きっとうまくいく』もWOWOWシネマで見ました。工科大学の3人の学生、父親にエンジニアになることを決められた、写真家志望のファルハーン、貧しい家庭を持ち、臆病な性格からなかなか成績を取れないラージュー、彼らが本来進むべき道を示し、競争をあおる学長に対抗して、科学の楽しさを尊重する秀才ランチョーの友情を描いた3時間弱の2部構成の作品で、学長の次女とランチョーの恋の成就と、学長の長女の出産のシーンも盛り込まれ、叙情的なシーンは古臭さが目立ったものの、歌が流れる4つのシーンのうち、2つがミュージカル仕立てになっていて、そこでの色彩の洪水ぶりは、バズ・ラーマンの映画を思わせるもので、それ以外のシーンでも、オレンジ、赤、青、緑、ピンク、黄色などの原色の美しさが目につきました。
 また、伊藤大輔監督・脚本の'61年作品『反逆児』もスカパーの東映チャンネルで見ました。家康(佐野周二)の息子・信康を中村錦之助、信長(月形龍之介)の娘で信康の妻を岩崎加根子、信長に滅ぼされた今川の娘で信長の妻になった、信康の母を杉村春子、信康の家来を河原崎長一郎、進藤英太郎、東千代之介、信康に抱かれたことで信康の母に信康の妻への対抗として信康の元に送られますが、信康に拒まれたため、信康の母に折檻され、信康の妻に寝返る娘を櫻町弘子が演じ、人物関係が煩雑で分かりにくく、演出も大時代的で舞台を見ているようでした。
 また、ヤシュ・チョプラ監督の'12年に公開されたインド映画『命ある限り』もWOWOWシネマで見ました。ロンドンで現場仕事をしている時に見初めた娘と一旦は結婚の約束をしながら、その男が交通事故で瀕死の重傷を負い、娘がその男をあきらめることで男の命を救ってくれと神に祈ったことで別れ、その後インド陸軍の爆弾処理の仕事をするようになり、その仕事を取材に来たテレビレポーターの娘とまた恋に落ちますが、またロンドンで交通事故に遭い、前の交通事故以降の記憶を失うも、列車に仕掛けられた爆弾のおかでで記憶を取り戻し、最後は最初に見初めた娘と一緒になるという男の物語で、メロドラマの部分は古めかしいものながら、6つの歌と3つの歌と踊りのシーンがあり、特に歌と踊りのシーンはプロモーション・ビデオのようなカット割で、それ以外のシーンも、青、赤、白、オレンジ、黄緑、銀色、黄色、緑といった美しい原色が印象的な映画でした。チョプラ監督の遺作とのことです。

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/