がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

【郵便不正報道検証】「検察は都合の悪い情報は出さない」ジャーナリスト・江川紹子さん

2010年09月24日 | Weblog
2010年09月23日 21時32分44秒掲載

産経ニュース(URL http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100922/trl1009222047011-n1.htm  )



「捜査機関とメディアの問題点は重なる。東京地検の会見が雑誌やフリーの記者にもオープン化されたが、その会見に出席して感じるのは、検察が容疑の認否といった基本的なことすら答えないのに、司法記者がそんな「検察の流儀」になじんでいることだ。後から個別で聞くのでなく公式の場で言わせないとだめ。個別で勝手なことを言い、それが報道されてもだれも責任を取らない。

 郵便不正事件では、検察側情報に基づく供述報道が一斉になされた。検察は都合の悪い情報は出さない。“フィルター”がかかっていることを踏まえた上で報道することが重要だ。

 産経新聞では、村木厚子さんの逮捕や関係者供述など検察側情報による記事は1面に掲載されたのに、村木さんと接見した弁護人の情報に基づく記事の扱いは小さかった。これでは読者の印象に残らない。弁護側情報の扱いを考え直すべきだ。

 一方で各社で唯一、証人尋問などのやりとりを記した「詳報」を紙面やインターネットで報じた。通常の記事は記者の見方に沿ってしまいがちだが、“生の素材”を読者に提供して判断をゆだねる客観報道に徹したのはよかった。」



ホント江川さんの言う通り。フィルターがかかった情報を垂れ流すだけのくせに「社会の公器」を自認してんだから、笑っちゃうよね。


司法修習生給与 混乱を招く民主党の横やり(9月21日付・読売社説)

2010年09月24日 | Weblog
2010年09月22日 23時49分40秒掲載

URL http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100920-OYT1T00744.htm  



「司法修習生に支払われている給与を打ち切ることに、民主党の法務部門会議が、突如として「待った」をかけた。

 修習生や、給与の存続を訴えていた日本弁護士連合会にとっては朗報だろう。

 だが、一度は打ち切りに賛成した民主党の場当たり的な方針転換には疑問符が付く。

 司法試験に合格し、法律家になるために研修を積んでいる司法修習生には、国庫から毎月約20万円の給与が支払われてきた。

 修習生は公益性が高い法曹になることから、国が生活資金を含めて丸ごと支援し、養成するという理念の下、戦後一貫して続いてきた「給費制」という制度だ。

 だが、法曹人口の大幅増を掲げた司法制度改革の中で、2004年、これに代わって「貸与制」の導入が決まった。法曹の増加に伴い、過度の財政負担が避けられないとの理由からで、当時、野党だった民主党も賛成した。

 1年間の修習期間中に月18万~28万円を無利子で貸し、修習生は10年間で分割返済する。修習終了後、5年間は返済を猶予する。貸与とはいえ、かなり有利な内容の制度だ。

 その移行が11月に迫ったところで、突然、議員立法で阻止しようというのである。

 日弁連は、「修習生の半数が奨学金などの借金を抱えており、貸与制になれば、さらに借金が増える」「富裕層しか法曹になれない状況を招き、志望者が減る」と、給費制の維持を求めてきた。民主党がそれに応じた形だ。

 だが、根本的な議論抜きの強引な「存続」に、国費の負担者であり、かつ法的サービスの受益者である国民は納得するだろうか。

 裁判官、検察官はともかく、民間人である弁護士になる修習生にも国が一律に給与を支払う必要があるのか、という疑問の声が以前からあったのも事実だ。

 今の司法修習制度のあり方を含め、法曹養成全体の大局的見地に立った根本議論なしに、ただ給費制か、貸与制かという二者択一の議論に固執していては、混乱の真の解決には至らない。

 過疎地で業務に励んだ弁護士には、貸与金の返済を免除するといった折衷案も考えられよう。

 新司法試験の合格率は低迷し、法曹人口は計画通りに増えていない。財政事情は極めて厳しい。

 こうした様々な要因を踏まえつつ、良質な法曹養成と法的サービスの向上につなげる視線から議論を尽くすことが肝要だ。(2010年9月21日01時14分 読売新聞)」


しかし、民主党もえらい言われようだね。「横やり」だって。いやしくも国民からの負託を受けた国会議員が400人以上いる政党の意見を「横やり」とは、読売さんは、たいそう偉いんだろうね。
民主党を愚弄している振りをしながら、「出来もしないマニフェストに騙されて投票しやがって」って国民を愚弄しているように感じるね。


本件に関して言えば、一番大きな問題は、貸与された金に2人の連帯保証人を立てろ、それが出来ないならオリコに保証会社になってもらえって所でしょ。(この社説では触れられていないけど。)
読売の社説書くぐらいだからわかってると思うんだけど、連帯保証人を2人立てろってことは、貸し倒れるリスクがそこそこあるっていうことだよね。(貸し倒れリスクがほとんどないなら、保証人自体いらないよね。)
で、そのリスクが顕在化した時、つまり返済に窮した時が問題で、保証会社に保証してもらっていた人は、返済が滞った時点で期限の利益を失って、保証会社からの一括での返済請求を受ける。で、払えれば何の苦労もないんだけど、返済が滞るくらいだから返済原資なんて持ってない。払い終えるまでは6%の遅延利息が付く。もうそうなると返済は出来ない。結果、自己破産なり、民事再生といった債務整理ってことになる。
読売は「1年間の修習期間中に月18万~28万円を無利子で貸し、修習生は10年間で分割返済する。修習終了後、5年間は返済を猶予する。貸与とはいえ、かなり有利な内容の制度だ。」って書いて、全然返済には問題がないみたいに言ってるけど、じゃあなんのための連帯保証人2人又はオリコの保証なのかね。日弁連や民主党はここを(ここも)問題だと言ってるんでしょ。民主党が法案に賛成した時、オリコの保証まで決まってたかね?


実施の段階になってみたら、消費者金融の保証会社を付けさせられる、そうなると、法律家自身が自己破産に陥るっていうシビアな事態が現実化するってことで待ったをかけた。「横やり」って言われるほど乱暴な話じゃないと思うけどね。


参照URL http://www.nichibenren.or.jp/ja/special_theme/kiyuuhiseiizi.html  

http://www.courts.go.jp/kisokusyu/sonota_kisoku/sonota_kisoku_15.html


http://www.courts.go.jp/saikosai/sihokensyujo/pdf/taiyo_syorui2/1-3.pdf   


それともう1つ。読売は「裁判官、検察官はともかく、民間人である弁護士になる修習生にも国が一律に給与を支払う必要があるのか、という疑問の声が以前からあったのも事実だ。」って書いてるけど、ってことは、裁判官とか検察官とかを退官しても弁護士資格は取得しないってことでいいわけね。法曹一元も解体ってことで。


でも、そうなると、同じ試験を受けさせる意味も、同じ研修を受けさせる意味もないよね?

市議会質問の代読拒否、中津川市に賠償命令 岐阜地裁

2010年09月24日 | Weblog
2010年09月22日 20時21分07秒掲載

asahi.com配信記事(URL http://www.asahi.com/national/update/0922/NGY201009220003.html  )



「がんで声帯を切除して声が出せなくなった元岐阜県中津川市議の小池公夫さん(71)が、議会で質問する際に「代読」が認められず「表現の自由」や発声ができない障害者が発言方法を決める「自己決定権」などを侵害されたとして、市や市議28人に1千万円の損害賠償を求めた訴訟で、岐阜地裁の内田計一裁判長は22日、一部で小池さんの参政権を侵害したと認め、市に10万円の支払いを命じる判決を言い渡した。市議に対する請求は棄却した。小池さんは控訴する方針。

 小池さんは議員1期目の途中に手術を受け、再選後の2003年5月、他の人が読み上げる代読による質問を議会側に求めたが拒否された。06年12月に代読を求めた決議が否決されたことから、反対した議員27人と議長、市を相手に提訴した。

 判決は、議会側がパソコンの音声変換ソフトで発言することを認め、それを小池さんが拒否した04年9月から、議会側が再質問に限っては代読でよいとした05年11月までの期間、パソコンの使い方に小池さんが習熟していないのに、パソコンの使用を強制したと認定。この間、議会や委員会で代読を求めた小池さんの発言通告書が不受理となり、有効な代替案も示されなかったのは「議長らの違法行為で、発声障害者ゆえに議会に参加する権利(参政権)を害された」と認定した。

 そのうえで、国家賠償法に従い、市への賠償責任だけを認めた。

 訴訟で市と市議側は、代読を認めなかったことやパソコンの使用などの代替案は、いずれも議会で議論を尽くした結果だと主張した。判決は、参政権の侵害を認めた期間以外は「議会には自律的に処理する権限がある。自己決定権や表現の自由が制限されたとしてもやむをえない」とした。

 小池さんの市議会本会議での質問は、03年4月から07年4月の2期目は一度もなかった。その後は引退した。(贄川俊) 」


村木元局長「本当なら異常」「一部のせいにせず検証を」

2010年09月21日 | Weblog
2010年09月21日 12時59分50秒掲載

asahi.com配信記事(URL http://www.asahi.com/national/update/0921/TKY201009210069.html  )



