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製作地 日本 京都
製作年代(推定) 17-18世紀 江戸時代初中期
素材/技法 絹、天然染料、天然顔料 / 搦み織、経浮文、絞り染め ※和紙裏打ち
サイズ 幅(緯)29.5cm、長さ(経)53.5cm
搦み織に経浮を加え”入子菱文”を織り表した巧緻な織物に、複数の技法を交えた絞り染めにより多彩な花模様を染め描いた、一見して並ならざる高貴な風情が伝わる着物裂。
残存する同種作例(比較資料)が身近に見当たらないため判然としない事柄も多く、製作年代についても絞り込みが難しいところですが、素材・技法・意匠・裂の出自等を総合して、江戸中期を下ることはないものと思われます。
織り密度の粗い搦み織は堅牢度が低くその分絹糸の劣化も進むため、長い年月を経過しながらここまで状態を保っているのは極稀なことであり、製作当初の所有者のもとで大切に扱われ、打敷等として寺院に奉納された後もしっかりと保存継承され、そののち茶人・数寄者に類する者が軸装のために裏打ちを施したものと推察されます。
花を彩る”紫紺・黄丹・花浅葱”の色合いは何とも瑞々しく雅やかで、数百年の時を越えて生命が息づいている様子を確認できます。
彼の時代に想いを巡らせ鑑賞を愉しむことに尽きせぬ魅力が感じられる一枚です。
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(光学顕微鏡による画像)
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