気ままに

大船での気ままな生活日誌

シャヴァンヌ展

2014-02-11 06:24:47 | Weblog

美術番組、”美の巨人たち”で、今日の一枚は、19世紀フランスを代表する画家ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ作「諸芸術とミューズたちの集う聖なる森」です、とこの作品が紹介された。故郷リヨンの美術館に彼が描いた大壁画。

この縦4.6m、横10.4mの大壁画をはがして持ってくるわけにはいかないが、その縮小油彩画が、BUNKAMURAザ・ミュージアムでみられるというので早速、観に行ってきた。この絵の芸術の化身、ミューズたちだけではなく、そのほかの美女たちに囲まれて、幸せなひとときを過ごしてきた。

第1章 最初の壁画装飾と初期作品 1850年代
はじめに自画像が迎えてくれる。内省的な人という感じ。22歳のとき、イタリアに旅をして画家になろう決心。ドラクロワらに短期間師事し、腕を磨く。どうだ、俺の画力をみてくれ、という若き日の作品”アレゴリー”が展示されている。

アレゴリー

第2章 公共建築の壁画へ、アミアン・ピカルディ美術館 1860年代
1861年、シャヴァンヌはサロンに出品した”コンコルディア(平和)”と”ベルム(戦争)”で受賞し、この2作と対になる”労働”と”休息”とともに、1864年ピカルディ美術館に設置される。その後、20年以上、ここの壁画を描きつづけた。その縮小作品や習作等が観られる。ワシントンナショナルギャラリー、オルセー、ピカルディ等の所蔵品の中に、大原美術館所蔵の”幻想”が目をを引く。・・・ここまで書いて、明日、”日曜美術館”でシャヴァンヌ展が取り上げられると知ったので、それを観てからにしようと、筆を置く。
さて、翌日、”日曜美術館”を観た。作家の原田マホさんが出演していて、この”幻想”をみて、心を奪われたという。彼女の著書”楽園のキャンヴァス”の冒頭にこの絵が出てくるとのこと。

平和

幻想


第3章アルカディアの創造、リヨン美術館の壁画装飾 1870−1880年代
1870年初頭、普仏戦争、それに続くパリ・コミューンにより、パリは破壊される。人々の心は打ちひしがれる。画家として、何ができるか、そこに居るだけで、ほっとするような、人々の心を癒すような壁画を描こうと思う。こうしてアルカディア(理想郷)が次々と描かれていく。その最高傑作が冒頭のこの一枚、”諸芸術とミューズたちの集う聖なる森”だ。ここには様々な芸術の化身、ミューズがいる、竪琴を引きながら空を飛ぶ天女もいる。まるでフラスコ画のような淡い色彩、平面的に描かれ、ぼくらを夢の世界に引き込んでいくような。

 

藝術の化身たち

西洋の飛天(笑)

そして、この”海辺の乙女たち”もこの章。さきほどの”幻想”とこれの絵ハガキを購入。

これらは、印象派以降のゴーガン、ゴッホ、スーラらに大きな影響を与えてきたとのこと。

第4章 アルカディアの拡がり、パリ市庁舎の装飾と日本への影響 1890年代
1891年、国民美術協会の会長に就任し、彼の壁画は、パリ市長舎、ルーアン美術館、パンテオンなどに拡がる。黒田清輝も彼の画風に傾倒し、助言を求めたそうだ。1898年、シャヴァンヌは74歳で没する。

フランスに行き、本物の壁画の前に佇んでみたいと思った。

 

熱海からの投稿です。昨日は、MOAで紅白梅図屏風に再会。今日は梅園と熱海桜の予定です。

 

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