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桐生操『世界史拷問処刑博物館』

2006-09-19 16:17:30 | ノンジャンル
 今日は、山田詠美さんが対談で名前を出していた桐生操さんの「世界史拷問処刑博物館」です。対談のどのような文脈で出てきたのかは忘れてしまいました。ちなみに桐生操というのは二人の女性のペンネームです。
 内容は、題名の通り、世界史に登場した様々な拷問、処刑の仕方を網羅しています。ちなみに帯に書いてあるものは、串刺し、鋸引き、親指ねじり、蛇責め、頭蓋骨粉砕器、鉄の処女、といったものです。鉄の処女というのは、以前明治大学の刑事博物館で実物を見たことがあり、鉄でできた人型の器のようなものの中に囚人を入れ、ふたをするのですが、その人型の内側には無数の槍がついていてふたを閉めると囚人の体を刺し貫くというもので、「これ、拷問じゃなくて死んじゃうじゃん」と思ったものでしたが、実際には、小さな部分ごとにふたが閉まるようになっていて、死なないようにふたを閉めていくのだそうです。
 あと、有名な処刑で、両足と両手を別々に4頭の牛や馬に繋ぎ、牛や馬に鞭をふるって人間の手足を引きちぎる四つ裂きの刑というのがありますが、フランスに残っている二つの記録では、どちらの場合も関節がはずれるだけで手足はちぎれず、結局ナイフで切り取ったとのことでした。
 と、ここまで読んで来て気分が悪くなってきた人がいるかもしれません。私は面白がって、「今こんな本を読んでいるんだぞう」と何人かの友人に見せたら、一人は表紙を見るのもいやだ、という感じで本に触れもせず、別の一人もパラパラと見ただけで、嫌な物に触れたかのように、私に返してきました。私は割にこういうのは大丈夫なのですが、だめな人もいるみたいですね。
 でもつい200年前まで、私たちの先祖は公開処刑を娯楽の一つとして見ていたのですよ。残虐なものを好む性向は、我々の中にまだ多分に残っているに違いありません。それが戦争に結びつかないことを、今後も祈ろうと思います。