吾妻ひでお氏が「少年少女向けだが、しっかりした構成でカタルシスを感じる」と誉めたジョン・クリストファー氏の「トリポッド」4部作を読みました。最初に3部作として書かれ、後になって前日譚として1部追加されました。
第一部「襲来」では、半球状の頭を持ち長い3本足と3本の触手を持つ巨大ロボット・トリポッドが世界中に現われます。テレビでトリポッドが善玉のトリッピー・ショーが放送されると、それが熱狂的な人気を集め、一部に狂信的な集団も現われます。そこへ第二弾のトリポッドが人間1万人につき1機の割合で襲来します。テレビ番組は衛星から発せられてることが分かりました。トリポッドは反トリポッドの14才以上の人間に金属のメッシュ状のキャップを頭にかぶせ、トリッピーに変えて行きます。僕はと親友のアンディと隠れて暮らし、仲間を集めることにします。
第二部「脱出」では、キャップ装着がうまくいかず、頭がおかしくなった「はぐれ者」のふりをした男にオリオン号という船で海を渡り、南の高山に反トリッパーの集団が暮らしているので、そこを目指せと教えられます。僕は南に旅立ち、従兄のヘンリーが加わり、オリオン号の船長にも助けられ、やはり窮地を助けてくれたビーンポールも仲間になります。途中で僕は病気で意識を失い、貴族に助けられ、そこの娘エロワーズを親しくなりますが、彼女は14才になって戴帽式に出る事になり、別れます。途中で会ったトリポッドを頭の開口部に手榴弾を投げる事によって倒し、ついに反トリッパーの人たちの砦に着くのでした。
第三部「潜入」では、相手を知るために、トリポッドの都市に潜入することになります。この集団のリーターは古代人の研究の権威、ユリウスでした。スポーツ大会の優勝者は都市に入り主人の奴隷になれることから、僕とビーンポールとフリッツが選ばれます。僕はボクシングで、フリッツは100m走で優勝し、トリポッドの都市に入ります。主人は身長は人間の2倍、円錐形の緑色、短い3本足に3つの触手、三つの目、呼吸のための穴と食べるための口の穴が別という醜いもので、緑色の空気を吸って生きています。そして都市は蒸し風呂のようで、重力が強く、ちょっと歩くのに空気マスクの中は滝のような汗になります。僕の主人は優しく、いろんなことを教えてくれて、呼吸の穴と食べる穴の間が弱点ということも教えてしまいます。僕はキャップが偽物であることを主人に知られたため、主人を殺し、フリッツと相談して、使い物にならなくなった奴隷が死ににいく解放所に行ったことにして、都市の外へ流れ出る水に飛び込み、溺死する寸前にビーンポールに助けられます。
第四部「凱歌」では、いよいよ主人達を全滅させることになります。主人の都市は3箇所あり、それぞれの近くに拠点を作りました。後から脱出したフリッツと僕は行商人のふりをして仲間を集める旅に出て、その仲間に伝書鳩を通信手段として渡し、リーダーとして村々に仲間の集団を作ってもらいました。僕達は先ずトリポッドを落とし穴に落として、生きた主人を捕まえることに成功しますが、主人は肝心な話になると口を閉ざしてしまいます。そして偶然主人はアルコールを微量でも飲むと失神することが分かり、都市の飲料水にアルコールを混入し、エネルギー源を停止させることになります。酸素マスクと足ひれで脱出に使った水流を遡り、アルコールを水源地に流し、エネルギー源の停止させましたが、ドアが開かなくなってしまいました。何とかハンドルで開くドアを見つけ、そこを開くとドームで密閉された都市の中の緑色の空気が気圧の関係で暴風となってドアを吹き抜け、ドームも崩れ落ち、都市は破壊されました。2つの都市は破壊されましたが、一つ残った都市は飛行船で爆弾を落としドームを破壊することに成功しました。4年後にやってくると主人がいっていた長さ2kmの船は地球を周回した後、破壊された3つの都市に爆弾を投下し、消えてしまいました。初の人類会議は始めから紛糾します。戦争はあったが自由もあった古代。戦争はなかったが自由はなかったトリポッド時代。そしてまた、僕達は自由を手に入れましたが、再び戦争も始まるのでしょうか。僕らは平和を守るため、これからも戦い続けることを誓います、という話です。
上の文でも、多くのエピソードを省いています。子ども向けの本として書かれただけあって、表現は平易でしかし、深いものがあります。特に最後のメッセージは大人にもズシンと来るものでしょう。お子さんにも大人にもぜひ読んでほしい一冊です。また、「Favorite Novels」の「その他」の項にも、詳しいあらすじを掲載してありますので、興味のある方はご覧ください。
