アジアの手仕事~生活と祈り~

アジア手工藝品店を営む店主が諸国で出逢った、愛すべき”ヒト・モノ・コト”を写真を中心に綴らせていただきます

世界の主”ジャガンナータ神”布絵

2013-02-28 05:41:00 | 仏神像






製作地 インド・オリッサ州 プリー  
製作年代(推定) 20世紀初頭
素材 布、顔料

ジャガンナータ(三神)は、この土地(世界)を守り・豊穣を約束する神様として古代から崇められてきた”樹木神”に、後世ヒンドゥ教の神々が混交したものと伝わります。

篤き信仰とともに世襲職人が一枚一枚を描く”ジャガンナータ布絵”は、インド各地から何十日・何ヶ月を掛けて(お伊勢参りのように)この地を訪れた信者にとって、巡礼の証として、大切なお守りとして持ち帰られました。

残念ながら、現在では信仰の空気感を纏った布絵製作の伝統は失われしものとなりました。






●本記事内容に関する参考(推奨)文献


山のウール絞り、砂漠のウール絞り

2013-02-25 05:37:00 | 技巧・意匠・素材








製作地 インド・ジャンムー&カシュミール州 ザンスカール  
製作年代(推定) 20世紀前期~半ば
民族名 チベット系民族  
素材/技法 ウール(ヤク毛) / 綾織、絞り染め









製作地 インド・グジャラート州 カッチ地方  
製作年代(推定) 20世紀半ば~後半
民族名 ラバリ族  
素材/技法 ウール(羊毛)、木綿(紋織) / 絞り染め、紋織

寒季の気温が氷点下20℃近くになる高地ザンスカール、暑季の気温が40℃を超えるカッチ地方~タール砂漠エリア、気候の大きく異なる土地で作られたウール絞りの衣装作品です。

どちらも自身が育てるヤクと羊から得た毛が素材になっており、紡ぎ・織り・染め・接ぎのすべてが手仕事で行われていた時代の所産となります。






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