「郵便不正事件で被告となった厚生労働省の村木厚子元局長(54)=一審・無罪判決=が21日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した。村木元局長は「このことが本当なら異常なこと。一部に変な人がいたんだという話にせず、事件全体について何があってなぜこうなったのか検証してもらいたい。検察のあり方に生かして欲しい」

 これに先立ち、村木元局長の主任弁護人を務める弘中惇一郎弁護士も会見を開き、「検察の根幹を揺るがす大きな問題だ」と厳しく批判。今後、証拠隠滅容疑などで主任検事を刑事告発することも視野に対応を検討することを明らかにした。

 弘中弁護士は「検察側からの説明は一切ない」としたうえで、朝日新聞が報じた内容を前提に会見を進めた。「主任検事として事件をコントロールする立場の人がこういうことをしたのなら前代未聞だ」と指摘。「トカゲのしっぽ切りのようなことをせず、検察はこの問題を徹底的に調査し、しかるべき措置をとってもらいたい」と話した。

 公判前整理手続きの段階で、検察側が問題のFDを証拠請求しなかったことについては「(起訴内容を裏付ける)一番重要な証拠なのに、なぜ証拠請求しないのかと不審に思っていた」と述べ、「主任検事が自ら改ざんしたのなら、『冤罪だ』とかなり以前から知っていたはずだ。そうだとしたら(証拠として出さなかった)当時の検察の対応はうなずける」との見解を示した。 」




証拠隠滅容疑で最高検が捜査 改ざん疑惑「疑い濃い」



URL http://www.asahi.com/national/update/0921/TKY201009210099.html  



「郵便不正事件で主任検事が証拠として押収したフロッピーディスク(FD)を改ざんした疑惑をめぐり、最高検の伊藤鉄男次長検事は21日午前11時から緊急の記者会見を開き、「報道を素直に見れば、何らかの犯罪になる疑いが濃い。もはや捜査せざるを得ない」と述べた。

 最高検刑事部の検事らを21日に大阪に派遣し、証拠隠滅容疑で捜査を始めたという。最高検が自ら捜査に乗り出すのは極めて異例だ。

 伊藤次長は、改ざんした疑いのある主任検事を逮捕する可能性については明言を避けたが「ありとあらゆる事実解明をする。何ら特別扱いはしない」と語気を強めた。

 主任検事の言い分については「供述内容は言えない」と明かさなかった。改ざんに対する上司らの組織的関与については「そういうことを含めて調べる」と述べた。

 伊藤次長によると、最高検には20日に大阪高検から連絡があったという。伊藤次長は、大阪地検の聴取は「調査」、最高検は「捜査」と言葉を使い分け、「疑惑自体を非常に深刻に受け止めている。だからこそ、最高検主体で徹底的にやる」と約15分間の会見を結んだ。」


検事、郵便不正で押収のFD記録を改ざんか

2010年09月21日 | Weblog
2010年09月21日 12時55分54秒掲載

URL http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100921-OYT1T00381.htm?from=main1



「郵便不正に絡む偽の障害者団体証明書発行事件で、大阪地検特捜部が厚生労働省元係長・上村勉被告(41)(虚偽有印公文書作成・同行使罪で公判中)の自宅から押収したフロッピーディスク(FD)の更新日時記録を、捜査主任を務めた前田恒彦検事(43)が改ざんした疑いのあることが21日、関係者への取材でわかった。

 検察側が主張する事件の構図に合致するように書き換えた可能性が高いといい、最高検は事実関係を徹底的に捜査し、厳正に対処する方針。

 同省の村木厚子元局長(54)(1審で無罪判決)の主任弁護人の弘中惇一郎弁護士も同日午前、記者会見し、証拠隠滅容疑などでの刑事告発を検討する考えを示した。

 地検などによると、FDは、昨年5月26日の家宅捜索で押収。上村被告が実体のない障害者団体「凛(りん)の会」側からの依頼で6月上旬に発行したとされる偽証明書の作成日時の記録が残っており、特捜部はこのデータから、証明書の最終更新日時を「2004年6月1日午前1時20分06秒」とする捜査報告書を作成した。

 その後、特捜部はFDを公判の証拠とせず、昨年7月、上村被告に返却。ところが、報道機関の指摘を受けて上村被告の弁護団がFDを確認したところ、最終更新日時が「04年6月8日午後9時10分56秒」に改まっていた。

 大阪地検は20日、前田検事から事情聴取。前田検事は、データの書き換えを認めたうえで、「故意ではなかった」と説明したという。

 上村被告の弁護人によると、書き換えの日付は昨年7月13日で、FDは同17日に返却されたという。

 村木元局長の公判で検察側は、「凛の会が04年6月8日に郵便局から証明書の提出を求められ、上村被告に作成を催促した」と主張。弁護側は捜査報告書に基づき、「その時期にはすでに作成されていたはず」として日付と作成時期の食い違いを指摘していた。

 前田検事は1996年に検事となり、東京、広島、水戸などの地検を経て、08年4月から大阪地検特捜部。

 小林敬・大阪地検検事正は21日午前、報道各社の取材に応じ、「詳しいことはわかっていない。弁護側からFDを出してもらい、調べることになる」と話した。

 伊藤鉄男・最高検次長検事のコメント「最高検で事実関係を徹底的に捜査した上、厳正に対処したい」

(2010年9月21日11時16分 読売新聞)」




前田検事、元防衛次官汚職でも「キーマン」担当


URL http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100921-OYT1T00431.htm?from=main2  


「偽の障害者団体証明書発行事件で、押収したフロッピーディスク(FD)の更新日時記録を改ざんした疑いが持たれている前田恒彦検事(43)が大阪地検特捜部に配属されたのは、2008年4月。
 それ以前には、東京地検特捜部に在籍した06年4月~08年3月、元防衛次官の汚職事件で贈賄側の防衛専門商社元専務を取り調べるなど、事件の「キーマン」となる容疑者を担当することが多かった。
 大阪地検特捜部では、元特捜検事で弁護士だった田中森一受刑者の詐欺事件(08年4月)や音楽プロデューサー・小室哲哉元被告による詐欺事件(同11月)などの捜査で主任検事を務めた。また、民主党の小沢一郎元代表の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件では、東京地検特捜部に応援として派遣され、逮捕した公設秘書の取り調べも担当した。

 部内では、検察の筋読み通りに容疑者から自供を引き出す「割り屋」として評判を取る特捜部のエース的存在。上司の信頼も厚かったが、一方では、取り調べが強引との評判もつきまとっていたという。

(2010年9月21日11時40分 読売新聞)」


村木元局長「こんなことまであり得るのか」


URL http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100921-OYT1T00516.htm?from=top  


「偽の障害者団体証明書発行事件で、押収したフロッピーディスク(FD)の更新日時記録を改ざんした疑いが浮上したことに関し、厚生労働省の村木厚子元局長(54)は21日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、FDの改ざんについて「こんなことまであり得るのかと、恐ろしい気がした」と顔をこわばらせた。
 その上で、「検察への信頼がかかっている問題だと思うので、徹底的に調査して欲しい」と話した。

(2010年9月21日12時50分 読売新聞)」


事実とすれば大変な問題だよね。読売が今後どう言うか注目したいね。

消費税論議 新体制で与野党協議進めよ(9月19日付・読売社説)

2010年09月21日 | Weblog
2010年09月20日 20時00分58秒掲載

URL http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100918-OYT1T00914.htm  



「景気をテコ入れし、先進国で最悪の財政状況を立て直す――。

 菅改造内閣が取り組むべき経済テーマの柱は、景気と財政再建の両立である。その実現のため、参院選敗北で首相が及び腰になった消費税問題に、今度こそ腰を据えて取り組まなければならない。

 民主党代表選では、財源を巡る対立軸が鮮明になった。「消費税を含む税制の抜本改革を検討する」と訴えた首相に対し、小沢元代表は「増税の前に無駄減らしだ」と強調した。

 無駄排除にいくら取り組んでもさほど財源を捻出(ねんしゅつ)できないのは、はっきりしている。補助金の一括交付金化や国有財産の証券化なども、起死回生策とは言い難い。

 財源の明示なしに政権公約の完全実施を求めた小沢氏の主張に対し、民主党国会議員や党員・サポーターの多くが「無理がある」と判断したことが、首相勝利の一因になったと見ていいだろう。

 巨額の財政赤字を抱える日本でこれ以上、財源問題を棚上げすることは許されない。増大する社会保障費を賄う財源を確保するためにも、消費税率の引き上げが避けられないのは明らかである。

 読売新聞が代表選中に実施した世論調査でも、消費税を巡る首相の姿勢を支持した人が全体の52%で、引き上げに否定的な小沢氏を支持する38%を大幅に上回った。国民は本格論議を求めている。

