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ウンベルトD

2006-04-12 16:06:14 | ノンジャンル
 1951年、ヴィットリオ・デ・シーカ監督の「ウンベルトD」を見ました。老人版「自転車泥棒」といった感じで、一人の年金生活をする老人ウンベルト・D・フェラーリが、家賃の未払い分を理由に部屋を追い出され、街をさまよう、という話です。
 金目のものは全て売り払い、5000ペソを作りますが、未払分は1万5000ペソ。入院して食事代を浮かせたり、飼い犬に帽子をくわえさせて乞食のマネをさせたりしますが、どうしようもありません。
 家に帰ると、改装が始まっていて、隣の部屋との間に大きな穴があいてしまっています。もうこの部屋には住めないとあきらめ、彼は部屋を飼い犬とともに出ていきます。
 せめて飼い犬だけでも誰かにもらってもらおうとしますが、妨害が入り、なかなかもらってもらえません。絶望した彼は犬を抱いて、電車に飛び込もうとします。が、犬がただならぬ雰囲気を察知して、彼の手から逃げ出し、彼も命を取り留めます。しばらくは不審の眼で主人を見ていた犬も、そのうちまたいつものように主人にじゃれつき始めます。そんな二人を眺めながら、カメラは高く舞い上がり、映画は終わります。
 ちょっと救いのない映画のように見えますが、最後にはこの犬さえいれば、彼は生きていけるのでは、という希望を与えてくれる、そんな映画でした。