アジアの手仕事~生活と祈り~

アジア手工藝品店を営む店主が諸国で出逢った、愛すべき”ヒト・モノ・コト”を写真を中心に綴らせていただきます

バガンの馬毛胎漆器

2013-11-22 05:13:00 | 技巧・意匠・素材






(写真 ミャンマー・マンダレー地方域 バガン近郊の村にて)


●漆を塗って仕上げる前の製作途中の馬毛胎漆器



●馬毛胎漆器の完成品



この“馬毛胎漆器”は、極薄に削った竹ひごを経に、馬の毛を緯に緻密に編み込んで漆器の素地とするもので、漆を塗ったあとの完成品は軽量で力を掛けると柔軟にたわむほどの柔らかさですが、それゆえ力を吸収し壊れにくいという独自の特性を有するものとなります。

乾燥後も柔軟性・弾性を保持し続けるビルマ漆の性質を巧く利用したもので、乾燥後は硬化する漆での製作は馴染みません。ビルマ固有の素材遣い・技巧の伝統漆器と位置付けられます。





●本記事内容に関する参考(推奨)文献