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グレン・フォードの死

2006-09-01 17:35:32 | ノンジャンル
 今日の朝日新聞の朝刊に、グレン・フォードの訃報が載っていました。以下、記事から抜粋すると
「ロイター通信によると、30日死去、90才。死因は不明。
16年カナダ生まれ。映画「ギルダ」でリタ・ヘイワースと共演したほか、西部劇でも活躍。「暴力教室」(55年)「ミッドウェイ」(76年)「スーパーマン」(78年)などにも出演した。」とあります。
 彼のフィルモグラフィを見ると、リタ・ヘイワースが黒いドレスで舞台に立つ、その姿のエロティックさが映画史として語り継がれている「ギルダ」(46年)の相手役を演じた頃から主役級を演じるようになり、活躍の中心は50年代。60年代になると、小品の映画の主役だったり、大作の脇役だったり、といった感じで活躍していたようです。
 ポッチャリした顔だちで、背もそれほど高くありませんが、意志の強そうな眼光を放ち、普通の市民ながら正義感から社会悪に立ち向かう役柄というのが似合う人でした。
 私が彼の名前からすぐに思い出すのはフリッツ・ラング監督の'53年作品「復讐は俺に任せろ」です。刑事を職業とし、家庭にも恵まれ、職務に全うしていた彼は、暴力団による不正を容赦なく取り締まったことで恨みを買い、車に仕掛けられた爆弾で目の前で妻を爆殺されます。彼は復讐の鬼と化し、職務権限を超えた行為で警察を首になっても、犯人を追い詰め、最終的に暴力団のボスを爆死させます。
 この復讐の鬼と化したグレン・フォードの迫力というのがすごくて、言葉の比喩としてではなく、本当に「鬼」となった人間を体現していました。私はよくこの作品をその暴力性ゆえにサミュエル・フラー作品と間違えてしまうのですが、フリッツ・ラングの代表作でもあるこの作品は一見の価値があると思います。
 DVDでは「COLUMBIA TRISTAR FILM NOIR COLLECTION VOL.2」というDVDボックスの中の一本として見ることができます。(このボックスには「ギルダ」も入っていて、定価は税込13,986円です。残念ながらバラでは売っていないようです。)