 だが、首相は代表選で税制の抜本改革を叫びながら、肝心の中身には踏み込んでいない。

 民主党内には、小沢氏に代表されるように、消費税論議に慎重な意見も根強い。首相は、復活させた党の税制関連部会などで党内論議をリードし、野党にも重ねて協議を呼びかけるべきだ。

 国際的に高い法人税率の引き下げも急務だ。日本経済の再生には企業活力を引き出し、競争力を高めることが肝要だ。それには法人税引き下げが不可欠である。

 財務省は税収減を懸念し、政府税制調査会では調整が難航するとみられる。首相は税調任せにせず指導力を発揮し、来年度税制改正で、ぜひ実現させるべきだ。

 首相の当面の試金石は、来年度予算案の編成だ。概算要求額は過去最大に膨らんだが、日本の財政は新規国債の発行額が税収を上回る異常事態であり、バラマキ政策を続ける余裕はない。

 子ども手当などの政策を大胆に見直し、景気下支えに役立つ歳出を手厚くするなど、メリハリのきいた予算を作るべきだろう。

(2010年9月19日01時15分 読売新聞)」

まあしつこいね、マスコミは。これだけじゃなくて、産経も「【河合雅司の「ちょっと待った!」】 介護財政ピンチ 消費税議論を急げ」(URL http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100920/plc1009201801006-n1.htm  )で、くだらない記事掲げてる。
新聞社の連中って、独禁法から逃れて価格統制された世界で生きてるから、高級取りで、庶民の苦しみがわからない。税金て言えば消費税しかないみたいに叫んでる。その甲斐もあってか、羊のようにおとなしい日本国民の半数は消費税率引き上げもやむなしってなってる。終わってるね。
財源なんて他にいくらでもあるのに。年金積立金、米国債、所得税率引き上げ、相続税の課税ベース拡大、金融資産課税等々。
そういうのは全部すっ飛ばして、軽減税率も何もない過酷な税制である消費税一点張り。ひどい国だよ。医療費にも、教育費にも、生活必需品にも、フラットに10%以上の税金かけようとしている。こんな先進国あるかね。

貧困ビジネス:改正特定商取引法で規制を…大阪弁護士会

2010年09月21日 | Weblog
2010年09月20日 16時42分05秒掲載

毎日jp配信記事(URL http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100920k0000e040011000c.html )



「生活保護費を吸い上げる無料低額宿泊所などの「貧困ビジネス」業者について、大阪弁護士会などが09年12月施行の改正特定商取引法を用いて規制するよう国や自治体に働きかける取り組みを始めた。路上生活者に声をかけて住まいや食事を有償で提供するのは法が対象とする訪問販売にあたり、違反があれば解約や全額返金が可能との考え方だ。民主党や一部自治体が準備する新たな規制法案・条例は返金などの点が明確ではなく、同弁護士会などは再検討を訴えている。

 改正前の特商法は、エステティックサロンや語学教室など規制対象とする商品やサービスをその都度政令で定めていた。改正法は原則としてすべての商品やサービスを対象にし、定められた契約書がないなどの違反があれば、業者はいつでも利用者に料金を返還しなければならないと規定している。その際、業者側は違約金などの請求もできない。

 民主党は貧困ビジネスを規制する法案提出を検討している。業者に自治体への届け出や書面での契約を義務付けているが、利用料金の返還などの点は明確に位置づけていない。

 全国初の条例による規制を目指し、9月府議会に条例案を提案する大阪府の場合も利用料返還などには触れておらず、大阪弁護士会は「改正特商法より基準が緩い条例案では、効果がない」とする意見書を府に提出した。「住まいの賃貸借契約を含め、貧困ビジネス業者が提供するサービスは訪問販売にあたる」と強調、改正特商法の適用を求める。

 同弁護士会の小久保哲郎弁護士は「改正特商法で業者規制ができることが知られておらず、規制のゆるい法案や条例案が新基準だと自治体が誤解する恐れがある。その場合、悪質業者が温存されてしまう」と訴える。小久保弁護士が事務局長を務める市民団体「生活保護問題対策全国会議」は、民主党にも同様の意見書を提出する。

 11月には、無料低額宿泊所などの入所者を対象に弁護士らによる相談会が各地で予定されている。悪質なケースでは改正特商法に基づき、料金返還訴訟を起こすことも検討するという。【無料低額宿泊所取材班】



 ◇ことば・貧困ビジネス



 主に路上生活者を勧誘し、自治体に生活保護を申請させて住居や食事を提供する代わりに保護費を徴収するビジネス。建設業者やNPO法人など業者の母体は幅広い。関東や名古屋などでは社会福祉法に基づく「無料低額宿泊所」を運営する業者が一般的だが、自治体に届け出をしない業者も増え、関西では「囲い屋」などと呼ばれている。」


「萎縮せずに働ける」 医療・介護関係者ら安堵

2010年09月21日 | Weblog
2010年09月18日 14時30分30秒掲載

URL http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukuoka/news/20100916-OYT8T01103.htm



「爪切り事件逆転無罪



入院患者の爪を深く切った行為を「正当な看護行為」と認定し、逆転無罪を言い渡した16日の福岡高裁判決。医療、介護の現場で働く支援者からは「これでやっと萎縮(いしゅく)せずに働くことができる」と安堵(あんど)の声が上がった。

 北九州八幡東病院(北九州市)の元看護課長、上田里美被告(44)は判決後の記者会見で、「看護師を続けられるのがうれしい。これからも人の役に立ちながら生きていきたい」と涙ながらに語った。

 長男の和佳さん(19)は「小さい頃から看護師としての母の背中を見てきた。これからも頑張ってほしい」とエールを送った。

 1審から上田被告を支援してきた北九州市の女性看護師(51)は「今回の判決で、萎縮せずにケアにあたることができる。ただ、医師との連携や患者、家族への丁寧な説明が必要とされたことについては、現場でも問題意識を持っていきたい」。県医療労働組合連合会の武石節子執行委員長(57)は「判決は客観的な状況から、普通の看護師が普通に行ったケアと認定してくれた」と笑顔を見せた。

 北九州市小倉北区のケアマネジャー、矢田光雄さん(54)は「訪問介護の現場で介護福祉士が行う通常の爪切りであっても、血が出たら事件になるのではないかと不安が広がっていた。今回の判決で安心して仕事ができるようになるだろう」とほっとした様子。弁護団の高平奇恵弁護士は「ケアが必要な患者に対する正当な手段、目的だったと客観的に判断された。現場の看護師らの努力が認められた判決だ」と評価した。

(2010年9月17日 読売新聞)」

つめ切り傷害:逆転無罪「正当な看護行為」 福岡高裁判決

2010年09月17日 | Weblog
2010年09月16日 16時00分50秒掲載

毎日jp配信記事(URL http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100916k0000e040024000c.html  )



「北九州市の病院で認知症の入院患者2人のつめを切り出血させたとして、傷害罪に問われ、1審福岡地裁小倉支部で懲役6月、執行猶予3年を言い渡された元北九州八幡東病院看護課長、上田里美被告(44)の控訴審判決が16日、福岡高裁であった。陶山博生裁判長は捜査段階の供述調書の信用性を否定したうえ、「1審には事実誤認がある」として1審を破棄。無罪を言い渡した。

 判決理由で陶山裁判長は、捜査段階で傷害行為を認めたとされる供述調書について、「捜査官の意図する内容になるよう押しつけられ、誘導されたものとの疑いが残る」と信用性を否定。また、「(一部の行為は)傷害罪に当たるが看護目的で方法も相当と言える範囲を逸脱していない。正当業務行為にあたり違法性は阻却される」と述べた。

 上田看護師は07年6月、当時70歳と89歳だった認知症の女性の入院患者2人の右足親指のつめをニッパー型のつめ切りで切除するなどし、けがをさせたとして起訴され、1審では懲役10月を求刑された。

 裁判は、被告のつめ切り行為がケア目的の看護師としての正当業務に当たるのか、否かが主な争点となった。

 1審は「看護行為の一環で患者のつめのケアをする際、指先より深い個所まで切っても直ちに傷害罪の構成要件に該当しない」と判示。その上で事件発覚時に上田看護師が患者の家族や上司に「なぜつめがはがれたかわからない」などと、うその説明をしたことや、捜査段階で「つめを切るとき少々の出血をみてもかまわないと思った」などとする供述調書の信用性を認め「看護行為でなく楽しみとして切った」と、有罪を言い渡した。

 上田看護師側はこれを不服として控訴。控訴審で、弁護側は上田看護師が実際に高齢者のつめを切っている映像などを法廷で流し、痛みや出血に配慮しながら、高い技術でつめのケアができることの立証を試み、「看護師としての正当業務だった」と無罪主張した。

 一方、検察側は他の病院医師を証人として法廷に呼んだ。医師は「行為自体は問題ない」と証言する一方、「患者の家族の同意などがなければケアとはいえない」と述べ、家族などにうその説明をした上田看護師の対応を批判。検察側は「楽しみのためつめを切り詰め出血させた傷害事件」と控訴棄却を求めていた。

