「もうじき桜桃忌」
「桜桃忌」の頃となり、三鷹に暮らした作歌・太宰治をしのぶこの日を前に、耳の聞こえない女性が15日、三鷹市内で「走れメロス」を手話だけで朗読する。主催するのは、2年前に三鷹で誕生した耳の聞こえないスタッフが接客する「サイレント・カフェ」だ。聞こえない人への理解を広げようと、代表の渡辺由貴さんが企画した。15日は三鷹市芸術文化センター2階で午前11時から
会費は1500円、定員18人、問い合わせは、渡辺さん(080・・4062・9203)へ
★ 太宰治さまへ六首 松井多絵子
読まれないとき本棚の本はみな直立不動、太宰治も
あの冬のきりりと冷えた夜だった『斜陽』の扉をひらいたときは
力なき字にて書かれた原稿が「斜陽の館」に曝されている
われを乗せ金木駅より「メロス号」走れば津軽平野も走る
どのような百四歳か世にあらば太宰治のこの六月は
七月のなかば過ぎれば遠ざかる太宰治はわたしの梅雨
6月14日 晴れすぎている真昼 松井多絵子