気ままに

大船での気ままな生活日誌

人体/神秘への挑戦 科博

2018-06-15 08:30:32 | Weblog

おはようございます。

国立科学博物館の”人体/神秘への挑戦”がもう、そろそろ終了する。滑り込みセーフで、先日、見学してきた。NHKスペシャルの”人体 /神秘の巨大ネットワーク”と連動した企画であるが、多くは”人体研究の歴史展”といった感じ。

まず、最初に登場するのは、お馴染みレオナルド・ダビンチの”解剖手稿”の精密な人体解剖図。素描の横に細かい字で説明文が書き込まれている。人体研究のはじまりは、やっぱり天才レオナルドでしょうか。解剖手稿は以降の章にもたびたび現れ、この展覧会の”骨”になっている。

レオナルドの解剖手稿は、書物にはならなかったが、その後、16世紀の医学者、アンドレアス・ヴェサリウスが自身で人体解剖を行い、観察した通りの人体の内部を描き、解剖図譜”ファブリカ”を出版をした。その初版本(1543)が展示されている。科学史的には、レオナルドの素描よりも、このファブリカが重視されているのかも。ちなみに杉田玄白らの”解体新書”の刊行は1774年であるから200年もあと。

人体の構造を学ぶには、実物に近い模型が必要。人体模型の歴史も面白い。18世紀にまずつくられたのが、蝋製の模型(ワックスモデル)。ここでは、女性の頭部、胴体の解剖模型(1850-1900年 ブールハーフェ博物館)が展示されている。百聞は一見にしかず。

高価なワックスモデルに代わって開発されたのが、解剖学者オヅーにより開発された紙粘土製の人体模型、キンストレーキ。加賀藩の蘭学医がオランダ海軍の軍医から購入したものなど、我が国に4点しかないらしい。そのうち、19世紀制作の男女模型2点が展示されている。

いろいろの動物の臓器の比較コーナーもある。象と鼠の心臓の大きさと脈拍数(ランプの点滅で視覚化)の比較もあったが、本川達雄先生の名著、”象の時間、鼠の時間”を思い出した。動物は種に関わりなく、5億回脈を打って止まる。本来、人間の寿命は30歳ほど、科学、医学の進歩等で寿命は延びたが、動物学的な体はそれに追いついていないので、年を重ねて、いろいろ故障が起こるのはあたりまえ、というような内容だった。加えて、ヒトから摘出した本物の臓器も(見たくない人は見ないですむように)囲いされたコーナーに展示されていた。

そして、終盤は、タモリと山中伸也先生司会のNHK”人体 /神秘の巨大ネットワーク”関連。人体の様々な臓器が互いにメッセージ物質をやりとりしているという最新の研究成果が紹介される。脳一人が司令塔かと思ったが、 そうではなかった。「疲れた、しんどい」「おしっこをしよう」「ごはんが来たぞ!」体内の臓器たちで交わされる様子を、色や音で表現する”ネットワークシンフォニー”。ぼくらの体を守るために臓器たちがこんなに一生懸命になってくれている。ちょっと感動もの。

 ネットワークシンフォニー
 


ブロックタモリだけがのんきに昼寝をしていた。

体内美術展も同時開催

走査型顕微鏡で撮った臓器をイメージで色づけしたもの。まるで現代美術みたい。

 
腎臓の足細胞
 
 
胃の表面、粘液細胞
 
心筋細胞のミトコンドリア
 
気管支をおおう繊毛細胞
 
肺胞 ぼくはこれで痛い目にあいました
 
マクロファージ
 
 
なかなか面白い展覧会でした。あと、二日、6月17日で閉幕です。
 
それでは、みなさん、今日も一日、元気で!
 
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