 岩橋義明・福岡高検次席検事は「検察官の主張が認められず遺憾。判決を慎重に検討し今後の対応を検討したい」とコメントした。【岸達也】

 【ことば】北九州八幡東病院つめ切り事件

 上田里美看護師は、北九州八幡東病院の看護課長だった07年6月、認知症などで入院中の女性患者2人の右足親指などのつめを医療用つめ切りではがし、10日間のけがをさせるなどしたとして、7月に傷害容疑で逮捕・起訴された。また、北九州市の第三者機関・尊厳擁護専門委員会が4件のつめはぎを虐待と認定した。1審判決では正当業務行為との主張が退けられ、懲役6月、執行猶予3年の有罪判決を受けた。」




つめ切り傷害:上田看護師「ケア続けたい」 逆転無罪で



URL http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100916k0000e040049000c.html  



「「これで安心し看護師を続けられる」。北九州市の北九州八幡東病院を舞台にした「つめ切り」事件で16日、福岡高裁が元看護課長、上田里美被告(44)に言い渡したのは逆転無罪判決だった。突然の逮捕から3年2カ月。待ち望んだ願い通りの判決に、上田看護師は目を潤ませ、法廷は支援者の拍手で沸いた。【西嶋正法】

 午前10時半、オレンジ色のスーツ姿の上田看護師が入廷。一般傍聴席82席に対し、傍聴希望者は141人。事件への関心の高さをうかがわせた。

 「1審判決を破棄し無罪とする」。陶山博生裁判長が判決を言い渡した瞬間、法廷は拍手に沸き返り、上田看護師は深々と一礼。目を赤くはらし、時折ハンカチを顔にあてながら、判決に聴き入った。

 判決後、福岡市中央区のホテルであった報告集会には看護関係者ら約50人が参加。上田看護師はハンカチで目頭を押さえながら「逮捕から3年2カ月。長かったが、やっと無罪が証明されてほっとしている」と話した。

 法廷では1審(有罪)での光景が脳裏をよぎり「怖くてたまらなかったけど、無罪は言葉にならないくらいうれしかった」と言い「家族やみんなの支えの力はすごいものだった」と述べた。

 07年7月2日の早朝だった。自宅を訪れた警察官がいきなり署に連行し、そのまま逮捕された。「何で私が?」。何が何だか分からなかった。「看護師としてでなく、人として話してください」「出血イコール傷害ですよ」。厳しい取り調べが連日続いた。

 無罪を信じ続けてくれたのは、当時高校1年の長男と、中学2年の長女だった。「警察はうそばっかりやけん、気にしたらいかんよ」。弁護士を介して受け取った手紙に何度も励まされ、涙が止まらなかった。それでも時折、心が折れそうになった。救ってくれたのが逮捕から2カ月後に接見に訪れた弁護士の一言だった。「看護師として話していいんですよ」。法廷で全面的に争おうと覚悟を決め、以来3年間、「潔白を示そう」との思いを胸に裁判に臨んだ。1審の有罪判決(昨年3月)にも信念が揺らぐことはなかった。

 看護師を志したのは中学1年生の時。姉が負傷し搬送された救急病院の看護師は優しかった。あこがれの職業になった。20歳で念願通りに看護師になり、以来二十数年間、この道一筋で生きてきた。しかし、突然の逮捕後に、懲戒解雇され、生活は一変した。

 07年の保釈後、別の職への就職を考えたが、子どもたちは口をそろえた。「お母さんから看護師を取ったら何も残らんやん」。我に返り「自分には看護しかない」と痛感した。

 小児科クリニックで働くようになって2年。患者と接する日々にあって、改めて心に誓った。「患者さんのそばで過ごすのが何より大好き。これからも看護ケアを続けていきたい」



 ◇上田看護師 涙浮かべ「長かった」



 判決後、福岡市中央区のホテルで報告集会があり、看護関係者ら約50人が参加。上田看護師は「ありがとう」と言って一人一人と握手を交わした。

 上田看護師は「逮捕から3年2カ月。長かったが、やっと無罪が証明されてホッとしている」と目に涙を浮かべながら話した。



 ◇「なぜ無罪か」被害者側の次男



 被害者とされた女性(当時89歳)の次男(63)は無罪判決に「なぜ無罪なのか分からない。つめを切る際には家族や医師の許可を取る仕組みを作らないと、また同じような事が起きる」と話した。」


進まぬ障害者就労、不況のせい? 法定雇用達成は半数

2010年09月17日 | Weblog
2010年09月15日 21時57分42秒掲載

asahi.com 2010年8月26日配信記事( URL http://mytown.asahi.com/areanews/yamanashi/TKY201008250393.html  )



「障害者の雇用情勢は足踏み状態が続いている。「健常者でさえ、不況で就職先が見つからない。仕方ない」。働きたいと願う障害者からはそんなあきらめが伝わってくる。景気は循環する。私たちはいつまで不況のせいにできるだろうか。



午前9時。添田孝平さん(32)の一日の仕事が始まる。職場は山梨労働局の職業安定部。新聞7紙に掲載される雇用情勢など労働関連のニュースや社説、特集記事のコピーを取る業務だ。

 上司が赤ペンで囲った記事の載っているページをコピーし、囲みの部分をハサミで切り取る。それを縮小機能を使って再度コピー機にかけ、回覧用に冊子に仕上げる。

 毎週月曜日は、休日の分も加わるため作業が膨大になる。知的障害者のグループホーム(甲府市)で暮らす添田さんだが、仕事は苦にしない。「いつでも明るくまじめ。シュレッダーも古紙の結束も安心して任せられる」が周囲の評だ。



添田さんは2008年1月に期間採用された臨時職員。特別支援学校を卒業後、笛吹市内の知的障害者の入所施設で6年間ほど、園児向け雑誌の付録のおもちゃを組み立てる作業を仕事にしていたが、「そとで働きたい」と退所。ホテルや段ボール製造会社などの職場で働いたあと、心身障害者の授産施設「勝沼授産園」(甲州市)で必要な訓練を受けた。

 契約期間は年内限り。添田さんは「いまの職場は優しい人ばかり。理想的な職場で、気に入っている」と話す。



■「就職しよう」強い気持ちで



 一般企業に就職するためのノウハウを学ぶ「就労移行支援事業」利用者の就職率は1~2割といわれるが、勝沼授産園は、2009年度までの過去4年間の就職率が100%近い。毎年4~6人がクリーニング店やホテルなどに就職を決めている。園長の山崎俊二さん(59)は「職員も本人も絶対に就職させよう、就職しようという強い気持ちで取り組んでいる」と胸を張る。

 授産園の就労支援事業で段ボールののりづけなど軽作業を続ける沢登永光さん(30)=甲州市=も企業への就職を目指す一人だ。精神障害の「症候性てんかん」を患うが、これまで建設会社や製菓会社で働き、コンビニエンスストアなどアルバイトの経験も豊富だ。園に通い始めて1年3カ月。作業が休みの土日は、園の運営法人が近くに開業した「リサイクルショップ キューブ」の店頭に立ち、レジ打ちや接客の勘を取り戻そうと懸命だ。



■前向きな企業・団体は少数



 だが、障害者雇用に前向きな企業・団体は、依然として少数派だ。山梨労働局によると、常用雇用者56人以上の県内429社が雇う障害者の平均割合(実雇用率)は1.61%(昨年6月1日現在)。雇用されている障害者の総数は1108人にのぼるが、障害者雇用促進法が求める1.8%の雇用率を満たす企業は全体の51.3%止まりだ。

 不況のあおりを受けて、障害者を対象にした雇用調整も行われ、「リーマンショック」が起きた2008年度に解雇された障害者は前年度比12人増の30人に急増。09年度も26人に高止まりしている。

 改正障害者雇用促進法の施行に伴い、国は従業員301人以上の企業に加え、今年7月から201人以上の企業についても法定雇用率の順守を求めている。障害者が1人不足するごとに、納付金を課す一方、同雇用率を満たす企業には調整金や助成金を支給する。(床並浩一) 」


ニュースUP:視覚障害者の就職活動=社会部実習生・常瑠里子

2010年09月17日 | Weblog
2010年09月15日 21時44分40秒掲載

URL http://mainichi.jp/select/opinion/newsup/news/20100915ddn013040031000c.html



「毎日新聞社は8月9~13日、社会福祉法人「日本ライトハウス」(大阪市鶴見区)で職業訓練を受ける常瑠里子さん(25、全盲)を社会部の職場実習生として迎えた。就職活動中の常さんは、障害者の雇用問題について関連機関を取材し、同行記者の指導でまとめた。

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◇知ってもらうことから--常(つね)瑠里子



 私は2歳のときに患った麻疹(はしか)が原因で、視覚障害がある。福祉施設で職業訓練を受けながら就職活動をしているが、厳しい現実にぶつかることが多い。履歴書さえ、受け取ってもらえないこともある。就職のため、企業や行政、そして視覚障害者はどんな努力をすべきなのだろうか。職場実習での取材を通じ、考えてみた。



 ■「できること」示す



 「視覚障害があるだけで就職活動のスタートラインにも立てない。そんなふうに思ったこともあります」

 「大和リース」(大阪市中央区)で事務職を担う長谷川和美さん(33)が10年前の就職活動を振り返った。中心の視野が欠ける黄斑変性症を発症したのは小学2年の時。現在の視力は両目とも0・02程度だ。就職活動で数社の内定を得た長谷川さんだが、障害を理由として採用に難色を示す企業が相次ぎ、憤りと落胆の日々が続いたという。

 長谷川さんは発想を転換した。「企業側の『見えないからできない』との懸念を取り除くため、私自身が努力していただろうか」。面接にはノートパソコンを持参した。打ったキーの文字を読み上げたり、画面上の文字を大きく表示させるソフトを使いビジネス文書を作成してみせた。人事担当者は驚きの声を上げた。「普通のパソコンで仕事ができるんだ」。具体的に「できること」を示し、企業の信頼を勝ち取った瞬間だった。



 ■雇用率まだまだ



 就職を目指す障害者の努力に、企業や行政はどう応えているのだろうか。障害者雇用促進法は従業員が56人以上の企業に対し、1・8%の障害者を雇用する義務を課す。だが大阪府内に本社を置く企業の場合、この雇用率を達成するのは全体の42・9%(09年6月)に過ぎない現状がある。

 こうした状況を改善しようと大阪府は4月、府の事業を受託する企業が対象の「ハートフル条例」を施行した。雇用率が未達成の企業には雇い入れ計画の提出を求め、長期間達成できなかった場合は事業の契約解除も盛り込む。未達成企業には障害者雇用の経験の豊かな企業の人事担当OBらが助言し、障害者が働く環境づくりを指導する。

 これに対し、大阪市の平松邦夫市長は「行政から範を示す」と意気込む。確かに市の障害者雇用率は2・9%で企業を上回るが、その支援態勢はどうか。

 市は障害者の就労支援施設を7カ所で運営するが、年140人の定員に対し、新規だけで毎年180人前後が登録する。就労後の支援を要する利用者も多く総登録者数は約800人に及ぶ。指導する職員は1カ所につき2人か3人で、行き届いた支援ができているとは言い難い。



 ■働き続けるために



 長谷川さんは「この10年、視覚障害者を取り巻く就職状況は何ら変わっていないと感じる」と語る。私自身、就職の難しさを痛感する日々が続いている。

 履歴書を出す時は、職務経歴書に添えて、自ら作成したビジネス文書などを同封する。こうした工夫をこれまで30回以上繰り返したが、面接に呼ばれたのは1度だけだ。

 どうすれば、人事担当者に視覚障害のある私を理解してもらえるのか。不採用のたび、自問を繰り返していた私にとって「(企業側の)『見えないからできない』との懸念を取り払った」長谷川さんとの出会いは大きかった。

 気付かされたのは、見える世界を知らない視覚障害者もまた「見える」世界を想像したうえで、相手を理解しようとすることが必要なのではないか、ということだ。行政の支援を得ても、企業側の理解があっても、たどり着いた就職は、決してゴールではない。入社後にどのような仕事が、どの程度できるか。その方がはるかに重要だ。

 長谷川さんは「最後は熱意」と話す。「見えない」世界を知ってもらう努力を惜しまず、「見える」世界を知ろうとする。それが就職への、そして働き続けるための道だと思う。



 ◇可能性の「芽」育てよう--取材に同行して



 10年前、当時29歳で就職活動をしていた私が絶望的に感じたのは、年齢の壁だった。希望した「書く仕事」の場合、新卒採用は26歳ぐらいまで。仕事への熱意を込めた自筆の手紙を同封しても、履歴書が戻ることさえごくまれだった。

 企業は社員を長い目で見て育てるより、即戦力を好む。だが年齢や障害を理由に「入り口」を閉じる不利益はないだろうか。可能性の芽を摘んでいないだろうか。

 「企業や行政より視覚障害がある私自身が努力しなければならないと思うんです」。常さんの言葉に、企業や行政、そして社会がどう応えるべきか。問われていると思う。【平川哲也】」


今日のバンキシャひどくない?

2010年09月17日 | Weblog
2010年09月12日 19時15分22秒掲載

河上和雄元東京地検特捜部長が村木元厚労局長の無罪判決についてどう言うか注目して見てたら、郵便不正事件について触れず終い。ひどくない?「真相報道バンキシャ」だよ、タイトル。先週あった出来事で、一番先に取り上げなきゃいけないトピックじゃない?



最初は民主党代表選で、これはまあしょうがないとして、その次がご当地グルメだよ。「真相報道」だよね?焼きそばとか後でいいから。



別にね、先週一週間たいした事件がなかったんなら焼きそば特集でいいよ。だけど、村木さんの件は触れないわけにいかなくない?「真相報道」って銘打ってる限りは。河上さんに気でも使ったのかな?



来週大きく時間を割いて徹底的に検証してくれるんならいいんだけど、そうじゃないなら「真相報道」って看板は下げた方がいいね。「ワイドバラエティバンキシャ」とかにして。


村木氏無罪―特捜検察による冤罪だ

2010年09月17日 | Weblog
2010年09月11日 19時15分51秒掲載

asahi.com配信記事(URL http://www.asahi.com/paper/editorial20100911.html  )



「あらかじめ描いた事件の構図に沿って自白を迫る。否認しても聞く耳をもたず、客観的な証拠を踏まえずに立件する。郵便不正事件での検察の捜査はそんな強引なものだった。

 大阪地裁は昨日、厚生労働省の局長だった村木厚子被告に無罪を言い渡した。村木被告は、郵便割引制度の適用団体と認める偽の証明書をつくり、不正に発行したとして起訴されていた。

 村木被告は大阪地検特捜部に逮捕された当初から容疑を否認し、一貫して無実を訴えていた。判決は証拠とかけ離れた検察の主張をことごとく退け、「村木被告が偽証明書を作成した事実は認められない」と指摘した。

 検察は、ずさんな捜査を深く反省すべきだし、村木被告の復職をさまたげるような控訴はすべきでない。

 偽証明書は、村木被告が障害保健福祉部の企画課長の時、障害者団体として実態がない「凛(りん)の会」に発行された。企画課長の公印が押されており、村木被告の容疑は、部下だった係長に偽造を指示したというものだった。

 係長は捜査段階で容疑を認めたが、公判では村木被告の指示を否定した。取り調べで係長は、偽造は自分の判断だと訴えたが、検事は取り合わなかった。参考人だった厚労省職員らも公判で強引な取り調べの実態を証言した。

 大阪地裁は係長らの調書を信用せず、証拠として採用しなかった。検察側の立証の柱はもはや失われていた。

 特捜部が描いた構図は、「凛の会」会長が民主党の国会議員に口添えを依頼し、厚労省では「議員案件」として扱われていた、というものだ。

 だが、議員会館で口添えを頼んだという当日、その議員はゴルフ場にいたことが公判で明らかになった。特捜部はそんな裏付けすら怠っていた。

 検察の捜査をめぐっては、東京地検特捜部が1993年に摘発したゼネコン汚職で、検事が参考人に暴行を加えて起訴されるという不祥事が起きた。その後も、特捜部に摘発された被告らが「意に反した調書をとられた」と公判で訴えるケースは少なくない。

 特捜検察に対する国民の信頼が揺らいでいるということを、検察当局者は真摯(しんし)に受け止めるべきだ。

 特捜検察はかつてロッキード事件やリクルート事件などで、自民党長期政権の暗部を摘発した。政権交代が可能になったいまでも、権力の腐敗に目を凝らす役割に変わりはない。

 冤罪史は「自白」の強要と偏重の歴史である。今回の事件もその列に加わりかねなかった。

 検察は、これを危機ととらえねばならない。弁護士や学識経験者も加えた第三者委員会をつくって検証し、取り調べの可視化などの対策を打つべきだ。それとともに報道する側も、より客観的で冷静なあり方を考えたい。 」




社説:元厚労局長無罪 検察捜査の徹底検証を



毎日jp配信記事(URL http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20100911k0000m070129000c.html  )




「大阪地検特捜部が摘発した障害者団体向けの料金割引制度を悪用した郵便不正事件で、厚生労働省の元局長、村木厚子被告に対し、大阪地裁は検察の描いた構図をことごとく否定した上で、無罪を言い渡した。検察は、捜査の問題点を徹底的に洗い直し、国民の信頼を取り戻さなければならない。

 実体のない障害者団体が、厚労省から偽の証明書の発行を受け、企業のダイレクトメールを大量発送して、郵便料金約80億円の支払いを免れたというのが事件の内容だ。検察は、国会議員が口添えした「議員案件」だったと主張し、村木元局長が部下の元係長に偽の証明書の作成を指示したとして、虚偽有印公文書作成の罪などで起訴した。

