アジアの手仕事~生活と祈り~

アジア手工藝品店を営む店主が諸国で出逢った、愛すべき”ヒト・モノ・コト”を写真を中心に綴らせていただきます

美しき道具 ミニアチュール漆器

2010-07-31 06:48:00 | 生活と祈りの道具



製作地 ミャンマー・バガン  
製作年代(推定) 20世紀前期~半ば

通常の大きな漆器のデザインそのままに、高さ数cmの小サイズで手掛けられた、ミャンマー・バガンの仏教供物用”ミニアチュール漆器”。

この”ミニアチュール漆器”は、決しておもちゃのような扱いのものではなく、仏教信仰のお供え道具として、熟練した職人が祈りを込めて手掛ける実用の品モノとなります。

木胎或いは籃胎の成形から始まり、大きな漆器と変わらぬ繊細な手仕事が加えられるものであり、”信仰のモノ”としての精神性が小さな作品のうちに凝縮されます。

美しき道具 ”獅子”の薬箱

2010-07-21 06:25:00 | 生活と祈りの道具













製作地 ミャンマー・シャン州  
製作年代(推定) 20世紀初頭
素材 チーク材、漆

吉祥の動物・神獣や神像を象ったこの種の装飾箱は、ミャンマー・タイ・カンボジア等のインドシナ諸国において病除けの願掛けのものとして伝統的に手掛けられ、奉られてきました。

獅子が前足を高く揚げ跳び上がる姿のこの薬箱は、”美しき”というよりも”雄々しき”という言葉が相応しい作品であり、あるいは幼少の子供のために、病に打ち勝つ力強さを授けるために職人に造らせたものかもしれません。

”力強い造形と手擦れの美”、シャン伝統漆器のデザイン様式を備えた秀逸な作品です。

一期一会

2010-07-17 06:08:00 | 旅の一場面









(写真 ミャンマー・マンダレー地方域 バガンにて)

バガンの広大な大地に散りばめられた、数千にのぼると言われる数のパゴダ(仏塔)。自身の足で彷徨い歩いて、ご縁にまかせて出逢える仏塔・小寺院や仏像もあります。

目印があるわけではなく、次回訪ねた際には出逢えない(辿り着けない)かもしれません。一期一会のものです。