アジアの手仕事~生活と祈り~

アジア手工藝品店を営む店主が諸国で出逢った、愛すべき”ヒト・モノ・コト”を写真を中心に綴らせていただきます

脚半(足布)を留め飾るための帯紐

2012-08-22 05:01:00 | 技巧・意匠・素材






製作地 中国・貴州省 黄平県  
製作年代(推定) 20世紀半ば~後半
民族名 イ革家(ゲイジャー)  
素材 絹

多色の絹糸を経糸に配して、綜絖と手指を駆使して細密な文様を織り上げる“経紋織”技法の帯紐。2cm程度の織り幅内に縞と浮紋が精緻に織り込まれた可憐な作品です。

古い時代は、脚半を結び留めるための帯紐の製作にも多大な手間隙が掛けられていましたが、現代では既成品の紐が用いられることが多くなりました。下写真のベトナム・黒モン族が脚半に巻いた紐は既製品となります。





(写真 ベトナム・ラオカイ省にて) 黒モン族




●本記事内容に関する参考(推奨)文献
 

黄平ミャオ族の赤ちゃん負ぶい布

2012-08-18 05:20:00 | 技巧・意匠・素材






製作地 中国・貴州省 黄平県  
製作年代(推定) 20世紀半ば~後半
民族名・支族 苗(ミャオ)族 黄平

黄平ミャオ族は、紋織と刺繍を駆使して描き上げる幾何学文や小紋の意匠表現に民族衣装の特徴が見られ、一見するとミシンと見紛うほどの精緻な刺繍で彩られた衣装や赤ちゃん負ぶい布は、他に類の無い独自の表情と様式美を薫らせるものとなります。

子供の健やかな成長を願いつつ、愛情の手で一織り一刺しされた赤ちゃん負ぶい布ならでは華やぎと瑞々しい生命感が、作品全体から薫ってまいります。












●本記事内容に関する参考(推奨)文献