goo blog サービス終了のお知らせ 

気ままに

大船での気ままな生活日誌

北鎌倉 ろうばいの歌声が

2007-01-25 14:53:35 | Weblog
蝋梅の季節になりました。北鎌倉の三つのお寺の、蝋梅の花見をしてきました。ろうばいからの歌声がきこえるようでしたよ。

北鎌倉駅を降りて、まず、明月院に向かいました。総門を入るとすぐに、蝋細工のような、うすい黄色の蝋梅の花を咲かせた木が何本も目に入ります。嬉しいです、ちょうど見頃です。そばに近づくと、ほのかな甘い香りが漂ってきます。方丈に向かって、小径を登っていきますと、あちこちで黄色の花が、目に触れます。てっぺんにある方丈の前に立ち、見下ろすと、広い境内を埋め尽くす、枯草色の紫陽花や落葉樹の枯れ枝、そしてところどころの常緑樹や竹や笹の緑を背景にして、控えめな色だけれど、この季節には十分目立つ、黄色の花をいっぱいつけた蝋梅の木が点々とあります。全部で20本くらいでしょうか。そして、登ってくるもう一方の小径の真ん中あたりには、ほかの蝋梅の若木とは、ちょっと格の違う、おそらく北鎌倉一の大きな蝋梅の木が、誇らしげに沢山の花をつけているのがみえます。

どの、蝋梅の木も、めいっぱいおしゃれをして、それぞれが、美しい声で歌っているようでした。たとえて言うと、この境内が飾り付けをした舞台で、蝋梅の木の一つひとつが、一人ひとりのミュージュカル俳優さんです。去年、横浜の関内ホールでみた、ミュージュカル「江利チエミ物語」を思い出しました。大きな蝋梅の木の下に行き、あなたが、主役の島田歌穂さんですね、と尋ねましたら、そうよというように、花のついた先っぽの枝を少し揺らしました。そして、・・去りにし夢 あのテネシーワルツ なつかし 愛の歌 面影しのんで 今宵も歌う うるわし テネシーワルツ・・ の歌声が、20人の蝋梅たちのバックコーラスと共に流れてきました。

次は浄智寺に向かいます。山門に入る前から、参道沿いの民家の蝋梅の花に驚かされます。5,6軒の家が、それぞれ立派な蝋梅の木を植えておられ、見事な黄色い花をつけているのです。そこだけ見学して帰っても良いくらいです。山門を入って、境内をぐるっと回って、出口の近くに、やっと蝋梅の姿をみることができました。お堂の前に、同じぐらいの脊の高さの、3本の蝋梅が仲良く、これもちょうど見頃の黄色い花をたくさんつけていました(写真)。とてもさまになっていました。キャンデーズみたいですね、と語りかけましたら、嬉しそうに、・・もうすぐ春ですね・・の歌を歌ってくれました。解散するときの歌、「微笑み返し」もリクエストしましたら、私の好きなワンコーラス・・おかしくって、おかしくって、涙がでそう・・のところだけ心を込めて歌ってくれました。

東慶寺では2本の蝋梅を見つけましたが、境内の中央の道沿いにある木は、もう咲き終えて、たそがれ状態でした。蝋梅の五木ひろしさんが、「よこはまたそがれ」の替え歌の「かまくらたそがれ」を歌っていました。身振り手振りなども面白く、ひょうきんな人だなと思ってよくみると、物まね名人のコロッケさんでした。あなたの大フアンです、と言いましたら、喜んで、今度は、顔にほくろをつけて、ちあきなおみさんになり、私の好きな歌「喝采」を歌ってくれました。・・いつものように 幕があき 恋の歌うたう私に 届いた報せは 黒いふちどりが ありましたあれは三年前 止めるあなた駅に残し 動きはじめた汽車に ひとり飛び乗った ひなびた町の 昼さがり 教会の前に たたずみ 喪服の わたしは 祈る言葉さえ 失くしてた・・・墓地の近くで、ぴったりの歌でした。

もう少し先を行くと、小林秀雄さんのお墓の方に入る小径があります。その小径に一本、小さな蝋梅の木がありますが、これは、まだ花が十分残っていました。まだまだ、元気で音大の声楽科を出たような感じの、ろうろうとしたテノールの歌声が聞こえてきました。今回の紅白歌合戦に出て、人気のでている蝋梅の秋川雅史さんです。「千の風になって」でした。・・・私のお墓の前で 泣かないでください そこに私はいません 眠ってなんかいません 千の風に 千の風になって あの大きな空を 吹きわたっています・・これもここにぴったりの歌だと思いました。

小林秀雄さんの五輪塔には、生前お好きだった、桜の枝(冬桜でしょうか)とお酒が供えられていました。お参りして戻る途には、紅梅、白梅が花開き、そして、まんさくの花もいくつか開いていました。うっとりみていましたら、もうすぐ春ですね・・・の歌声が、千の風にのって聞こえてきたような気がしました。











コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする