がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

「終末期ケア」で更生を=重症受刑者に実施-医師不足や世論反発課題・医療刑務所

2013年06月22日 | Weblog
2013年06月17日 00時43分44秒

http://www.jiji.com/jc/zc?key=%b4%cb%cf%c2%a5%b1%a5%a2&k=201306/2013061600106



「末期のがんなどを患う受刑者らに対し、八王子医療刑務所(東京都)で病気による身体的苦痛やストレスを和らげる「緩和ケア」が行われている。安定した精神状態で余生を送れるようにして更生につなげる狙いがあるが、医師不足や世論の反発など、浸透には課題が多い。

 ▽後悔や反省を口に

 「亡くなっていく受刑者に何ができるのか」。昨年、受刑者49人が死亡した八王子医療刑務所では、2010年ごろから緩和ケアを行っている。限られた余命の中、いかに更生につなげるかが課題で、所内の医師や看護師らで勉強会を開き、緩和ケアに取り組んでいる。
 昨秋、肝臓がんの60代男性受刑者は海外に住む娘に電話した。けんかしていたが、会話を重ねて和解。男性はほほ笑んだような顔で亡くなった。
 膵臓(すいぞう)がんの60代女性受刑者は昨春、希望していた所内の花見に参加。おかゆしか食べられない状態だったが、その日は他の受刑者と同じ弁当を食べた。花見の様子を楽しそうに話し、8日後に死亡した。
 緩和ケアを受けた受刑者は人生について後悔や反省を口にすることもあるという。大橋秀夫所長は「人間らしい生活で初めて素直な気持ちになり、人生を振り返って終えることができるのでは。緩和ケアは矯正のひとつ」と強調する。

 ▽「尚早」と慎重意見も

 医療刑務所は全国に四つあるが、緩和ケアを取り入れているのは八王子医療刑務所だけだ。
 法務省によると、刑務所などの医師の給与は低く、民間の半分から3分の1程度とも言われる。医師が十分に集まらず、慢性的な人材不足が続き、緩和ケアを普及させる余裕はないという。
 受刑者へのケアには、世論の反発も予想される。八王子医療刑務所が緩和ケアを導入する前、職員を対象に行ったアンケートでも「時期尚早だ」など慎重意見があった。
 法務省矯正局の中田昌伸補佐官も「『受刑者にそこまでしなくても』という声があると思う」と懸念を示す。一方、「自分の罪を悔い改めて死を迎えることは、矯正処遇として効果がある」と、取り組みを評価する。(2013/06/16-15:40)」



まず、所内で緩和ケアに取り組んでいる医師及び看護師に敬意を表したい。



そのうえで、刑務所などの医師の給与が低く、民間の半分から3分の1程度となっている現状を放置している法務省に猛省を促したい。等しく医師である以上、刑務所等に限って民間の3分の1程度の給与では、医師が集まるはずがない。集める気がないと言っていい。



ではなぜ集める気がないのか。記事中にもある通り、世論におもねる日和った精神性にその根っこはある。



言うまでもないが、受刑者は、裁判所によって言い渡された刑に服する義務がある。しかし、受刑者だという理由で医療行為を受けてはならないという理由はない。末期がんになれば、その病状に見合った医療が受けられて然るべきである。



受刑者に緩和ケアを行うと言えば、末期がんの痛みや苦しみを知らない「世論」なるものが反発をするかもしれない。しかし、そんな実態も知らない、実態もないような「世論」におもねることなく、法務省として、どうして緩和ケアが必要なのか、緩和ケアを行わない場合の苦しみ・辛さがどれほどのものなのかを積極的に周知していけばいい。裁判員制度を無理やり導入した時の何万分の一かの労力で済むだろう。



繰り返しになるが、受刑者が服する義務のあるのは、裁判所によって宣告された刑だけである。末期がんの苦痛も受忍しなければならない義務は全くない。

2 コメント

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被害者遺族の思い (k_em2005)
2013-08-04 20:00:17
>受刑者が服する義務のあるのは、裁判所によって宣告された刑だけである。末期がんの苦痛も受忍しなければならない義務は全くない。

確かにそのとおりです。しかし、加害者の理不尽な行為により亡くなった被害者の苦痛を考えれば、被害者の遺族としては割り切れないだろうと思います。

末期がんの苦痛は刑として宣告されてはいないとしても、遺族としてはそれも必然性のある刑としてその苦痛を味わえと言いたいところではないでしょうかね。
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k_em2005さんへ (当ブログ管理人)
2013-08-05 00:54:20
遺族は、加害者がどんなに酷い目にあったとしても割り切れないでしょう。
また、末期がんの苦痛を味わえとも言いたいでしょう。
感情的には、もっともだと思います。

しかし、我が国が法治国家である以上、法と道徳は峻別するべきとの立場に私は立ちますし、それが正しいとも考えています。
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