まさおさまの 何でも倫理学

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「キャリア形成論」 第4回 「働くとは」 感想

2012-05-11 19:46:19 | 人間文化論
今週の月曜日1限には人間発達文化学類の1年生全員必修の 「キャリア形成論」 がありました。
「働くとは」 の回を担当しましたが、
中学生にも高校生にも大学院生にも、そして現場の先生方にも話している鉄板ネタです。
特に昨年、福島高校の3年生相手に講演をしましたので、
覚えていてくれた学生さんも若干いらしたようです。
そういう方々には同じ話になってしまいちょっと申しわけない気もしましたが、
いちおう、うちの1年生向けにちょっとだけ変えている部分もあることはあります。
うちの学類はなぜこんな長ったらしい名前なのかという話です。
その概略は、去年のブログに書いておきました。
今年はさらに、「人間発達文化学類 学修指標」 とも絡めながら、
うちの学類は 「人間発達支援者 = エデュケーター」 の育成をめざしていて、
そのための力をみんなには身につけていってもらいたいのだという話を強調してみました。
ワークシートではその点に触れてくれた学生さんも何人かいらっしゃいました。
今年はちっちゃい字でたくさん感想を書いてくれた学生さんが多かったですね。
300人近くが履修している科目ですので全部は紹介しきれませんが、
いくつかご紹介しておきましょう。

「人間の発達には人間が文化を学び伝えることが大きく関わっている。
 『人間発達文化学類』 とは、大学で学ぶ私たちが、
 人間の発達に貢献できる人として成長することを願いつけられたのだろうと思った。
 自分が人間である以上、無限の選択肢を持っているはずであり、
 私がこの大学でどう学ぶかは自由だ。
 私はせっかくこの学類に入ったのだから、
 私は自分の目標を達成するために必要だと思ったことを積極的に吸収し、
 友人と助け合って共に成長して行くことを心がけたい。
 最後のありがとうの話は、とても良かったです。
 何げない物事がとても特別なものに思えて、自分の考えが少し変わったような気がします。
 たくさんのことに感謝して毎日を過ごして行こうと思います。」 

「今日の講義を聴いて印象に残ったことは、
 人間の成長を支援する力がいかに大切か、ということです。
 人間が生きていくために必要な文化は、遺伝によって身につくものではありません。
 だからこそ、長い時間をかけて自ら学び、
 そうして得た文化をまた相手に伝えていくことが大切だということをとても強く感じました。
 そして、この学類に入学し、これから学んでいく中で、
 答えのはっきりしない問題、正解のない問題ともしっかり向き合い、
 その問題について考えぬく力を高めていきたいと考えました。
 その上で、相手に文化を伝え、そして文化を育むエデュケーターとして
 社会に出ていきたいと思いました。
 そのためにも、一回一回の講義を自分の中にしっかり吸収して、
 大学4年間を無駄にしないように頑張っていきたいです。」

「文化というとcultureしか思い浮かばなかったけど、
 この授業でその単純すぎた考えが変わりました!!
 福島大学がなんでわざわざ人間発達文化学類としているかも理解できました。
 私は学校のteacherになりたくてここに来ましたが、
 ただ国語とか算数を教えたいわけではありません。
 今日の講義を聞いて自分がなりたいのはeducatorだったんだなーと思いました。
 これはかなりデカイ発見です!!
 なんとなくしっくりきました!!
 せっかく大学に来たんだし、今は教養の科目であまり興味のない授業もありますが、
 それも自分の気持ちしだいで全てためになること!だと思うので、
 そういう姿勢で4年間やっていきたいです!!」

「今日学んだことは、文化というのは広い意味がある、
 そして人為的なものであるということである。
 貨幣に価値をもたせるという共通認識でさえ文化としてとらえることは、
 自分の新しい知識となった。
 『すべては文化』 なのである。
 正解があるわけではないことを自分で考える力を身につけるということは
 今の自分に本当に必要なことだと思った。
 自分が文化を伝達できるように、教育者 (エデュケーター) になりたいと思った。
 自分は人間発達文化学類に来たからには、
 学修指標を達成できるよう、講義で言ったように、
 自分に負荷をかけて努力していきたいと感じた。
 当たり前はないという内容はとても深くて、
 そのような心構えをもって生活していきたいと思った。」

「『教える者』 と考えると、どうしても教師だという感じがありますが、
 一般の会社員にしても、他の職、生活においても
 『教える力』 がとても重要だと認識しました。
 そういった意識をもって、教師による子どもの教育だけを考えるのではなく、
 教えること全体を学んでいきたいと思います。
 大学入学当初の気概が最近、落ち込んできたのかもしれません。
 様々な講義が学びにつながると考えて、
 もっと意味のある時間をすごせるように工夫しようと思います。」

「文化と聞くと、絵画や書や文芸のような芸術や伝統があるものといったイメージだったが、
 文化とは私達の生活をとりまくすべてというのが印象的だった。
 職業選択の自由と不景気で就職が難しいといわれている今、
 就職活動をするのは不安だけど、選択の自由があることは幸せなんだと学んだ。
 人に教える力は、教師にならないならば重要ではないと思っていた。
 しかし、一般企業でも後輩に指導すると聞き、見落としていたことに気づいた。
 自分に負荷をかけて教える力を身につけていかなければ社会に出られないと感じた。」

