気ままに

大船での気ままな生活日誌

ペリー公のいとも豪華なる時祷書 ランブール三兄弟

2013-09-04 10:13:17 | Weblog
そろって世界チャンピオンになった、ボクシングの亀田三兄弟もすごいと思うけど、装飾写本の最高峰”ペリー公のいとも豪華なる時祷書”を描いたランブール三兄弟もまたすごいと思う。

9月に入り、鎌倉女子大生涯学習センターの講座が始まり、伊藤淳先生の”北方ルネサンスの巨匠シリーズ/ランブール兄弟”を聴講して知ったこと。羊皮紙をつくるのも大変、その上に細密画を描くのも並大抵のことではない。それも三兄弟共同で。

はじめに、”ペリー公のいとも豪華なる時祷書/占星学的人体図”(シャンティイ城コンデ美術館蔵)が紹介される。


人体と十二星座の関係を示している。牡羊座の人は頭痛持ち(頭に羊がいる)、牡牛座の人は肩こり性(肩に牛が)、さそり座の女はあそこ(爆)とか、いろいろ、この絵で当てることができる。家内は肩こりが当たっていると言っていた。1416年頃の作。フランス国王シャルル5世の弟ベリー公ジャン(1340-1416年)は、愛書家であり美術愛好家でもあり、かつ、自らも多くの手写本をランブール兄弟に作らせた。とくに、王侯貴族の間で愛好されていた”時祷書”の写本を。

そして、次に紹介されたのが、”ペリー公の美しき時祷書”。”いとも豪華なる”ではなく、ただ”美しい”ものになっている(笑)。原題でも仏語riches(豊穣な)がない。
これの所蔵先を聞いておどろき。ニューヨークのクロイスターズ美術館。METの別館で中世美術品を中心に展示しているところ。去年11月に行っているのに、ぼくの頭の中にこの写本は残っていない。帰って、調べてみた。カタログを調べると、主要作品としてちゃんと載っている。次にぼくのアルバムを調べてみた。写本を二冊ほど撮っているが、それではなかった。展示していなかったのか、みていてみなかったのか。たぶん後者でしょうね(汗)。この講義を聞いた後なら、見逃さなかたはず。

MET所蔵のが4点ほど紹介された。そのうちのひとつです。

ペリー公の美しき時祷書 ペリー公の旅


そして、再び、”ぺりー公のいとも豪華なる時祷書”1~12月シリーズの内、雪景色の2月。ブリューゲルの雰囲気。


今日の講義がきっかけで、振り返ってみたクロイスターズ。こういうのもいいね。






加筆

クロイスターズでみた写本のひとつが、フランスの写本画家ジャン・ビュセルの代表作”ジャンヌ・デヴルーの時祷書”と判明しましたので追加しておきます。


コメント
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