アジアの手仕事~生活と祈り~

アジア手工藝品店を営む店主が諸国で出逢った、愛すべき”ヒト・モノ・コト”を写真を中心に綴らせていただきます

タイ・モイ族の盛装用衣装

2011-11-29 06:42:00 | 民族衣装





製作地 ラオス・フアパン県  
製作年代(推定) 20世紀半ば~後半
民族名 タイ・モイ族

絹縫取織の頭布”パー・カーン”、絹地ブラウス”スア・マイ”、メダリオン紋様のスカート”シン・ボーク”、タイ・モイ族の盛装用の衣装です。

紫のシルク地が刺繍と縫取織で華やかさに装飾される短丈のブラウス”スア・マイ”は、タイ・モイ族固有のデザイン様式のものですが、女性が着用するのみでなく、宗教儀式の際に男性のシャーマンが用いることが知られております。

祈りの意匠(安南銭と槃瓠刺繍)

2011-11-27 06:51:00 | 技巧・意匠・素材





製作地 ベトナム・ホアビン省  
製作年代(推定) 20世紀後半
民族名 コイン・ザオ族












様々な元号の安南銭は先祖から伝えられ、一つ一つ加えられてきた”お守り”であり、犬モチーフの刺繍は槃瓠神話(犬祖伝説)に基づく民族の”紋章”となります。

一織り一織り・一刺し一刺し・コインの一つ一つから祈りの遍在が伝わる民族衣装です。

ベトナム北部 パーテン族の民族衣装

2011-11-24 12:33:00 | 民族衣装





製作地 ベトナム・ハーザン省  
製作年代(推定) 20世紀後半
民族名 パーテン族(Pa Then)








”パーテン族”はミャオ・ヤオ(モン・ザオ)語族に属する民族で、ベトナム北部の地に僅か3千~4千人程度が生活する極少の少数民族となります。

民族衣装は赤と黒を基調色に、精緻な緯紋織と縫取織及び刺繍で彩られた布々がアップリケやパッチワークとして嵌めこまれる点に特徴があり、後身ごろの長い上着と巻スカートの取り合わせには独自の様式美、そして可憐さが感じられます。

人口が少ないこともあり、なかなか目にする機会の限られる、知られざる民族衣装の一つです。





※上画像はベトナム民族学博物館刊資料より転載いたしております