製作地 インド・ラージャスタン州 マルワール地方
製作年代(推定) 20世紀前期
素材/技法 木綿(木綿モスリン)、染料 / 巻き絞り染め(対角格子絞り) ラハリア(モトゥラ)
細手の木綿糸で薄く織り上げられた上質な“木綿モスリン”をベースに、長さ15~20mにも達する(本品は約16m)一枚布を、端から端まで斜め方向に螺旋状に巻き、文様の防染する部分を蝋引きの糸で絞り、染料に浸染する方法で色染めが行われた”ラハリア(モトゥラ)”技巧のターバン。
染めの色数と柄変化に従い、巻き・絞り・染めの工程を何度も繰り返すものであり、本作品のようなマルチカラーの精緻な文様を染め出すためには、熟練した高度な職人技と膨大な手間隙を要するものとなります。
素材面・技巧面を併せて、今では失われし表情のものであり、タール砂漠の厳しい気候風土とマルワーリーの美的感性が育んだ、古き良きインド染織及び職人手仕事の逸品です。