 判決は、元係長が独断で偽の証明書を作成したことを認めた上で、元局長との共謀を明確に否定した。検察が描いた「議員案件」との筋書きも退けた。

 元局長は一貫して無罪を主張し、関係者も法廷で、元局長の関与を認めた捜査段階の供述調書の内容を相次いで覆す証言を行った。

 裁判では、検察が取り調べの経過などを記したメモをすべて破棄していたことも明らかになった。メモは最高裁が「捜査上の公文書」との判断を示し、最高検も「適正な管理」を全国の高検、地検に通知していたという。調書の任意性を立証する上で、廃棄はいかにも不自然に映る。

 一方で、元係長が拘置中に取り調べ内容などを記録した「被疑者ノート」の記述は、元局長の関与を否定した法廷証言と合致した。今回の裁判は法廷で示される証拠をより重視する裁判員裁判の対象ではないが、判決は客観的証拠に基づき法廷証言の信用性を認め、検察の供述調書の大半を裏付けが不十分と退けた。

 「密室の犯罪」を扱う特捜検察では、関係者の供述を積み重ねる手法が常道とされる。ただ、捜査の過程で、自ら描いた構図と異なる供述が出ても軌道修正されにくい。今回の判決は特捜検察の捜査手法のあり方を厳しく問う結果になった。

 捜査の透明性を確保するうえで、取り調べの全過程を録音・録画する可視化の実現が急務である。千葉景子法相はコスト面などを理由に可視化の対象事件を限定して法制化する方針を示しているが、限定することが妥当なのか、幅広い論議が必要だろう。

 元局長は逮捕から5カ月以上も身柄を拘束された。起訴後も長期間にわたり拘置されたが、逃亡や証拠隠滅の恐れがあったのか疑問を抱かざるを得ない。元局長の身体的、精神的な苦痛は計り知れない。検察は控訴を断念し、元局長の一刻も早い名誉回復を図るべきだ。」




村木元局長無罪 説明せよ 検察の暴走



東京新聞 TOKYO Web配信記事(URL http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2010091102000047.html  )




「特捜の捜査がこれほど否定された判決もないだろう。厚生労働省の公文書偽造事件で村木厚子元局長に無罪が言い渡された。裁判員時代にこのずさんである。検察当局はよく調べ説明すべきだ。

 公判で大半の調書が不採用となった時、私たちは「特捜検察は猛省せよ」との見出しで捜査のずさんさを憂えた(五月二十九日)。その裁判の判決理由は「供述調書は信用性が高いといえない」「客観的証拠と符合しない」と何度も指摘し、言い換えれば丁寧に捜査の矛盾を列挙した。これが精鋭とも呼ばれる特捜が手掛けた捜査への評価だった。

 元局長の部下の元係長らの供述調書の大半は「誘導された疑いがある」と証拠採用されず、この日の無罪判決は想定はされていた。

 それにしても、裁判が明らかにした捜査の実態は恐ろしくなる。

 自称障害者団体が郵便割引制度を悪用しようと民主党の石井一参院議員に口利きを頼み、キャリア官僚の村木元局長が部下の元係長に偽の証明書を発行させた-。大阪地検特捜部のシナリオは壮大だった。しかし事実を丹念正確に積み上げていたなら、自分たちの誤りに気づいたのではないか。

 村木元局長は一貫して否認したが、取り調べは当時の上司や部下らから、時には強引に、都合のいい供述だけを集めた。村木元局長の指示を供述調書では認めたとされた元係長は「違うと言ったが、聞き入れてもらえなかった」と、弁護士差し入れの被疑者ノートに書きとめていた。

 元係長のフロッピーディスクに実際に残っていた偽証明書の作成日は、「指示された日」より前だった。これらは裏付け捜査で容易に分かったはずだ。

 この事件は裁判員裁判の対象犯罪ではないが、もし裁判員裁判で捜査機関の出す証拠がずさんだったのなら、と考えれば怖くなってしまう。警察や検察の取り調べをすべて録音録画する全面可視化への動きは時代の要請でもある。

 特捜は、政財界の汚職や経済事件を手がけることが多い。証拠の乏しい密室の犯罪では供述を引き出すことが重要になる。しかしだから誤れば社会的影響は大きく、綿密に供述などの証拠を照合する慎重な姿勢が当然、必要になる。それを忘れては国民を裏切ることになる。

 特捜が国民の信頼を回復しようとするなら控訴よりも、なぜ暴走したのか、なぜ防げなかったのか、検証しぜひ説明すべきだ。」


村木元局長無罪 検察はずさん捜査を検証せよ(9月11日付・読売社説)

2010年09月17日 | Weblog
2010年09月11日 19時13分56秒掲載

URL http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100910-OYT1T01241.htm



「検察の完敗といえる内容だ。判決は「犯罪の証明はない」として、検察が描いた事件の構図をことごとく否定した。検察は一連の捜査を徹底検証しなければならない。

 郵便不正に絡む偽証明書発行事件で、虚偽有印公文書作成などの罪に問われた厚生労働省元局長の村木厚子被告に、大阪地裁が無罪判決を言い渡した。

 大阪地検特捜部が立証しようとしたのは、村木被告が国会議員からの口添えを背景に、自称障害者団体への偽証明書の作成を部下に指示した、という構図だった。

 捜査段階では、村木被告の上司や部下が特捜部の筋立てに沿った供述をしたが、裁判に入ると相次いで供述内容を覆した。特に、村木被告から直接指示を受けたとされた元係長は、自らの単独犯行だったと証言した。

 公判で地裁は「検事の誘導があった可能性がある」として元係長らの供述調書に信用性を認めず、証拠として採用しなかった。判決も「検察官の主張する事実の中核は客観的状況と合わず、認定できない」と断じている。

 特捜部が誤った筋立てに沿った調書を作成し、それを根拠に被告らを起訴したということだろう。思い込みに基づく、ずさん捜査と言われても仕方あるまい。

 事件捜査では、容疑事実を裏付けるため、関係者の証言や物的証拠を十分に集めた上で起訴するのが基本だ。ところが特捜部が、口添えしたと見ていた国会議員を聴取したのは、村木被告を起訴した後のことだった。

 こうした捜査方針は、上級庁である大阪高検や最高検の了承を得て決められていた。基本を欠いた地検の捜査をチェックできなかった上級庁の責任も重大だ。

 さらに特捜部は、取り調べの際に作成したメモを廃棄していた。取り調べメモについては、最高裁が「裁判手続きにおいて証拠開示の対象になる」との判断を示している。不都合な証拠を隠したとも受け取られかねない。

 検察は過去、ロッキード事件やリクルート事件など、数々の政官界汚職を摘発してきた。今回のように、裁判の過程で次々と捜査の問題点が露呈するようでは、これまで得てきた国民の信頼を損ねることになろう。

 検察には控訴する道も残されているが、今必要なのはメンツを捨てて捜査を再点検することだ。

 検察官の資質も問われよう。若手検事の指導も含め、組織全体の見直しが急務である。

(2010年9月11日01時43分 読売新聞)」


相変わらず検察=権力におもねるヌルい記事。(次の記事で他社の社説をいくつか紹介するので、読売の記者には、自分達がどれだけ権力者に対してヌルい姿勢か確認してもらいたい。)

「検察は一連の捜査を徹底検証しなければならない。」
→こんなのは、八百屋で魚の典型で、自ら検証できる能力があるなら、そもそもこんなお粗末な結果になっていない。自浄能力はないので、第三者機関に検証してもらうべき。


「大阪地検特捜部が立証しようとしたのは、村木被告が国会議員からの口添えを背景に、自称障害者団体への偽証明書の作成を部下に指示した、という構図だった。」
→ここは、石井一民主党議員を狙った国策捜査だった、と指摘するべき。

「捜査段階では、村木被告の上司や部下が特捜部の筋立てに沿った供述をしたが」
→供述なんてしてないんだって。検察官が捏造したんだって。だから無罪判決になってるんでしょ。

「思い込みに基づく、ずさん捜査と言われても仕方あるまい。」
→違うんだって。特定の国会議員の抹殺を狙った国策捜査だったんだって。


「捜査方針は、上級庁である大阪高検や最高検の了承を得て決められていた。基本を欠いた地検の捜査をチェックできなかった上級庁の責任も重大だ。」
→検証能力が上から下まで全然ないってことが、このことから明らかじゃない。

「特捜部は、取り調べの際に作成したメモを廃棄していた。取り調べメモについては、最高裁が「裁判手続きにおいて証拠開示の対象になる」との判断を示している。不都合な証拠を隠したとも受け取られかねない。」
→これも大問題で、公文書毀棄という犯罪行為。そもそも、検察側手持ち証拠の全面開示が法律で義務付けられていないことがおかしい。だから検察は、いつも自分の都合のいい証拠しか出してこない。国会議員は、ただちに、検察側手持ち証拠の全面開示を義務付ける法改正をするべき。(それでも隠しそうだけどね、検察は。)

「これまで得てきた国民の信頼」
→こんなものは、マスコミが勝手に作り上げた虚構以外の何物でもない。そもそも、取り調べで何をしているかわからない検察官の何を信頼しろって言うの?まずは、可視化して、検察官が実際に何をしているのか見せてみなよ。信頼できるかどうかはそれからの話だよ。
読売は、事ここに至っても、捜査の可視化を求めないんだよなあ。不思議でしょうがない。どんな不都合があるの?

