湯の字にっき

日々の日記をつらつらと綴っております

生、賢治島。

2011-06-11 | 畑中さんのこと。
金曜日、ようやく待ちに待った賢治島探検記を観られた。
うれしい。
しかも久々に前方のセンター席。
この日しか注文~は観られないので畑中さん集中で見て見て見て見まくってきた。

会場に入ってすぐ、舞台にかかる幕を見て意外に小さい気がした。
生身の人の前説はやっぱりいいなぁ。
開演前の音楽がザバダックなのも嬉しい。

そして、いきなり座ってるすぐ後ろから坂口さんの台詞。
不意打ちだったので、ものっすごいびっくりした。
今回の賢治島は客席通路を結構通る。
畑中さんは始まってしばらくしてから、
大荷物ですみませんと謝りながら下手通路を通ってやってくる。

どんぐりと、つぼと、てぬぐいと、りんご。
「ありえます」の言い方も、懐かしいなぁ。

「注文の厳しい料理店」(『注文の多い料理店』より)
畑中さんは猟師の一人。前回だんにゃぁの方だったけどね。
犬の名前、ダニエル、ピートにスコッチのダボー。夏への扉ネタでどっとわらい。
注文どおりに、コートを脱いでシャツを脱いで腕立てをしてさらに腕立てをして
塩を塗って粉を塗り付けて…、自分たちの結末に気付いた二人が
おろおろとおののきながら舞台中央の扉を見て、台詞を言う。
その畑中さんの背中にうっすらと浮いた汗を、
肉眼で確認できる距離で見られると思いませんでした。
やー。きれいなラインでしたな。無駄なもんついてない感じ。
筒井君の体形だと裸でもかわいいったら。あれ筋肉なのかなぁホントに。
腹筋のときのまるまったさと、足のばたばた加減がなんともいえずかわいい。
風がどうっと、を生で聞けたよ。
この時、少し怖い森の中の雰囲気を表すような表情をしているのが好きなのだ。
幕間に粉の着いた顔を互いにタオルで拭きあう畑中さんと筒井さんの姿がかわいい。

リコーダー演奏。
畑中さんと筒井さんはバスローブ姿のままで。

「ゴーシュ弾かれのセロ」(『セロ弾きのゴーシュ』より)
印度の虎狩り、畑中さん達ボーイズのダンサーズはサングラスつけて登場でしたか。
カッコウの石川さん。あの姿形、声の年々不祥さはすごい。何者なんだ。
昨日は退場時にちょっと目測を誤ってセットにぶつかりかけて帰っていったなあ。
大内さんのゴーシュが窓を蹴る時、筒井君が一瞬だれ?の役で登場。
たぬきの子。林貴ちゃん。かわいかったなぁ。
今までの彼女の役の中で一番好きかも。
怒りっぽかったりするような役より妙なテンポの方がいいのかな。
夏扉のロボットもよかったし。
畑中さんは母ねずみ。筒井君とのコンビもそのまま。
筒井君を膝枕して、恨み節っぽい脅迫まがいの言い方が素敵。
元気になれ~の歌のところ、今度はガールズがコーラス隊で登場。
これのラストの方の、賢治の表現がすごいなぁ思うのだ。
火事にあったようなとか。いろいろ。もろもろ。

客席参加で「風の転校生」
畑中さんは後ろの後ろの方まで走っていってしまった。
それにしても太鼓(ごみ箱)をタタキながら、ステップ踏んで廻って
よく動くなぁ。歌えるなぁ。肺活量がすごいの?

