まどか先生の「ママ達のおやつ」

ママの笑顔は、我が子が幸せであるためのママ・マジック。ママが笑顔であるために、この「おやつ」が役立つことを願っています!

日本の常識

2010年06月16日 | プンプン
 先日、友人からの誘いで、ある女子高で催された公開授業を参観しました
 その授業は、高校1年生を対象とした国語科の授業の一環で、「告白」という映画についてディベートをする、というものでした
 授業(4回シリーズで、その日の授業が最終の授業でした)の進行は、民間初の校長として話題になった元和田中学校長、藤原和博氏。こういう授業自体が、その学校ならではの斬新な試みで、とても興味深いものだったのです

 たまたまその日は、その映画の監督、中島哲也氏と、主演女優である松たか子さんもその授業に参加されるということで、映画関係者とテレビ局の方も入り、学校の中はカメラやマイクを持った人たち、いかにも「業界人」という出で立ちの「PRESS」の腕章をつけた人たちでごった返していました。
 会場となった学校内のおしゃれなカフェテリア。にぎやかなフォトセッションの時間も終わり、生徒達も席に着き、歓声で迎えられた監督や松たか子さんも入られ、いよいよ授業が始まるぞ・・・という時
 私はふっと左手のほうが気になり、目をやると・・・二人の若い女性の姿が目に入りました。
 彼女達はとてもおしゃれで軽快なパンツ姿。おばさんである私のイメージの中にある、いかにもテレビや映画の関係者・・・という装い
 ただ、何とも不快感をそそられたのが、クチャクチャとガムを噛んでいること そして何より仰天し、眉をひそめたのが、カフェテリアの壁にぐるりと設置されたテーブルとして利用するためのカウンターに座り・・・組んだ足をブラブラとさせていたことでした

 ガムに関しては、現代では歯医者さんも奨励する「歯に良いガム」もあることですし、昔のように一概に「悪」とは言えないのかもしれません
 とは言え、これから高校生が国語の授業を始まろうとしているところ、です。モデルさんがポーズをしているわけでも、タレントさんがバラエティー番組の本番に臨もうとしているところでもありません
 彼女達の前にいるのは、授業を受けようとしている高校生です。そして、その場に立ち会っている人達は、それぞれの立場は違っても、神聖な(私は、つねに人が学ぶ場は神聖である、と考えています)学びの場にお邪魔をしている・・・にしかすぎません。
 それを思えば、彼女達二人の様子は、どう考えても正しい行為とは思えません

 とにかく、その若い女性二人が平気で腰掛けているところは「椅子」ではなく、カウンターであるということ。日頃、生徒達がそのカウンターを利用し、ジュースを飲んだり、パンを食べたりしてる場所なのです。彼女達は、そのことをどのように考え、そこに平気で座る、という行為をしているのか??私はよく理解できませんでした

 授業は始まろうとしていました。私は、彼女達が気になり・・・そして、だんだんと腹が立ってきて、心の中で怒鳴っていました。
 「ねえ、ちょっとあなた達 いったいあなた達は、どんな了見でカウンターに腰をかけてるの?そこは、生徒達がテーブルとして使っている場所でしょう
 その時の私の心の中の映像・・・私がキッと目をつり上げて女性達に注意。シーン替わって・・・次のシーンは、しらーっとしらけた顔をした若い女性が、顔を紅潮させて怒鳴るおばさんをギッと睨み、謝りもせず、ハッとする様子ももちろんなく、ゆっくり無表情のままで、のろのろと降りる・・・というものでした

 その時です
私の後ろの席に座っていた男性が席を立ち、彼女達のほうにツカツカと歩いて行かれました。そしておっしゃったのです。
 「君達、どこに座ってるんだ そこは椅子はなくてテーブルなんだ。すぐに降りたまえ

 ブラーボー すごい 
そうです。その通りです。意気地のない私は、心の中で怒鳴るだけで、実際にはその女性達に何も言えませんでした。でも、やっぱり社会人として言うべき言葉でした
 彼女達は、自分の行為の誤りを認め、謝罪し、あらためて自分達の常識のなさを恥じ、学ぶべきだったのです!(そういう様子は微塵も感じられませんでしたが)

 しかし、彼女達は・・・私が頭の中で思い描いたシーンと全く同じように・・・詫びるわけでもなく、ハッとするわけでもなく、恥じる様子もなく、「おっさん、あんた、だれ?うっせーな!」のような悪意ある一瞥をしただけで・・・降りました。
 そして、驚いたことに、ちゃんとその下にあった「椅子」に腰掛けたのでした(なんだ、座るイスが足りなかったわけじゃなかったんじゃない・・・あなた達は、わざわざイスに座らず、テーブルに座ったってことね・・・)

 私はその男性の行為に感動しました
(じつは、彼は私と夫の親しい友人です。まだ幼いお嬢さんの優しく、そして厳しいパパです。私はその瞬間、まだ幼い彼のお嬢さんのことを思い浮かべました。きっと彼女は、この立派のパパのもと、美しく、正しい行為を行える素敵な日本女性に成長されるに違いない、そう確信したものです
 
 私はその日のことを思いだし、あらためて「常識を学ぶ、常識を身につける」ことの重要さを再認識しています。
 もしかしたら、あの日、私が心の中で罵倒していた彼女達も、実際には大変優秀な仕事人かもしれません 有能で、その道の将来を背負って立つ人材かもしれないですね。
 でも そうであればよけいに、彼女達の非常識な行為はあまりにもったいない・・・見知らぬ人から、多くの人の面前で、注意される・・・言いかえれば「君達、常識がないよ」と発表されたようなものなのですから・・・

 彼女達は、残念なことに、日本人としての常識を学ぶ場に恵まれなかったのでしょう
 ほとんどの場合、様々な常識、美しい所作、正しい言葉使い等、人は子どもの頃から「家庭生活」の中で、両親を通して自然に学んでいきます。
  お行儀良く振る舞いましょう。
  正しく、美しい言葉で話しましょう。
  食事はきれいに食べましょう。などなど・・・
 ナイフ、フォークを上手に使いこなすことを覚えるよりも、まずは正しいお箸の使い方を。流暢に英語を話す前に、正しい日本語が使えることを。
 
 国際化が進んでいく世の中だからこそ、日本人としての常識をしっかりと身につけ、立派な国際派になることが重要なのではないのかな?と私はいつも思っています
 外国語が堪能な無国籍人は、決して立派な国際人とは呼べない、とは思うのですよね・・・

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