世界の街角

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最近見たオークション出品の東南アジア古陶磁・#47

2023-12-25 08:33:05 | 東南アジア陶磁

久しぶりに、最近見たオークション出品の東南アジア古陶磁について記事にする。相も変わらずコピーのオンパレードであるが、これはと思う2点である。

先ずは、ミャンマーの褐釉牛頭人身戦士像塼である。背面の写真が掲載されていないのでコピーか本歌か、もう一つ判断できないが、本歌のように見えなくもないが、どうであろうか。最低落札価格が6万円台であったので、手をだすにはやや抵抗がある品物だ。背面の写真も掲載しいものだものだ。本歌であれば13世紀ころの塼と思われる。

2点目はサンカンペーン陶磁・褐釉印花双魚盤である。ありふれているが本歌で、この手は大量に焼成されたようである。近年数多く出品されているので、2万円以下が妥当か。

それにしても、コピーのオンパレードである。<写し>とでも記載されていれば良いが、14世紀とか15世紀とか記されている。悪く云えばサギそのもだが、押しつけでも何でもないので、結局落札者が泣き寝入りするしかない。くれぐれも慎重に。

<了>

 


『東南アジアを旅する』展(5)・福岡市美術館

2023-05-18 08:29:34 | 東南アジア陶磁

<続き>

今回はミャンマー陶磁を紹介し『東南アジアを旅する』展のシリーズを終える。

この手の塼がネットオークションに出品されているが、ほとんどが贋物である。本物をとくとご覧願いたいが、裏側が見れないのが残念である。

この手の盤もネットオークションにちょくちょく出品されている。ほとんどが贋物である。

本多コレクションを眼にするのは、十数年振りであった。残念ながら展示数が少なく満腹にはならなかったが、久しぶりに目の保養になった。

<了>


『東南アジアを旅する』展(4)・福岡市美術館

2023-05-15 08:39:29 | 東南アジア陶磁

<続き>

今回は、クメール陶磁として展示されたものの中から優品を紹介する。クメール陶磁はカンボジアのプノンくーレン丘陵からスタートし、タイ東北部へ波及しバン・クルアットなど多くの窯場が存在した。

一部、本多コレクション以外の展示もあった。次回は、ミャンマー陶磁を紹介する。

<続く>


『東南アジアを旅する』展(3)・福岡市美術館

2023-05-12 06:50:29 | 東南アジア陶磁

<続き>

シーサッチャナーライ窯の続編と北タイ陶磁の優品を紹介する。

青磁刻花文鉢を見ていると、文様にタイの独自性はあるものの、耀州窯を想わざるを得ないほど似ている。

迦陵頻伽形の水注は、東南アジア諸窯でみることができるが、写真の一品は優品である。

ケンディーと呼ぶ水注も東南アジア諸窯でみることができる。

これは、サンカンペーン鉄絵双魚文盤の優品中の優品である。7~8年前であろうか、同一画工の手になるものと思われる盤がネット・オークションに出品されていた。入札しておけばよかったのだが、今となっては後の祭りである。

パーン窯の名品である。そこかしこにシーサッチャナーライ窯の影響をみるが、文様はパーン窯の特徴をもっている。

以上でタイ古陶磁の展示品紹介を終える。次回はクメール陶磁の優品を紹介する。

<続く>


『東南アジアを旅する』展(2)・福岡市美術館

2023-05-09 08:09:34 | 東南アジア陶磁

<続き>

前回記すのを忘れたが、掲載順は出典目録に従っている。今回はスパンブリ窯の焼締陶からだが、展示品は1点のみであった。

お決まりの象文様が連続で繋がっている。以下、スコータイ窯とシーサッチャナーライ窯のいわゆる宋胡録である。

この魚文様の盤は、釉薬の発色も良く、運筆に優れていることから名品である。

シーサッチャナーライ窯の陶磁は、上掲の盤のように器面全体に繁褥なまでの絵付けと、魚文様のような簡潔な文様とが混在している。今回はここまでとする。

<続く>