劇団ひとりさんの「陰日向に咲く」を読みました。ヤフーオークションを見てもこの本の需要は相当なもので、書店でもかなり売れているのでは、と思いました。
本は、5つの章からなり、それぞれの主人公が何からのつながりがある、という仕掛けになっています。第一章の「道草」は社会人がホームレスになっていく話。第二章の「拝啓、僕のアイドル様」は、第一章の主人公にホームレスを辞めさせるきっかけをつくった、アイドルの追っかけをする青年の話。第三章の「ピンボケな私」は第一章の会社員の娘が男に遊ばれ、最後にその男をギャフンと言わせる話。第四章の「Overrun」はギャンブル狂の男の話で、自分が電車へホームから飛び込み自殺をしようとしている時に第三章の女の子も自殺しようとしていて、そっちにかかわっているうちに自分の自殺はどっかへいってしまうというシーンがあります。第五章「鳴き砂を歩く犬」は、売れない芸人に一目惚れしてコンビを組む女の子と、コンビを組まれるが、実は一人のストリッパーに恋する芸人の話で、芸人があこがれていたストリッパーが年老いて第四章の最後に主人公がオレオレ詐欺を仕掛けるおばあさんになっていた、といった具合です。これからのつながりが何気なく文章の中に隠されていて、思わず「うまい!」と声をかけてあげたくなるような見事さです。
そして何よりもこの本が素晴らしいのは、著者が芸人だけあって、各章の最後に必ずオチが用意されているということです。そのオチも手の込んだオチで、「う~ん、やられた!」といった類いのものです。
劇団ひとりが書いた本という先入観は捨てた方がいいと思います。面白い本をお探しの方、オススメの一冊です。
本は、5つの章からなり、それぞれの主人公が何からのつながりがある、という仕掛けになっています。第一章の「道草」は社会人がホームレスになっていく話。第二章の「拝啓、僕のアイドル様」は、第一章の主人公にホームレスを辞めさせるきっかけをつくった、アイドルの追っかけをする青年の話。第三章の「ピンボケな私」は第一章の会社員の娘が男に遊ばれ、最後にその男をギャフンと言わせる話。第四章の「Overrun」はギャンブル狂の男の話で、自分が電車へホームから飛び込み自殺をしようとしている時に第三章の女の子も自殺しようとしていて、そっちにかかわっているうちに自分の自殺はどっかへいってしまうというシーンがあります。第五章「鳴き砂を歩く犬」は、売れない芸人に一目惚れしてコンビを組む女の子と、コンビを組まれるが、実は一人のストリッパーに恋する芸人の話で、芸人があこがれていたストリッパーが年老いて第四章の最後に主人公がオレオレ詐欺を仕掛けるおばあさんになっていた、といった具合です。これからのつながりが何気なく文章の中に隠されていて、思わず「うまい!」と声をかけてあげたくなるような見事さです。
そして何よりもこの本が素晴らしいのは、著者が芸人だけあって、各章の最後に必ずオチが用意されているということです。そのオチも手の込んだオチで、「う~ん、やられた!」といった類いのものです。
劇団ひとりが書いた本という先入観は捨てた方がいいと思います。面白い本をお探しの方、オススメの一冊です。