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製作地 インド南東部 コロマンデル海岸エリア マスリパタム
製作年代(推定) 18世紀~19世紀初め
渡来地・使用地 ペルシャ(イラン)
素材/技法 木綿、天然染料 / 木版捺染、媒染(茜)、描き染め(藍)、片面染め
サイズ 横幅:45cm、縦:68cm
本布は極めて繊細に紡がれ密に織り上げられた、取り分け上手な平滑木綿地をベースに、木版捺染の技法により”ボテ(ペイズリー)”の大小連続文様が表わされたもの、背景の地は明礬が塗られ茜浸染(媒染)により濃厚な色味の”紅赤”に染め上げられ、文様の線描きには鉄漿が塗られ焦げ茶に発色、瑞々しい色味の空色(藍)は描き染めの手法で色づけされたものとなります。
また周囲のボーダー文様はカラムカリ(手描き)で線描きされ、茜と藍にプラスして茶染料が加えられており、木版捺染とカラムカリが併用された手の込んだ作品であることが確認されます。
この素材及び意匠様式の布は、主にペルシャの宮廷・貴族向けにコロマンデル地方マスリパタムで製作されたことが知られており、本布はサイズ及びデザインから、風呂敷・袱紗を使用目的とする”ボクチェ”として手掛けられペルシャで使用されたものと推察されます。
茜赤の濃厚・濃密な色味、その中に繊細かつリズミカルに染め表わされた”ボテ文様”、色柄の完成美と格調の高さに目と心を奪われる一枚です。
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