ハンドベル演奏。これは、ちょっと席近すぎたかも。
光の動きで観たいなら少し後方の方がいいかな。
でも畑中さんがどこにいるかみられて良かったけど。

「光速銀河鉄道の夜」(『銀河鉄道の夜』より)
ジョバンニ! 畑中さん!!
でもねぇ。これカムパネルラがじっきーだとちっさくて可愛いもんだから
なんつーか、初恋ちっくすぎて。ちょっと残念。
それはチラ見せ程度希望なのでな。
だからたぶん初演の菅野さんとえりーのパランスが好きなのかも。
まぁ、それも最初にちょっと気になったくらいで走り出す頃には子供二人に見えたから
あとザネリが今までで一番いい人っぽかった。小笠原君。扱いに困るザネリだったね。
プリシオシン海岸の採掘現場でもね
やさしいセロのような声の坂口さん。ほんとうの神様ってどんな神様だろう。
この場面のこの台詞の神様。いつかわかる日がくるんだろうか、水のように。
映像だとジョバンニ一人大写しになってるところ、舞台だと廻りをみんながぐるりと囲んでて
子供を見守る大人たちの視線のようで好き。
どうしてもどうしても。ジョバンニの胸いっぱいな気持ちに押されてこの話は泣けてしまう。
マゼラン星雲に望むあたりから、カムパネルラのお父さんと対峙するジョバンニくらいで。
声を出せず牛乳瓶を抱えて丸めた背中。走り去る後ろ姿。振り向いた時の表情。
走りましたという二人の顔。
全部全部、覚えておきたいなぁ。

この後のやりとりでは坂口教授の宮澤先生に対するまっすぐな気持ちが
見ているこちらの顔を上げさせる。笑顔になれる。
風が吹いてくるような光が抜き去る心地の良いラスト。
やっぱり好きだなあ。
緊急公演でなく普通にやってほしいというのが本音だけど。
また観られることが出来て本当によかった。

この後のアフタートークでも震災後の舞台に立てるヨロコピとか語られてましたが。
こちらも舞台を観に行く喜びをかみしめてました。
こんな当たり前に思っていたことが、すごく貴重な日々だったのだなということ。
ゲストは栗根さん。緑色あざやかな服。
お迎えする劇団員は坂口さんひらひらベストと、温井さん黒のワンピース。
まずは栗根さんがキャラメルに客演した話から。
最初は新幹線でやった芝居の時の悪者だったらしいですね。
そして2000年の「ミラージュ」この時温井さんは入団したばかりで
初めてスタッフとしてついた舞台がこのミラージュだったそうですが
粟根さんが帽子にいろいろ仕込んでいて、みんなの笑いをとりつつ自分も笑って台詞を言えなくなった話。
そして、それを見た温井さんはこんな風にしてベテランの人は楽しむものなんだと思ったことなど。
その後が温井さん主演の「まっさをな」それから賢治島にもたぬきの子コーナーでゲスト出演した話。
で、その温井さん。震災の日、渋谷から自宅まで五時間くらいかけて歩いて帰ったそうだ。(私の倍だな)
というか五時間で帰れたという感じだったので、これは行けるんじゃないかと思い今は自転車通勤してるとか。
自転車で2時間くらいとか。おかげで飲みに行ってもウーロン茶しか飲めないとか。
役者さんの体力ってすごい。だって行きはともかく帰りって舞台で演じた後でしょう。すごいわ。

あと、めも。
銀河鉄道が始まってすぐ、
畑中さんの、左の靴ひもがほどけてるの気付いてしばらくひやひやしてしまった。
走るたび、足を見てしまって。転んでしまわないか。
なかなか直せなくて。船が落ちておぼれた人達が乗り込んできた時にようやく直せてた。

注文の時の白い粉だらけで「元に戻りませんでした」の時に振り向くぶーな顔。
振り向く前にほっぺをぎゅうとやってる後ろ姿が好きかも。
注文は他にも筒井君とのやりとりが全部好きだわ。
あとじっきーと森めぐみちゃんが客席におしりを向けて正座のままおじぎするとこ。
微妙にツボです。

銀河鉄道のサギのお菓子。じっきーはポケットにすぐしまうの見てたんだけど
畑中さんはしばらく手にしていて、いつどこでしまったのか見損ねた。
たぶんかばんだとは思うけど。ハトサブレ。


追加メモ
「注文」で感じた違和感、そういうことだったか…
ぱんつー。
すごいパンツはいてるねって言う
畑中さんの方がすごいんじゃないかいって思ったのは間違いじゃなかったんだわ。