アジアの手仕事~生活と祈り~

アジア手工藝品店を営む店主が諸国で出逢った、愛すべき”ヒト・モノ・コト”を写真を中心に綴らせていただきます

幸運の使い”ふくろう”の真鍮製香炉

2015-02-12 07:00:00 | 生活と祈りの意匠



製作地 インド・オリッサ州(或いはマディヤプラデッシュ州・ビハール州)
製作年代(推定) 20世紀前期

”ふくろう”は、ヒンドゥの最高神の一人”ヴィシュヌ”の妻であり、美と幸運を司る女神”ラクシュミー”の乗り物、インドでは古来より幸運をもたらす鳥として様々な工芸品の意匠とされ人々に愛好されてきました。

本品は蓋部と器部からなる真鍮製の香炉で、この地方の金属鋳造職人”ドクラ(dokra)”が“脱蝋法(ロスト・ワックス法)”をベースに一部鑞付けや彫金を加えて手掛けた種類のものとなります。

信仰に纏わる調度品(香炉)として作られたアンティーク作品、伝統手仕事の造形の完成美、そして祈りのものゆえの瑞々しく息づく精神性に惹き込まれます。