第一部「襲来」では、半球状の頭を持ち長い3本足と3本の触手を持つ巨大ロボット・トリポッドが世界中に現われます。テレビでトリポッドが善玉のトリッピー・ショーが放送されると、それが熱狂的な人気を集め、一部に狂信的な集団も現われます。そこへ第二弾のトリポッドが人間1万人につき1機の割合で襲来します。テレビ番組は衛星から発せられてることが分かりました。トリポッドは反トリポッドの14才以上の人間に金属のメッシュ状のキャップを頭にかぶせ、トリッピーに変えて行きます。僕はと親友のアンディと隠れて暮らし、仲間を集めることにします。
第二部「脱出」では、キャップ装着がうまくいかず、頭がおかしくなった「はぐれ者」のふりをした男にオリオン号という船で海を渡り、南の高山に反トリッパーの集団が暮らしているので、そこを目指せと教えられます。僕は南に旅立ち、従兄のヘンリーが加わり、オリオン号の船長にも助けられ、やはり窮地を助けてくれたビーンポールも仲間になります。途中で僕は病気で意識を失い、貴族に助けられ、そこの娘エロワーズを親しくなりますが、彼女は14才になって戴帽式に出る事になり、別れます。途中で会ったトリポッドを頭の開口部に手榴弾を投げる事によって倒し、ついに反トリッパーの人たちの砦に着くのでした。
第三部「潜入」では、相手を知るために、トリポッドの都市に潜入することになります。この集団のリーターは古代人の研究の権威、ユリウスでした。スポーツ大会の優勝者は都市に入り主人の奴隷になれることから、僕とビーンポールとフリッツが選ばれます。僕はボクシングで、フリッツは100m走で優勝し、トリポッドの都市に入ります。主人は身長は人間の2倍、円錐形の緑色、短い3本足に3つの触手、三つの目、呼吸のための穴と食べるための口の穴が別という醜いもので、緑色の空気を吸って生きています。そして都市は蒸し風呂のようで、重力が強く、ちょっと歩くのに空気マスクの中は滝のような汗になります。僕の主人は優しく、いろんなことを教えてくれて、呼吸の穴と食べる穴の間が弱点ということも教えてしまいます。僕はキャップが偽物であることを主人に知られたため、主人を殺し、フリッツと相談して、使い物にならなくなった奴隷が死ににいく解放所に行ったことにして、都市の外へ流れ出る水に飛び込み、溺死する寸前にビーンポールに助けられます。
第四部「凱歌」では、いよいよ主人達を全滅させることになります。主人の都市は3箇所あり、それぞれの近くに拠点を作りました。後から脱出したフリッツと僕は行商人のふりをして仲間を集める旅に出て、その仲間に伝書鳩を通信手段として渡し、リーダーとして村々に仲間の集団を作ってもらいました。僕達は先ずトリポッドを落とし穴に落として、生きた主人を捕まえることに成功しますが、主人は肝心な話になると口を閉ざしてしまいます。そして偶然主人はアルコールを微量でも飲むと失神することが分かり、都市の飲料水にアルコールを混入し、エネルギー源を停止させることになります。酸素マスクと足ひれで脱出に使った水流を遡り、アルコールを水源地に流し、エネルギー源の停止させましたが、ドアが開かなくなってしまいました。何とかハンドルで開くドアを見つけ、そこを開くとドームで密閉された都市の中の緑色の空気が気圧の関係で暴風となってドアを吹き抜け、ドームも崩れ落ち、都市は破壊されました。2つの都市は破壊されましたが、一つ残った都市は飛行船で爆弾を落としドームを破壊することに成功しました。4年後にやってくると主人がいっていた長さ2kmの船は地球を周回した後、破壊された3つの都市に爆弾を投下し、消えてしまいました。初の人類会議は始めから紛糾します。戦争はあったが自由もあった古代。戦争はなかったが自由はなかったトリポッド時代。そしてまた、僕達は自由を手に入れましたが、再び戦争も始まるのでしょうか。僕らは平和を守るため、これからも戦い続けることを誓います、という話です。
上の文でも、多くのエピソードを省いています。子ども向けの本として書かれただけあって、表現は平易でしかし、深いものがあります。特に最後のメッセージは大人にもズシンと来るものでしょう。お子さんにも大人にもぜひ読んでほしい一冊です。また、「Favorite Novels」の「その他」の項にも、詳しいあらすじを掲載してありますので、興味のある方はご覧ください。