こんばんわ。
東博の”はにわ展”のつづきです。今日は第3章について。
本展の章立て
プロローグ 埴輪の世界
第1章 王の登場
第2章 大王の埴輪
第3章 埴輪の造形
第4章 国宝 挂甲の武人とその仲間
第5章 物語をつたえる埴
エピローグ 日本人と埴輪の再会
第3章(埴輪の造形)
古墳時代(3世紀中頃 – 7世紀頃)の埴輪が出土した地域は北は岩手県、南は鹿児島県まで及ぶ。日本列島の幅広い地域で、埴輪は作られたが、それらの埴輪は、当時の地域ごとに習俗の差、技術者の習熟度、また大王との関係性の強弱によって、表現方法に違いがある。ここでは各地域の高い水準で作られた埴輪や、地域色ある独特な造形の埴輪を紹介している。◎ :重文
特殊器台・特殊壺 岡山県新見市 西江遺跡出土 弥生時代・2~ 3世紀 吉備地方で祭器として用いられた器台と壺。埴輪のルーツ。
朝顔形円筒埴輪 奈良県天理市 東殿塚古墳出土 古墳時代・3~ 4世紀 器台と壺が合体。
鰭付楕円筒埴輪 奈良県天理市 東殿塚古墳出土 古墳時代・3~ 4世紀 楕円筒形の埴輪に鰭(ひれ)がついたもの。前後に船の絵画が線刻で描かれている。のちの船形埴輪の表現と共通するものが多い。
◎ 子持家形埴輪 宮崎県西都市 西都原古墳群出土 古墳時代・5世紀 中心の家(親)の周りに四つの小さな家(子)。
◎ 船形埴輪 大阪市 長原高廻り1号墳出土 古墳時代・4~ 5世紀 船べりに櫂を支える軸受けが並ぶ。当時の船の構造がわかる。
模造 船形埴輪 原品:三重県松阪市 宝塚1号墳出土 古墳時代・5世紀 船底が深い外洋航行用の船。船内を飾る太刀や蓋(きぬがさ)と呼ばれる日傘。円筒台に乗る。
短甲形埴輪 群馬県藤岡市 白石稲荷山古墳出土 古墳時代・5世紀
馬形埴輪 三重県鈴鹿市石薬師東古墳群63号墳出土 古墳時代・5世紀 長いたてがみかふさ飾りか。飾り馬、東海以西でみられる獣脚の表現。
椅子形埴輪 群馬県伊勢崎市 赤堀茶臼山古墳出土 古墳時代・5世紀 古墳時代は椅子に座ることで権威を示した。
◎旗を立てた馬形埴輪 埼玉県行田市 酒巻14号墳出土 古墳時代・6世紀 旗をたなびかせ駆け抜ける。戦闘用の馬。
◎ 埴輪 天冠をつけた男子 福島県いわき市 神谷作101号墳出土 古墳時代・6世紀 美豆良(みずら)を垂らし頬紅をつけた端正な顔立ちの男子。三角文で飾られた天冠をつける。
埴輪 あごひげの男子 伝茨城県出土 古墳時代・6世紀 長い髭と先のとがった帽子。千葉県北部から茨城南部に見られる地域色が強い埴輪。
◎ 武装石人 福岡県八女市 鶴見山古墳出土 古墳時代・6世紀 甲冑で身を固める武人,石で出来た埴輪で重厚感あふれる。北九州に君臨した筑紫君一族の存在感を示す。
大刀形木製品 &靫形木製品 奈良県桜井市 小立古墳出土 古墳時代・5世紀 木の埴輪,コウヤマキ製
武装石人 福岡県八女市 鶴見山古墳出土 古墳時代・6世紀 ヘビー級の武人
次回はいよいよ本展の目玉、”国宝 挂甲の武人とその仲間”が登場します。(つづく)
では、おやすみなさい。
いい夢を。