「まず、人間の本能は壊れているという言葉が印象に残りました。
 確かに嫌なことから逃れるのに自殺するという例は自然の摂理に反していて、
 動物的におかしいと気づかされました。
 ですが、それはまた人間に無限の可能性を与えていることも、
 人間と他の動物の違いを決定的にしているのが理解できました。
 それから 『人間発達文化学類』 の名前の由来がようやくわかりました。
 そして、人間は文化を伝えていかなければならず、
 それには教育者を必要とすることを学びました。
 教師になろうがなるまいが、大人になる、社会人になるということは、
 子どもや学ぶ者を教え育み、文化を伝えていく役割を担うことなのだと思いました。
 また 『人間に当たり前はなく他人にしてあげることは一層当たり前はない』 と聞いて、
 それは人間ならではの高度な思想と感情を持っているからできることだと思うので、
 日頃から様々な文化に 『有り難い』 と思うようにしたいです。」

「大学に入ってやりたいなあと思っていてもやらずにいたことを、
 やっぱりチャレンジしてみようと思うことができました。
 意外にサボっていても単位はもらえるが成長しないってのを聞いてギクリとなりました。
 これからはますますがんばろうと思います。」

「『答えがないものを考えぬく』 『正解のないものを自分で考える』
 『できることに負荷を少しずつかけて成長する』 『人間にとって当たり前はない』
 これらの言葉が一番印象に残りました。
 授業の後半になるにしたがって、気づかされることが多かったです。
 大学に入る前、入って数日はやりたい事がたくさんあったし、
 きちんと勉強しようと思っていたのに、今の自分は正反対です。
 目標ばかりを見ていて、過程をおろそかにしていました。
 高校の時に一番なりたくなかった大学生 (気持ち、生活の面で) になってしまっていました。
 今日の授業をもとに、もう一度自分について考えてみようと思います。」

「今回の講義を聞いて、福島大学の人間発達文化学類でこれから学んでいくことを
 再認識することができました。
 人間は長い時間をかけて文化を習得していて、
 大学に通っている今もそうであるということが理解できました。
 また、コミュニケーション能力がとても重要であるということが理解できました。
 親しい間柄だけではなく知らない人とでも話せる力を身につけていくことが
 これからの社会を生きていく上で最低限の事であると感じました。
 自分が学びたいことをもう一度見つめ直してみたいと思います。」

「教育者になるためには成長を支援する力だけでなく、
 コミュニケーション能力や人間についての深い理解なども必要であり、
 子どもを相手とした仕事であると同時に保護者を相手とした仕事でもあることに印象を受けた。
 大学での活動を通して学んだことが将来の自分を大きく左右するものとなり、
 今の自分にはまだ教育者になるための課題が多くあることに気づくよい機会となった。
 これからの学校での活動を通して自分に足りない能力をはっきりさせ、
 身につけていきたいと思う。」

「『人間にとって当たり前のことはない。すべて自由である。』
 今まで当たり前だと思っていたのは文化的な当たり前であって、
 生物学的な当たり前ではないと知りおどろきました。
 しかし考えてみれば、授業中には話さないのも、話している方のほうを見て話を聞くのも、
 小学校の先生などから教えられて身についたものだったと思い出しました。
 文化の中で文化を用いて生活し、働くために、4年後の明るい将来のために、
 今ここで自分がやらなくてはならないことを一生懸命やっていきたいと思います。
 楽な方へ楽な方へと逃げるのではなく、自分に負荷をかけ、
 自分自身を成長させることができるように挑戦していきたいと思いました。
 私は教員になることを目標とし、福大に入学しました。
 子どもが好きなだけでは教員にはなれないと知り、
 苦手だと思っているコミュニケーション能力を少しずつでも向上させていき、
 子どもたちはもちろんのこと、
 保護者の方や同僚や上司の方々ともきちんと向き合える教員になりたいと改めて思いました。」

「文化=非遺伝的適応能力であり、無限の可能性があるというお話を聞き、考えが深まりました。
 一生懸命勉強して、入りたかったこの大学に入ることができたので、
 どうせならたくさんの事に挑戦しようと考えさせられました。
 今の自分に出来ることより、少し負荷をかけつつ、
 出来ることをふやしていきたいと思います。
 人間発達文化学類で、4年間を通して、『人間の発達を支援する力』、
 『文化を身につけ、それを教える力』、『人と関わる力』 を身につけようと思います。
 また、『有り難い』 のお話には感動しました。
 他人に対し、『ありがとう』 と感謝する気持ちを忘れないようにしようと思います。
 今日の講義は本当に興味深く、たくさん考えさせられました。 
 ありがとうございました。」

「いろんな文化を吸収していくこと、それを次世代に伝えること。人を育てていくこと。
 それが人間発達文化学類である、ということを学んだ。
 高校生のときに、福島大学について調べたときには知っていたけど、
 大学生になった今、忘れていたことに気づかされた。
 また、自分が上手くできるだけではだめで、
 後輩や部下を育てて大きなことをできるようにしたりしていく、
 文化の伝達というものをしていかなくてはならないということを学んだ。
 大学での4年間で文化の伝達をうまくできる人になっていくために、
 日々の授業を大切に頑張っていこうと思った。
 サルと人間の違い、発達というところから、成長というものの過程、
 さまざまな発達、仕事の分化、文化が発達したことなどを学んだ。
 新しい発見というものがまだまだあって面白いと感じ、学びが深まったと思う。
 文化には無限の可能性があるということに気づかされたので、
 自分に適していること、新しく向いていることを発見していこうと思った。
 日々新しいことを学んでいきたいと思った。
 楽しくて、将来に希望のもてる講義でした。
 ありがとうございました。」

皆さん、こちらこそ最後までご静聴いただきありがとうございました。
大学生活は誘惑も多くて流されやすく、ついつい楽なほうを選んでしまいがちです。
また、人間というのはとても忘れっぽい動物でもあります。
今回感じたことを忘れないよう胸に刻み、
ひとつひとつの授業時間を大切にして、有意義な4年間を過ごしてください。

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