気ままに

大船での気ままな生活日誌

古代ローマ帝国の遺産

2009-10-06 11:42:15 | Weblog

ぼくはイタリアに行く機会が何度かあって、今回の展示の中心テーマとなっている、ローマとポンペイにそれぞれ二度、訪ねている。ローマでは2000年も前の栄華を目の当たりにできる、フォロ・ロマーノが何よりも印象に残ったし、汗を拭き拭き、回った、ポンペイの、壮大な古代都市の遺構も忘れることのできない光景であった。

そこでみた、ひとつひとつの、半分破壊されている建物や、内部のフレスコ画や、石化した人物(火山灰の中の遺体部分だけが腐ってなくなっていたが、ここに石膏を流し込み、死んだときの形を再現したもの)等も、それなりに心に残ったが、やっぱり、トータルとしての重量感あふれる遺跡に対しての感動には遠く及ばなかった、フォロ・ロマーノもポンペイも。

でも、逆にいえば、ぼくに西洋の歴史、美術、建築の知識がないということかなと、反省もする(汗)。だからかもしれないが、今回、国立西洋美術館の、”古代ローマ帝国の遺産”の展示物には、それほどの感動を受けたものはなかった。期待していた、ナポリ考古学博物館でみた”秘密の小部屋”(ポンペイ遺跡のエロチックな絵画や彫刻の部屋)の作品がなかったせいかもしれないが(大汗) 。

だから、今回は、お勉強が中心になった。ふむふむ、なるほど。ユリウス・カエサルの遺志を継ぎ、初代ローマ皇帝になったアウグストゥスはえらい人だったんだな、あまり権力を表に出さず、荒れ果てていた、フォロ・ロマーノを整備し、庶民のためにも、水道、道路等を整備し、また拡大してゆく領土の民にも押しつけがましいことはしない、等々。300年もつづくローマ帝国の基礎をつくったのだった。

アウグストゥス像


フレスコ画も沢山展示されていた。これはポンペイから出土した”カノボスのイオ”

”庭園の風景(南壁)”これもポンペイ出土。


白大理石像も。”豹を抱くディオニュソス”

”ペプロスを着た女性”これは、東大を中心とするグループが、ソンマ・ヴェスヴィアーナ遺跡から6年ほど前に発掘した。1500年間、土中でこの立ち姿で眠り続けていたそうだ。疲れただろうな。


そのほか、当時の文化度の高さを示す、うつくしい双頭の蛇の指輪、モレジネの銀器一式、金のランプ、骨壺とか、また土木技術の優秀さを示す、水道の弁などにも感心した。

加えて、特別出品として、”アレッツォのミネルウァ”が展示されていた。ギリシア時代の紀元前3世紀に制作された青銅像で、2009年に修復されたばかりの、めったにみられないものだそうだ。”古代ローマ展”なのに、わるいけど、ぼくはこのギリシャのブロンズ像が一番気に入ってしまった(大汗)。


また、CGによる当時のフォロ・ロマーノやボンベイの復元映像も、すばらしく、2回もみてしまった。2000年前の都市とはとても思えなかった。いや、現代の都市より、余程よかった。われわれは進歩しているのではなく、退歩してるのではないだろうか、と、ふと疑念をもった。
。。。

帰宅してから、ごそごそとポンペイで買った、小冊子を押し入れの中から探し出した。現状の遺跡の写真と、それに重ね合わすと、当時の姿がみられる透明なセルロイド絵がペアーで綴られている。それを、ひとつだけおみせしますね。

現状の遺跡

西暦79年、ウェスウィウス火山の噴火で火山灰で埋まった当時の町の再現


中高年のご婦人も、若き日のおうつくしい姿の写真を、現状のくずれたお姿の写真にかさね合わせてみてくださいね。少しは心がやすまるでしょう(爆)。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 秋晴れ くりはま お寿司 ... | トップ | 上野の森 色っぽい芸術 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事