世界の街角

旅先の街角や博物館、美術館での印象や感じたことを紹介します。

唐王朝の精華・古代鏡展示館(10)

2022-09-28 07:35:50 | 博物館・兵庫県

<続き>

【貴人たちの風雅】

【銀(しろがね)の光輝】

【躍動する俑】

以下、あまりにも著名な唐時代の俑が展示されていたので紹介する。

三彩文官俑 唐 高 87cm

加彩武人俑 唐 高 56.8cm

褐釉馬俑 唐  78cm

唐時代の馬俑と云えば三彩馬俑であるが、当該褐釉馬俑も名高い。

加彩女子俑 唐 高 45.9cm

唐時代の美人と云えば、ふっくら、ぽっちゃり美人であった。この姿形もよく目にする。

加彩騎馬狩猟俑 唐 高 45.2cm

キャップションにもあるように、この胡人像はソグド人を写したものと云われている。シルクロードを経由してはるばる到達したものである。このソグド人は新羅にも渡来した。

慶州 掛陵 胡人石立像

文官像 慶州 龍江洞古墳出土 7世紀

唐王朝と同時代の慶州(統一新羅)に胡人の足跡と思われる石像や文官像(俑)が出土する。西域の文物を新羅までもたらしたであろう証である。

そのシルクロードの東の果てである日本にも、西域の品々がもたらされた。ガラス(玻璃・はり)容器などは、そのさいたるものである。それはガラス容器が自ら歩くわけではなく、必ずもたらした人物が介在する。残念ながら日本では胡人俑が発見された形跡はないようであるが、このソグド人がもたらしたであろうと想いを馳せてもよかろう。

今回で、古代鏡展示館の展示品紹介を終える。

<了>


唐王朝の精華・古代鏡展示館(9)

2022-09-26 12:23:45 | 博物館・兵庫県

<続き>

南北朝から唐王朝にかけての金属製品を紹介する。今回は【胡風への憧憬】と【宝玉貴石ー美の集積】とのサブタイトルの展示である。

【胡風への憧憬】

響銅とは銅に錫を加え、蝋型鋳造と轆轤加工によって製作する西方的な合金である。叩くとよい響きがすると云う。「佐波理・さはり」とも呼ばれている。

響銅長頸瓶 南北朝

響銅長頸瓶 南北朝

響銅透彫獣脚香炉 唐

響銅鍍金獅子鎮柄香炉 唐

このような柄香炉(えごうろ)は聖徳太子が持つ孝養像(こうようぞう)があまりにも著名である。

左:響銅胡人走獣文鉢 南北朝  右:響銅塔碗形合子 唐

響銅ミニチュア明器セット 南北朝

【宝玉貴石ー美の集積】

楊貴妃もこのような腕輪で飾っていたであろうか。

<続く>

 


唐王朝の精華・古代鏡展示館(8)

2022-09-23 08:02:23 | 博物館・兵庫県

<続き>

隋・唐時代の銅鏡で代表的なモノは、海獣葡萄鏡である。その多くは前回【獅子と葡萄の輪舞】とのサブタイトルで掲示した。以下の紹介の中にも何点か含まれている。代表的なモノとして他に、ハ稜鏡や八花鏡などの花卉を手本に外形を形成した鏡が存在する。三国時代以前には見られなかった形である。これらはオリエント、すなわち西方シルクロードの影響とも考えられる。

【隋唐鏡のうつろい①】

四神十二支文鏡 随ー唐 径16.9cm

四神十二支文鏡 随ー唐 径24.8cm

瑞花対獣文鏡 随ー唐 径20.3cm

八瑞獣文鏡 随ー唐 径23.4cm

八瑞獣文鏡 随ー唐 径26.7cm

海獣葡萄鏡 唐 径14.1cm

海獣葡萄鏡 唐 径24.1cm

【隋唐鏡のうつろい②】

瑞獣龍鳳文鏡 唐 径20.4cm

騎馬狩猟文八稜鏡 唐 径16.4cm

双鳳銜綬瑞鳥文八花鏡(そうほうかんじゅずいちょうもんはっかきょう) 唐 径16.4cm

雲龍文八花鏡 唐 径27.5cm

月宮図鏡 唐 径15.6cm

月宮鵲銜綬龍濤文八花鏡

<続く>

 


唐王朝の精華・古代鏡展示館(7)

2022-09-22 08:30:13 | 博物館・兵庫県

<続き>

唐王朝の精華展の続編である。サブタイトル【獅子と葡萄の輪舞】、【銀盤の記憶】とのテーマで展示されていた品々である。

【獅子と葡萄の輪舞】

【銀盤の記憶】

唐時代には、銅鏡も鏡面の裏側である装飾面は、銀板を貼り付けたり、主文様は金をメッキしたりして華やかさが増す。また鏡の形は円盤から八稜形、つまり花弁の形となる。海獣葡萄鏡などは、正倉院御物にみることができる。

<続く>


唐王朝の精華・古代鏡展示館(6)

2022-09-19 09:06:50 | 博物館・兵庫県

台風14号・ナンマドルは超巨大台風とか。午前9時現在、下関北部を東北方向に移動中。進路予想図によれば、我が田舎・山陰は既に暴風雨圏内にはいっているが、不思議なことに無風である。後1時間もすれば、吹きだすであろうか。

<続き>

今回から『唐王朝の精華』として第2展示室で見た品々を紹介する。

【長安の舞姫】

当該ブロガーの先入観であろうか、唐は頽廃の匂いがする。真っ先に思い出されるのは、玄宗皇帝の楊貴妃の寵愛である。安禄山はクルド人とも云われているが、その乱が勃発する。

加彩舞女子俑、西域の胡旋舞でも舞ったのであろうか。銅鏡の数々は金銀・玉石・螺鈿で装飾され、後漢や三国時代の銅鏡と様子がことなる。正倉院に繋がる文様も垣間見えるが、頽廃の匂いがして個人的には今一歩である。

<続く>