「今必要なのはメンツを捨てて捜査を再点検することだ。検察官の資質も問われよう。若手検事の指導も含め、組織全体の見直しが急務である。」
→そんな生温いことじゃなくて、検察からは、捜査権限、起訴権限を剥奪すればいいんだよ。おかしな捜査で人権侵害するくらいなら、公判追行だけしてればいい。

厚労省・村木元局長に無罪判決…郵便不正

2010年09月17日 | Weblog
2010年09月11日 18時04分52秒掲載

URL http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100910-OYT1T00634.htm



「郵便不正に絡む偽の障害者団体証明書発行事件で、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚生労働省元局長・村木厚子被告(54)(起訴休職中)の判決が10日、大阪地裁であった。

 横田信之裁判長は、証明書発行が国会議員の口利きによる「議員案件」だったとする検察側の構図を全面的に否定し、「元係長が、村木被告の指示で証明書を作成した事実は認められない」と述べ、無罪(求刑・懲役1年6月)を言い渡した。

 長妻厚労相は、判決が確定した場合、村木被告を職場復帰させることを明言。検察側は控訴断念も含めて検討を始めた。

 村木被告は2004年6月上旬、元係長・上村(かみむら)勉被告(41)(公判中)に指示し、障害者団体の実体がない「凛(りん)の会」に障害者団体と認める証明書を発行した、として昨年7月に起訴された。

 検察側は事件の発端を凛の会元会長・倉沢邦夫被告(74)(一部無罪、検察控訴)から依頼を受けた民主党の石井一参院議員(76)が厚労省の当時の塩田幸雄・障害保健福祉部長(59)に口利きした「議員案件だった」とした。

 判決で、横田裁判長は、凛の会側から口利きを依頼されたとされる日に、石井議員が千葉県内でゴルフをしていたことなどを指摘。塩田部長の捜査段階の供述の信用性も否定し、「『議員案件』につながる事実は認定できない」と述べた。

 また、横田裁判長は「独断で発行した」という上村被告の証言について、「一人で抱え込むという上村被告の性格を考えると、必ずしも不自然とはいえない」とし、村木被告の指示があったとする検察側の主張を否定した。

 「倉沢被告が厚労省内で村木被告から直接、証明書を受け取った」とする検察側の主張も退け、厚労省近くの喫茶店で凛の会元会員・河野克史(ただし)被告(69)(有罪、控訴中)に渡したという上村被告の証言は「自然で合理的」と判断した。

 村木被告は一貫して無罪を主張。公判で横田裁判長は5月、「取り調べに誘導があった」などと、主要な供述調書の証拠請求を却下していた。

 大阪地検の大島忠郁(ただふみ)・次席検事は、「判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とのコメントを出した。

(2010年9月10日21時11分 読売新聞)」


「もうこれ以上、私の時間を奪わないで欲しい」


URL http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100910-OYT1T00842.htm  


「郵便不正をめぐる厚生労働省の偽証明書発行事件で、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚労省元局長・村木厚子被告(54)(起訴休職中)が10日、大阪地裁で無罪の判決を言い渡されたことを受けて公判後に記者会見を開いた。
 村木被告は「こういう結果が出ると信じてやってきた。その通りの結果が出てうれしい。いろんな人に支えられて今日の日が迎えられて本当にうれしい」と話した。
 今後のことを尋ねられた村木被告は「もう一度元に居た場所に戻りたい気持ちを持っている」と述べた。家族のことに質問が及ぶと、「ちょっとだけ会った。娘が肩をもんでくれました」と表情を和らげた。

 一方、検察側に対しては「もうこれ以上、私の時間を奪わないで欲しい」と述べ、控訴しないよう訴えた。

          ◇

 村木厚子・厚生労働省元局長が判決後開いた記者会見での主なやり取りは以下の通り。
――判決の感想は。
「こういう結果が出るのを信じてやってきた。色々な人に支えられてきょうが迎えられて、本当に感謝している」
――無罪を言い渡されたときの気持ちは。
「心臓が1回非常に大きな鼓動を打った。うれしかった」
――主文言い渡しの後、表情が硬かったが。
「結論は信じていたが、どういう理由を裁判官が述べるかが聞きたかったので、緊張が解けなかった」
――家族と話をしたか。
「少しだけ会った。特に言葉は交わしていないが、娘がちょっとだけ肩をもんでくれた」
――職場復帰についての思いは。
「もう1度、もといた場所に戻りたい」
――判決の中で、無罪の理由は聞けたか。
「客観的な事実が大事だ、と何度も言ってくれた。組織的な犯罪だったのか、1人がこっそりやったのか、検察のストーリーは混乱していたと思う」
――捜査に対する思いは。
「当初、検察が考えていたのとは違う事実がたくさん明らかになった。もうちょっと丁寧に捜査して欲しかった。きちんとした捜査を行う検察であって欲しい」
――控訴の可能性が残されているが。
「公判で明らかになった色々な事実を、検察が率直に受け止めて欲しい。これ以上、私の時間を奪わないで欲しいなと思う」
――改めて検察組織に言いたいことは。
「私も公務員だが、組織で何かあったときに、どうすれば改善できるかというのは自分で検証するしかないと思う」
――時間を奪われて悔しいという思いは。
「50歳代は公務員にとって仕上げの時期なので悔しさもあるが、過ぎてしまったことは仕方がない」
――メディアへの思いは。
「検察からたくさん情報が流れる中で、それ以外に何を書いたのか、考えてもらえたらうれしい」

(2010年9月10日20時17分 読売新聞)」


唇かむ大阪地検検事「何もコメントできない」


URL http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100910-OYT1T01069.htm  


「予想された結果だったとはいえ、大阪地検幹部らは捜査を否定する無罪判決に悔しさを隠せなかった。
 
同地検の大島忠郁次席検事は8日の定例記者会見で、「主要な供述調書の証拠請求が却下されたものの、有罪を導くだけの証拠も採用されている」と語っていた。しかし、この日の判決はその望みを完全に打ち砕いた。
 判決後、同地検では小林敬検事正ら幹部が内容を精査。検事正室の明かりは、退庁時間を過ぎてもともり続けた。途中で一度退室した小林検事正は報道陣に対し、「何もコメントできない。控訴については判決文を読んで検討したい」と硬い表情で話した。

 捜査に携わった検事は「階段を上るような捜査の過程で村木被告が浮かんだ。取り調べが不当とは思わないが、裁判所に否定された以上、捜査に甘い点があったのか……」と唇をかんだ。ある検察幹部は「無罪は予想されたが、主張が全面的に否定されたことは残念」と顔をしかめた。

(2010年9月10日22時49分 読売新聞)」

郵便不正、村木元厚労相局長に無罪判決…検察の構図を全否定


URL http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20100911-OYO1T00240.htm  


「郵便不正に絡む偽の障害者団体証明書発行事件で、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚生労働省の村木厚子・元局長(54)(起訴休職)の判決が10日、大阪地裁であった。横田信之裁判長は、証明書発行が国会議員の口利きによる「議員案件」だったとする検察側の構図を全面的に否定し、「元係長が、村木元局長の指示で証明書を作成した事実は認められない」と述べ、無罪(求刑・懲役1年6月)を言い渡した。
 判決骨子

 ▽村木被告が上村被告に証明書作成を指示した事実は認められない

 ▽倉沢被告が村木被告から直接、証明書を受け取った事実は認められない

 ▽本件が石井一参院議員がらみの「議員案件」だったとは認められない



検察、控訴断念も検討



 判決が確定すれば、長妻厚労相は村木被告を職場復帰させることを明言。検察側は控訴断念も含めて検討を始めた。

 村木被告は2004年6月上旬、元係長・上村(かみむら)勉被告(41)(公判中)に指示し、障害者団体の実体がない「凛(りん)の会」に障害者団体と認める証明書を発行した、として昨年7月に起訴された。

 検察側は事件の発端を凛の会元会長・倉沢邦夫被告(74)(一部無罪、検察控訴)から依頼を受けた民主党の石井一参院議員(76)が厚労省の当時の塩田幸雄・障害保健福祉部長(59)に口利きした「議員案件だった」とした。

 判決で、横田裁判長は、凛の会側から口利きを依頼されたとされる日に、石井議員が千葉県内でゴルフをしていたことなどを指摘。塩田部長の捜査段階の供述の信用性も否定し、「『議員案件』につながる事実は認定できない」と述べた。また、横田裁判長は「独断で発行した」という上村被告の証言について、「一人で抱え込むという上村被告の性格を考えると、必ずしも不自然とはいえない」とし、村木被告の指示があったとする検察側の主張を否定した。

 「倉沢被告が厚労省内で村木被告から直接、証明書を受け取った」とする検察側の主張も退け、厚労省近くの喫茶店で凛の会元会員・河野克史(ただし)被告(69)(有罪、控訴中)に渡したという上村被告の証言は「自然で合理的」と判断した。

