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貴志祐介『硝子のハンマー』

2007-06-02 15:20:36 | ノンジャンル
 吾妻ひでお氏が「キャラクターもいいし、読みやすく、重厚でキレがある」と絶賛している貴志祐介氏の「硝子のハンマー」を読みました。(ネタバレしてるので、トリックの謎を知りたく無い方は以下の文章は読まない方がいいと思います。)
 日曜日の六本木センタービル略してロクセンビルで、何者かによって社長が鈍器のようなもので頭を殴られて殺されます。社長室の隣の部屋にいた専務が逮捕され、弁護士の青砥純子は防犯グッズの専門店の店長・榎本に会い、密室のトリックを暴いてくれるよう依頼します。社長の体からは睡眠薬が検出され、社長は頭の手術をした後で、弱いショックでも死ぬ可能性があった、といいます。榎本は社長室にあった介護ロボットをリモコンで動かし、寝ている社長を窓に密着させ、重りを振り子の要領で外側から窓に当て、窓を通して社長の頭に衝撃を与え殺した、と結論づけ、窓ふきの清掃員・章が犯人であることを突き止めます。彼は社長と専務が横領して作った金を宝石に変えて隠しているところを丁度仕事中に目撃し、それを盗むことを目的として犯行に至ったと言います。彼は逮捕され、新しく社長になった元副社長であり元社長の息子は、次々に会社を改革していき、章の家族は闇金に殺されていた、ということを純子は榎本からの電話で知るのでした、という話です。
 キャラクターいいですかねえ。読みやすいけど、重厚かなあ。キレはないんじゃないかなあ。吾妻さんに怒られそうですが、正直あまり面白くありませんでした。なぜなら、これはトリックを暴くミステリー小説で、私が時代小説に次いで、苦手なものだからです。私は人間が読みたいんで、トリックがどうのこうの、というのはまったく興味がありません。ということで、ネタもばらしてるし、謎解きを楽しみにしている人はこの文章を読んだら、本編を読む気、おきませんよね。というか、これを書いた私を怒っているかも? とにかくミステリーは私には鬼門です。