がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

日米関係の成立と展開

2008年01月19日 | Weblog
2008年01月19日 21時43分記載

読売がおかしな方向に話を持っていきがちなので、日米関係が戦後どのように成立し、展開していったのかを確認しておこう。



1945年8月15日、大日本帝国敗戦。連合国、とりわけアメリカによる占領が始まる。



1948年、北朝鮮という共産主義国家が成立。




1949年、中華人民共和国という共産主義国家が成立。

ここで、日本まで共産化してしまったらドミノ倒しのようにアジア全域が、下手すると世界が共産化してしまうのではないかと懸念したアメリカが、日本を「反共の防波堤」として、いわば「人間の盾」として日本を利用すると決め、西側陣営に組み込む。現在では考えられないことだが、当時は共産主義の世界同時革命が真剣に懸念されていた。



1950年、朝鮮戦争勃発。

西側陣営に組み込んだ日本にも朝鮮戦争に協力させようと、憲法9条を押し付けたにもかかわらず日本に再軍備をさせる。同年、警察予備隊創設。



1952年、警察予備隊を保安隊へ改組。より軍事色を強める。



1954年、保安隊を自衛隊へ改組。軍隊たる自衛隊が成立する。



この間、日本の政治家が何をしていたかというと、イギリスで外交官の経験を持つ吉田茂が中心となり、自由主義陣営に与していこうと、アメリカ側につくことを決め、実行していく。



1951年、サンフランシスコ平和条約締結。同時に「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約」(旧日米安保条約)締結。

ここに至るまで、日本国内は単独講和論(アメリカとの講和を先行させる)か全面講和論(ソ連も含めての講和を行う)かで国論が二分されていたが、吉田茂は全面講和論を唱えていた南原繁元東京帝国大学総長・政治学者を「曲学阿世の徒」という、学者に対する侮辱としては最大限の侮辱となる言葉を使って批判し、単独講和を断行する。



1960年、日米安全保障条約(新日米安保条約)締結。
A級戦犯であった岸信介がCIAから秘密資金の提供を受けながら、一層深いアメリカとの関係を構築させる。



その後もいわゆる「吉田学校」の生徒である池田勇人、佐藤栄作により、我が国は吉田茂が敷いた路線を着実に歩んでいく。

1970年、日米安全保障条約自動延長。



吉田から佐藤までがアメリカを先頭とする自由主義陣営に戦略的に組み込まれ、核の傘に入ろううとしたのは次の3点の理由からだと考えられている。

1.ドイツのように分断統治されるのをどうしても避けたかったこと。(換言すればソ連の我が国への介入を阻止したかったこと。)

2.社会主義陣営は自由主義陣営に敗北するであろうと予測したこと。

3.敢えてアメリカの核の傘に入ることにより、余計な費用を軍備に費やすことなく経済復興を果たそうと考えたこと。

このことは、結果的に見れば正解だったと言って差し支えないだろう。従って私は、吉田茂から佐藤栄作までの政権は評価している。問題は、佐藤栄作以降の自民党政権である。



田中角栄は、アメリカからの支配を脱しようと試みたがロッキードで嵌められ失敗する。その後は、アメリカの言いなりである。吉田から佐藤までは感じられた我が国としての主体的な意思は、少なくとも私には感じられない。



以上のように、日米関係は、吉田から佐藤までは、アメリカは日本を利用し、日本はアメリカに利用されるという形を利用しながらアメリカを利用するという、相互に思惑を持った、戦略的・主体的な関係性であった。

ここで、日本人が銘記しておかなければならないことは、アメリカは決して日本のためを思って日本を占領し、その後の協力関係を続けていたわけではないということである。アメリカはそんなお人好しな国ではない。

アメリカやイギリスといったアングロサクソンの人間は競争が大好きで、結果の平等を志向する共産主義者(コミュニスト)を忌み嫌っている。それは私から見ると異常とも思える毛嫌いぶりである。

アングロサクソンの人間はどうしても世界を共産化させたくなかった。ソ連・北朝鮮・中国が現実に共産化するのを目の当たりにして、どうしても共産化を食い止めなければならないと考えた。世界同時革命を唱えていたコミュニストの思い通りにさせてなるものかと。その目的のために、日本に軍隊を置き、日本にソ連や中国が侵攻してきたら「同盟国が攻撃された」といってソ連や中国に戦争を仕掛けられるように日米同盟を構築した。すべてはアングロサクソンのためである。決して日本のためではない。そのことを日本人は忘れてはならない。



では、今後我が国はどうしていけばいいのか。



まずは、アメリカの善意で我が国の安全が保たれているというような卑屈な精神を排除すること。アメリカは日本を、日本人を利用しているだけである。

そのうえで、アメリカの核の傘を利用できるだけ利用すること。核の傘を外すというなら核武装すると脅しながら。日本が核武装すれば、どこの国もおいそれと日本に攻撃を加えることは出来ない。それは同時に両国の滅亡を、下手をすると世界の滅亡を意味するからである。それこそが核抑止力である。それよりは日本に核の傘を提供した方がいいと、アメリカなら考える。

アメリカが本当に手を引いたら核武装するしかないと思う。核武装しなければ、台湾問題、尖閣諸島の問題で中国と紛争となった場合、中国に対抗出来ない。地勢的に、我が国はロシア・中国の脅威を常に考慮しなければならない。(北朝鮮は国力がないので、本当に戦争になった場合、簡単に勝てる。なぜと言って、戦争は最終的には国力の勝る方が勝つからである。それをわかっているから、北朝鮮は口ではごちゃごちゃ言っているが、実際に武力行使はしてこない。それは同時に自国の破滅を意味するとよくわかっているからである。アメリカは日本にミサイルの一発でも打ち込んでくれないかと思っているのではないだろうか。戦争を仕掛ける口実が出来るからである。見つからない大量破壊兵器があると言って、イラクに戦争を仕掛けたアメリカである。戦争をするためならどんな口実でも構わない。)



日本人は、アメリカは軍事的にも、経済的にも獰猛な国家であるということを認識し、しかしながら、そのアメリカと抜き差し難い関係に我が国があることを理解し、表向き言うことを聞く振りをしながら、アメリカを利用しようとする意識を忘れないことである。