<続き>
タイ語書籍「陶磁器・パヤオ」に掲載されていた、特徴ある古陶磁と陶片が当該ワット・リー付属博物館に展示されていた。一度は現物を見たいと思っていただけにラッキーであった。
パヤオ青磁釉印花象文盤である。カベットには鎬文を配し、見込みの周辺には小さな三角の印花文を放射状に配し、中央が大きな象の印花文である。写真は薄墨色に写っているが、実際はその下の写真(「陶磁器・パヤオ」より転載)のように、褐色じみている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/2f/57d2165522ab12e9ef30ba198ccd84c7.jpg)
そう云えば、数年前この象文と同じ図柄の鉄絵文が<ナーン鉄絵象文盤>として、インターネット・オークションに出品されており、悪意をもった倣作として当該ブログで紹介していたが、その手本がこの印花文であったと思われる。完器であればパヤオの名器中の名器であろう。
写真の貼花文は出所がはっきりしている。前記「陶磁器・パヤオ」によれば、Hey Mae Tam窯である。白土をスリップ掛けした後に鉄分の多い陶土を、見返りの鹿か麒麟を見立てて貼り付けたものであり、北タイで唯一の技法である。
上の写真も特徴ある技法である。壺の耳部の陶片である。これも白土をスリップ掛けし、それが乾いた段階で鋸歯状に胎土が表れるまで、掻き落としたものでどのように表現すればよいであろうか?劃花でもなかろうし刻花でもない。したがって掻き落とし文としておく。
これも象の掻き落とし文で、この技法は他の北タイ諸窯ではみかけない。これもHey Mae Tam窯で焼成されたと、「陶磁器・パヤオ」が紹介している。そこで、その窯址へ行ってみた。多分窯址の100mの範囲には行けたと思うが、結局探し出すことはできなかった。
故会ってサンカンペーン陶磁を数十点コレクションしている。それは素朴で多彩であることが魅力であるが、パヤオ陶磁はそれに輪をかけて多彩であることが分かってきた。その魅力を更に追及したいと考えている。
<続き>
<予告>
次回より、いよいよ窯址訪問記を連載する予定である。次回はWiang Payaw窯址を紹介する。
タイ語書籍「陶磁器・パヤオ」に掲載されていた、特徴ある古陶磁と陶片が当該ワット・リー付属博物館に展示されていた。一度は現物を見たいと思っていただけにラッキーであった。
パヤオ青磁釉印花象文盤である。カベットには鎬文を配し、見込みの周辺には小さな三角の印花文を放射状に配し、中央が大きな象の印花文である。写真は薄墨色に写っているが、実際はその下の写真(「陶磁器・パヤオ」より転載)のように、褐色じみている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/2f/57d2165522ab12e9ef30ba198ccd84c7.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/81/708784ec48ffc6cf83f2273b9158a8c6.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/85/45301da8b5cc1d030cadc1625dec17b0.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/a9/6120a90d4f100dbcf8b28b1224b84978.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/2f/071d5c65c2ea669cdd394ed824149cbf.jpg)
故会ってサンカンペーン陶磁を数十点コレクションしている。それは素朴で多彩であることが魅力であるが、パヤオ陶磁はそれに輪をかけて多彩であることが分かってきた。その魅力を更に追及したいと考えている。
<続き>
<予告>
次回より、いよいよ窯址訪問記を連載する予定である。次回はWiang Payaw窯址を紹介する。