「何やってんだー
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下町のお母さんが、こんなふうに大声で怒鳴り散らしながら、ほうきを持ってガキ大将の息子を追っかける・・・むかーし子どもの頃に見たテレビドラマの一こまです。昭和のドタバタホームドラマ・・・というところでしょうか
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こんなドラマの中の情景を思い出しながら考えてみると、最近、子どもに大声で怒鳴る、叱りつける母親の姿を見かけなくなりました
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電車の中、デパート、スーパー、いろいろなところで昔と変わらず「駄々をこねる子どもの姿」「泣き叫ぶ子どもの姿」を見る事はありますが、案外そういう場面で見るお母様の姿はみな一様に冷静で、ほとんどの場合、皆さん「静かに子どもに語りかけている」ように思えます。その様子は、叱る、というよりは、「叱っているパフォーマンス」にも見えてしまいます
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中には、完全に無視をして、全く我が子の悪事、大騒ぎを意に介していない様子の強者のお母様もいらっしゃいます。子どもが騒いだり、泣いたりしている横で、平然とメールを打っていたり・・・
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やっとお座りできるようになった赤ちゃんが、ティッシュの箱の前に座り、うれしそうにピュッピュッとティッシュを抜いています。出せば自然に次のティッシュが飛び出してくる・・・赤ちゃんにとっては大発見
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幼い子どもが、自らの経験、体験を通して様々なことを学んでいくことは、それはそれはすごく意味のある事です
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しかし、だからと言って、この『ティッシュ出し』は良くない事。遊ぶ道具ではありません。そこで、お母様は叱ります。本当に恐い顔をして・・・
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と大声で注意します。
赤ちゃんにすれば、大発見をして驚喜し、ご満悦で遊んでいたにもかかわらず、鬼のような形相のママに大声で叱られ・・大泣き
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0歳児であるこの赤ちゃんには、理屈などは通じません。ママが言った「こんな悪い事」も「ティッシュがもったいない」の意味も、実際には通じていないのです。
ただ、いつもやさしいママが、確かに大声で恐い顔をして怒っている・・・この事実は赤ちゃんにとって衝撃であり、その衝撃は「ママが恐い顔をして、大声で怒鳴った」という記憶として残ります。
この子は、たぶん二度と『ティッシュ出し』はしないでしょう。ティッシュの箱を見つけた時、当然おもしろかった記憶「引っ張れば、次のティッシュが出てくる」というおもしろさが甦り、またやってみようか、と思うでしょうね
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しかし、そのおもしろかった記憶を思い出すと同時に、恐かった「ママの形相と声」も思い出されるのです
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幼い子供達は、理屈ではないところで「いけない事をしたんだ」「いけない事をしたからママに叱られたんだ」というふうに「罪の意識・罪悪感」を学びます。
きゃー・・・これはおもしろそうだなあ・・・と思っても、気持ちのどこかにパパやママに叱られた時の「恐かった思い・嫌な思い」が甦り、こんな事をしたら、きっと大変なことになってしまう・・・という気持が生まれるのですね。そして、禁止されていることはしない、という意識が育ちます
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ここ10年ほどは、「叱る教育」は罪悪のように言われてきました。
「ほめて、伸ばす」の全盛期だった、と言えるでしょう。だから、世の中のパパ、ママは、子ども達にとっての「お友達のような存在」に成り下がり(と私は思っています)、ある意味ではなめられ、うるさいだけの人となり、何の影響力も与えない庇護者になってしまった・・・ 最近では、「大人を自分と同等に見ている子ども」の多いことに驚かされます。
話を「叱る」にもどしましょう。
確かに、たとえ小さな子ども相手にでも、0歳児のような何も理屈が理解できないほど小さな子どもでなければ、必ず、頭ごなしに叱る、怒鳴るのではなく、きちんと「叱る理由を伝える」「叱られる理由を理解させる」ことは大切なことです
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しかし、公共の場で騒ぐ、社会のルールに反する行為をしている、何か危険なことをしている、のように「禁止」をさせなければいけない時には、そんな悠長なことは言っていられません
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まずは、「止めさせる事が先決」であって、なぜ止めないといけないかを子どもに「伝えること」「説くこと」は二の次です。
叱る側がきちんと「叱る理由」を伝え続ければ、なぜその行為がいけないか?という事はわかるようになります
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「叱る」「諭す」「説く」これは人に何かを理解させる時に使う方法です。しかし、幼い子どもを相手に、スマートに「諭す・説く」だけでは、禁止は出来ません
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電車の中でいつまでも「座りたい、すーわーりーたーいー!」とぐずぐずと文句を言う我が子に・・・
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などと笑顔で上品に言っているお母様を見ると、
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平成も20年をとうにすぎた今、お母様方に「昭和の下町のお母さん」になってください、と言っているわけではありません
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ただ、時には人前であろうと、叱るべき時には大きな声を出し、子どもが日頃は滅多に見ることのない怖い顔で、ビシッと叱ることも必要です
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思わず、子どもがびくっとするような、そういう瞬間だって成長のためには必要です{/kaminari/
いつも子ども相手に「ああ、ごめんごめん!」とわけもなく謝っているママばかりが増殖し、子ども達は知育教育ばかりを受けただけの、本当の意味での賢さを育ててもらっていない、我がままな王子様や王女様ばかりになってきています
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巷では、勘違いの「品良く叱るお母様」と「全く言われた事を聞こうともしない子ども」の喜劇が展開しています。
毅然と叱る、ピシリと叱る!親が思っている以上に、子どもにとっては貴重な「学習の時」なのですよ
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