gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

原りょう『愚か者死すべし』

2007-06-18 15:28:10 | ノンジャンル
 吾妻ひでお氏が推薦していた原りょう氏の「愚か者死すべし」を読みました。
 別所という男が銀行で銀行員と暴力団鏑木組組長を撃ちます。伊吹という男が自首しますが、その娘の啓子が父は別所の身代わりで出頭したので、助けてほしいと私立探偵の沢崎のところへ来ます。沢崎は警察で不審なレンジローバーを見かけ監視していると、そこから出て来た男は伊吹と彼に付き添う東海林という刑事に発砲し、刑事を殺します。沢崎は自分とともにレンジローバーを追跡していた車の主人の家を訪ねると、そこには別所と、別所が銀行で発砲した日に同じ銀行で失踪していた老人の設楽が監禁されているのを発見します。
別所は事件の直後に誘拐されたといい、改めて自首します。設楽は政界の裏情報を仕切る実力者で、犯人は自白剤を注射し、助けられる前に多くの政治的スキャンダルの情報を設楽から得ていました。犯人は得た情報の一部をマスコミに流し、政界にパニックになります。もっと情報を流すぞ、と脅し、犯人は7億円を要求し、設楽の娘から沢崎はそれを運ぶのを頼まれます。犯人が携帯で出す指示通りに運転し、7億を渡すと、謎の男が現れ、犯人を射殺します。沢崎は伊吹と東海林を撃った犯人は、伊吹ではなく東海林を殺すのが目的だったのでは、と調査すると、東海林が奥多摩で警察の幹部が犯罪を犯しているのを目撃し、地元の巡査に報告すると巡査は急死してしまい、その警察の幹部から、今回のことを見逃してくれれば将来は保証する、と言われた事実をつきとめます。そして東海林が上司から娘の縁談を持ち出された時、東海林が拒否したのが、今回の射殺につながったらしいことも分かります。すべては警察内部の犯行であり、沢崎は事務所に戻ると警察の筒見課長が来て沢崎を殺そうとしますが、建物がパトカーに囲まれると彼は拳銃自殺します、という話です。
 実はもっと多くの人物が登場し、多くのエピソードがあり、人間関係が複雑で読むのに非常に苦労しました。もともとミステリーが苦手な私としては、かなりきつかったです。複雑に入り組んだストーリーのミステリーがお好きな方にはオススメです。