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青山真治監督『EUREKA ユリイカ』その1

2013-06-18 07:18:00 | ノンジャンル
 今日はポール・マッカートニーの71回目の誕生日です。私は1959年生まれでビートルズ世代ではありませんが、高校生の頃、ポール・マッカートニー&ウイングスの曲はよく聞いていて、特に『バンド・オン・ザ・ラン』と『ヴィーナス・アンド・マース』はお気に入りのアルバムでした。同じビートルズでもジョン・レノンは曲の精神性に重きが置かれているのに対し(例えば『イマジン』などは、歌詞の素晴らしさに比べ、メロディが単調)、ポールの曲はあくまでもポップで、ビートルズの曲で私の好きなのは大概ポールが書いた曲だったりします。改めて、彼の誕生日を祝福するとともに、70年代にポールの伴侶であり、ウイングスのメンバーでもあったリンダのご冥福をお祈りいたします。

 さて、青山真治監督・脚本・編集・共同音楽の'01年作品『EUREKA ユリイカ』をスカパーの日本映画専門チャンネルで見ました。
 「大津波が来る。いつかきっと、みんな、いなくなる」との少女の声。セピア色の画面。小学校低学年の少女(宮崎あおい)がバスを待っています。信号が点滅している通りをやって来るバス。バス停で振り返り、山の森の方に手を振る少女。森の上で笑顔で手を振り返す女性(国生さゆり)。少女はバスに乗り、最後部の席に付くと、そのすぐ隣に男子中学生が座り、バスは出発します。背広姿で乗って来る挙動不審な男。降車ベルを鳴らす少女。
 手前に馬の尻が写り、後方の広場のまん中にバスが停まっています。血に染まり土の上に横たわる腕。広場の中心のバスと、その手前に倒れている男。昇降口が開き、1人の男が逃げ出しますが、銃声がし、男は崩れ落ちます。もう1人の男は広場の端の木立に逃げ込みます。パトカーの音。3台のパトカーが現れ、バスから離れて停まります。パトカーから次々に出て来る人影。彼らが一団になると、1人の刑事が「みんな、わかってるな?」と言い、他の者たちは「はい!」と叫んで、いくつかのグループに分かれ、散会していきます。バスを双眼鏡で眺める1人の刑事。張り詰めた表情でバスの座席に座る運転手(役所広司)。犯人はカバンを探り、「あ、見つけた!(携帯を手にし)警察って何番だったっけ?」と言いますが、乗客は無言のままです。「あ、思い出した」と犯人。「はい、了解!」と言って、携帯を持ち歩く刑事は、双眼鏡を持つ刑事に携帯を投げ渡します。携帯の呼び出し音に耳を塞ぐ少女と、帽子を脱ぐ隣の男子中学生。犯人「はい、もしもし、もしもし、あ、刑事さん? あ、そこどこです?(窓の外を犯人が覗くと、運転手は厳しい目つきで後ろを振り返ります)ええ、何人か死んでるみたいですね。え~え、あと4人? でも、いつかはみんな死にますから。うん、あの、刑事さん、僕ね、誰だか分かりますか? クイズ。分かったら、僕に“分かる”と大きな声で言って下さい。もしもし‥‥、もしもし‥‥、ちょっと電波が‥‥、もしもし、あ、はいはい、あの、何かここ、空気が悪いし、ちょっと外、出てみますね」。携帯を切り、座席に座る犯人。「運転手さん、ちょっと一緒に外、出てみませんか?」無言で下を向く運転手は、やがて「子供たちは放してやらんか?」と言います。「そうだよね、子供は世界の宝だもんね。でも今は空気を吸いに外に出てみようと思うんですよ」と犯人。バスの後ろに走り寄る刑事と防弾チョッキを着た警官たち。バスの昇降口が開き、広場の周囲の建物の屋上に控える狙撃手は、照準を犯人に合わせます。運転手を楯に、背中合わせに出て来た犯人は、運転手の帽子を被っています。双眼鏡を持つ刑事は、拳銃を持つ右手を背後に隠します。「外、いい天気だったんだ。運転手さん、名前、何て言うの?」「沢井、沢井マコト」「どんな字?」「真実の真」「へえ~、キレイだね。沢井さんは違う人間になりたいすか?」「え? いやー、どうだろうか」「僕は違う人間になりたかったなあ。何か、やんなっちゃった」。運転手は崩れ落ちます。双眼鏡を持つ刑事は無線で「サカイ!」と小声で叫びます。運転手を見下ろして振り返る犯人に、照準が合わせられます。刑事の「撃て!」の声に銃声が被さり、血しぶきがバスの側面を濡らします。バスに走り寄る刑事たち。パンという銃声。犯人はバスに走り込みます。乗客の1人を撃つ犯人。(明日へ続きます‥‥)

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