中東を詠う千種創一
歌人クラブ会報 July2016に 歌集『砂丘律』(青磁社)が紹介されている。第22回日本歌人クラブ新人賞を受賞した歌集である。。受賞した千種創一は1988年生まれ。外語短歌の設立メンバーでありOBである。「塔」短歌会に所属。中東在住らしい。
今年の歌人クラブ新人賞選考は4月に行われた。選考委員は三枝昂之、岡崎洋次郎、春日いづみ、鈴木英子、渡英子の5名。最終選考に残ったのは ♦榎本麻央『一杯の水』
♦真野少 『Unknown』 ♦千種創一 『砂丘律』 ♦吉田隼人『忘却のための試論』
歌集『砂丘律』より千種創一自選の五首
瓦斯燈を流砂のほとりに植えていき、そうだね、そこを街と呼ぼうか
煙草いりますか、先輩、まだカロリーメイト食って生きてるんすか
紫陽花の こころにけもの道がありそこでいまだに君をみかける
あっ、ビデオになった、って君の声の短い動画だ、海の
昔みたいに、でもぎこちない肩だった、冬の楓のようなあなたの
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「この度は栄誉ある賞を頂き光栄です。略 芸術家は満足したらそこでお仕舞いだと思うので、この賞はあくまで通過点として、しかし重要な通過点として、この歩みを止めることなく精進していく所存です。引き続きよろしくお願い申し上げます。 千種創一
♥ のぼりゆく最後のひとりとなり我は砂丘を見上げ空を見上げる
7月3日 松井多絵子