 村木被告は逮捕から一貫して無罪を主張。公判では、上村被告や当時の上司や部下らが、相次いで村木被告の関与を認めた捜査段階の供述を否定した。横田裁判長は5月、「取り調べに誘導があった」などと、主要な供述調書の証拠請求を却下していた。

 大阪地検の大島忠郁(ただふみ)・次席検事の話「判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」



「もといた場所に戻りたい」元局長



 村木元局長は閉廷後、大阪司法記者クラブで記者会見。「本当にうれしい」と無罪を手放しで喜び、「もう一度、もといた場所に戻りたい」と職場復帰の意欲を強調した。

 判決については、「(裁判長から)客観的な事実が大切なんだ、と何度も言っていただけた」と満足した様子。一方、検察に対しては「丁寧に捜査してほしかった。公判で明らかになった事実を率直に受け止めてほしい」と注文をつけた。

(2010年9月11日 読売新聞)」

村木元局長無罪、信じ耐えて「潔白」…逮捕1年3か月


URL http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20100911-OYO1T00395.htm  


「「これ以上、私の時間を奪わないでほしい」。郵便不正をめぐる厚生労働省の偽証明書発行事件で10日、無罪判決を受けた村木厚子元局長(54)(起訴休職中)は、夫と子供、支援者らが見守る法廷で、「潔白」へと導く裁判長の言葉をじっとかみしめた。逮捕から1年3か月。閉廷後、村木元局長は長かった捜査、公判を振り返り、「こういう結果が出るのを信じてやってきた」と安堵(あんど)の表情を見せる一方で、検察に控訴断念を求めた。


◇「検察、自ら検証を」


 「被告人は無罪」。大阪地裁201号法廷。横田信之裁判長が主文を告げた瞬間、グレーのジャケットにスカート姿の村木元局長は立ったまま軽く一礼し、ホッとした表情で少し目を潤ませた。

 村木元局長は閉廷後、大阪司法記者クラブで開かれた記者会見に弘中惇一郎弁護士らとともに出席。村木元局長は「色々な人に支えられて今日を迎えられた。本当に感謝している」と笑顔で切り出した。無罪が言い渡された瞬間については「言葉に表せない。心臓が1回大きく鼓動を打った」と、喜びの大きさを表した。

 検察との闘いを支え続けた家族や支援者らには、「『信じてる』って言ってくれたことが、救いだった。絶望や孤独を味わわずに来られた」と感謝の言葉を寄せた。「(閉廷後に)娘がちょっとだけ肩をもんでくれた」といい、母親の表情で、ほおをゆるませた。

 関係者の調書が証拠採用されないなど、異例の展開だった公判。その約8か月を振り返っては、「真実を明らかにするプロセスが大変なことを実感した」と述べる一方で、「事実はわかったが、なぜ(検察の)ストーリーが出来たのか、その理由まではわからなかった」との不満も漏らした。検察に対しては、「何が無罪の原因だったのか自分で検証してほしい」と注文した。

 弘中弁護士は「自分の城である大阪に、東京から関係者を呼びつけ、密室で調書を取る手法の限界が出た」と検察の捜査手法を痛烈に批判した。

 娘2人と約4時間に及ぶ判決理由の朗読を傍聴席から見守った夫で、厚生労働省総括審議官の太郎さん(56)は、周囲の人と握手を交わし、「無実を疑ったことはなかったが、判決がどうなるかは不安だった。『よく頑張ったね』と言ってやりたい」と妻をねぎらったが、「職場復帰できなければ意味がない。検察は、メンツにこだわった控訴はしないでほしい」と話した。



支援者ら捜査に憤り、厚労相「無罪確定ならポスト」



 村木元局長の逮捕後、知人や同僚らが拘置所に面会に行くなど支援活動の輪が広がった。無罪判決を受け、支援者や厚労省内では、検察批判や村木元局長の職場復帰を望む声が相次いだ。

 自宅でテレビを見ていた堂本暁子・前千葉県知事(78)は「ずっと無実を信じていた。私と村木さんが、共に障害者自立支援法制定に向けた審議会のメンバーだった時期、地域重視の制度作りを進める村木さんの姿を見て、弱者の側に立てる人物だと感じた。そんな人だからこそ多くの人が熱心な支援活動を行った」とし、「捜査の専門家である検察が、どうしてこんな大きな間違いを犯したのか、憤りを感じる。村木さんを、いるべき場所に戻してもらいたい」と注文をつけた。

 大阪市元助役で、弁護士の大平光代さん(44)は「ホッとして涙があふれてきた。検察にとって村木さんへの唯一の謝罪は控訴を断念することだと思う。検察は判決を真摯(しんし)に受け止めて、公正な組織に生まれ変わってほしい」と語った。

 「虚構のストーリーで逮捕したのなら、あまりにずさん」。元局長の逮捕後、同僚と寄せ書きを作り、拘置中に面会もしてきた部下の女性職員は怒りを口にした。「村木さんは現場の声を大事にする姿勢を貫く人。逮捕後、女性団体など多くの人が心配する声を寄せ、人望の厚さを感じた」と涙ぐみながら振り返った。

 村木元局長は起訴休職中で、「大臣官房付」の身分。国家公務員法は起訴された公務員について、任命権者が休職とすることができると定めており、無罪確定までは復職しないのが通例だ。長妻厚労相はこの日、記者団に「(検察が控訴しなければ)復職してもらい、それなりのポストで処遇することになる」。法律上は判決確定前に大臣の判断で休職を解くこともできるが、「(確定か否かが決まった)その時の段階で協議して決めたい」と述べるにとどめた。

 上村被告「ほっとした」

 村木元局長の部下と上司だった2人は、判決を受けそれぞれコメントを出した。

 捜査段階で村木元局長の指示を受けて証明書を作成したと供述し、公判で翻した部下の元係長、上村(かみむら)勉被告(41)(公判中)は弁護人を通じ、「無実の人に無罪の判決が出て、ほっとしました。無実の人を冤罪(えんざい)に陥れようとする(検察の)取り調べに屈してしまったことを深くおわびします」とコメント。

 村木元局長の上司だった塩田幸雄・元障害保健福祉部長(59)(現・香川県小豆島町長)は「無罪判決を心から喜んでいる。村木さんが一日も早く仕事に復帰し、厚生労働行政と国民福祉の発展に貢献することを願う。検察は常に国民に信頼される組織であってほしい」とした。

 一方、厚労省に証明書発行を口利きしたとされた石井一・参院議員(76)は「私が事件の発端とされたが、事実ではないと否定されて非常にすっきりした。私も疑われて嫌な思いをしたが、村木さんはもっと苦しかったと思う。今回の判決は、検察という組織の存在そのものにも問題提起されたのではないか」と話した。

(2010年9月11日 読売新聞)」

村木元局長「心臓が1回大きく鼓動」無罪信じて


URL http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100911-OYT1T00113.htm  


「「これ以上、私の時間を奪わないでほしい」。
 郵便不正をめぐる厚生労働省の偽証明書発行事件で10日、無罪判決を受けた村木厚子元局長(54)は、夫と子供、支援者らが見守る法廷で、「潔白」へと導く裁判長の言葉をじっとかみしめた。

 逮捕から1年3か月。閉廷後、村木元局長は長かった捜査、公判を振り返り、「こういう結果が出るのを信じてやってきた」と安堵(あんど)の表情を見せる一方で、検察に控訴断念を求めた。

 「被告人は無罪」。大阪地裁201号法廷。横田信之裁判長が主文を告げた瞬間、グレーのジャケットにスカート姿の村木元局長は立ったまま軽く一礼し、ホッとした表情で少し目を潤ませた。

 村木元局長は閉廷後、大阪司法記者クラブで開かれた記者会見に弘中惇一郎弁護士らとともに出席。村木元局長は「色々な人に支えられて今日を迎えられた。本当に感謝している」と笑顔で切り出した。無罪が言い渡された瞬間については「言葉に表せない。心臓が1回大きく鼓動を打った」と、喜びの大きさを表した。

 検察との闘いを支え続けた家族や支援者らには、「『信じてる』って言ってくれたことが、救いだった。絶望や孤独を味わわずに来られた」と感謝の言葉を寄せ、「もう一度、もといた場所に戻りたい」と復職に意欲をみせた。

 関係者の調書が証拠採用されないなど、異例の展開だった公判。その約8か月を振り返っては、「真実を明らかにするプロセスが大変なことを実感した」と述べる一方で、「事実はわかったが、なぜ(検察の)ストーリーが出来たのか、その理由まではわからなかった」との不満も漏らした。検察に対しては、「何が無罪の原因だったのか自分で検証してほしい」と注文した。

 娘2人と傍聴席から見守った夫で厚労省総括審議官の太郎さん(56)は、周囲の人と握手を交わし、「無実を疑ったことはなかったが、判決がどうなるかは不安だった。『よく頑張ったね』と言ってやりたい」と妻をねぎらったが、「職場復帰できなければ意味がない。検察は、メンツにこだわった控訴はしないでほしい」と話した。

(2010年9月11日03時07分 読売新聞)」