今回の4日間のソウル滞在のうち、1日は郊外を訪れることになりました 1カ所は、世界遺産にも登録されている水原華城、もう1カ所は、韓国民俗村です
水原(スーウォン)は、息子が高校時代、修学旅行委員を務めた時、候補の一つにあげたあこがれの場所でした (結果的には、委員全員の投票の結果、他の委員が提案した候補地上海に負け、彼は興味のなかった上海には行かず、北海道のグループに加わったのですが・・・)
当時、どうも彼は何らかの歴史小説を読み、水原華城に夢を馳せていたようですが、実際の華城は、朝鮮戦争で破壊され、現在はまだまだ復元途中で・・・息子から聞いていたイメージとは、少し違った新しいものでした しかし、凍てつくような強い北風の中、町を見下ろす東大門の上に立った時には、やはり歴史の重さを感じ、感無量でした
もう1カ所の民俗村は、1974年に開村。韓国各地にあった両班(ヤンバン、日本の豪族、華族にあたる)の家や、古い民家を集め、建物のみならず、そこでの暮らしも含めて、文化的な遺産として残そうと政府が一大事業として推し進めたもの じつは私が高校生で訪韓した時、ホスト家庭と一緒に訪れた懐かしい場所でもありましたが、今思えばあの時は、まだ開村してまもなくの観光スポットだったのですねえ・・・
今回の郊外への1日ツアーには、李さん(イーさん)というガイドさんが、私達夫婦に同行してくださいました
李さんは非常に博学で、単なる日本語が堪能な観光ガイドというよりは、自国の歴史や文化のみならず、世界の歴史的な動きにも非常に精通した研究員、と呼ぶに相応しい方で、訪れるところの説明や解説だけではなく、私のさまざまな質問にも、しっかりと例えなども使って教えてくださる有能で、魅力的な韓国人ガイドさんでした
この日一日は、李さんのお陰で、本当に多くのことを知り、学ぶことが出来ました
興味をそそられることはいくつもお教えいただきましたが、その中でも、私が特に印象に残ったのが「陰と陽の文化」でした
民俗村を歩いていると、民家の入り口のところにつり下げられた「真ん中のところで赤と青に切り替えられ筒状の布」が目に入りました
さっそく、私は李さんに尋ねてみました。
「李さん、あのお家の軒先や玄関に掛けられている、提灯みたいな布の筒は何ですか?」
李さんのご説明は、こうでした
韓国には古来、「陰と陽」という考え方があり、赤色は、「陽」。青色は、「陰」を表すのだそうです。物事には、必ずこのように「対極をなす2つのもの」があり、その二つが相まってこそ、すべてのことが平安に治まる、という思想なのだそうです。
そう言えば、韓国の国旗にも、確かに「赤と青」が中央に使われています。
玄関の布は、結婚後、夫と妻(陽と陰)が二人協力し、一つの家庭を幸せに築き上げていけるように・・・という象徴なのだそうです
ほー・・・そうですねえ。物事には、陰と陽、明と暗、プラスとマイナス・・・あります あります
その二つは、どちらがより大事、というのではなく、その二つはあって当然のものであり、またそのどちらもが相乗作用を生み、対極のものの存在に意味を持たせ、一つの調和と効果を生む・・・
深いですねえ。そして私は考えました・・・
親は、どうして我が子に「プラス」ばかりを望むのだろうか?
どうしてプラスばかりを求めるのだろうか?
我が子の長所(プラス、陽)も、短所(マイナス、陰)も、どちらも愛しい我が子の一部分、我が子そのもの。その陽、陰、どちらも認め、その中に価値を見い出してやろうという親の愛情ある姿勢で、きっと子供は、もっともっと安心感をもって伸びていくのではないだろうか?
前夜にぱらぱらっと降ったにわか雨のために、民俗村の道は、ところどころでつるつるに凍り、わらぶき屋根からは小さなツララが美しく垂れ下がっていました 11月31日の初雪で、柿の木の枝や実にもふんわりと雪が積もっていました
足下に気を付けて歩きながら・・・私は二人のわが子のことを思い浮かべていました
水原(スーウォン)は、息子が高校時代、修学旅行委員を務めた時、候補の一つにあげたあこがれの場所でした (結果的には、委員全員の投票の結果、他の委員が提案した候補地上海に負け、彼は興味のなかった上海には行かず、北海道のグループに加わったのですが・・・)
当時、どうも彼は何らかの歴史小説を読み、水原華城に夢を馳せていたようですが、実際の華城は、朝鮮戦争で破壊され、現在はまだまだ復元途中で・・・息子から聞いていたイメージとは、少し違った新しいものでした しかし、凍てつくような強い北風の中、町を見下ろす東大門の上に立った時には、やはり歴史の重さを感じ、感無量でした
もう1カ所の民俗村は、1974年に開村。韓国各地にあった両班(ヤンバン、日本の豪族、華族にあたる)の家や、古い民家を集め、建物のみならず、そこでの暮らしも含めて、文化的な遺産として残そうと政府が一大事業として推し進めたもの じつは私が高校生で訪韓した時、ホスト家庭と一緒に訪れた懐かしい場所でもありましたが、今思えばあの時は、まだ開村してまもなくの観光スポットだったのですねえ・・・
今回の郊外への1日ツアーには、李さん(イーさん)というガイドさんが、私達夫婦に同行してくださいました
李さんは非常に博学で、単なる日本語が堪能な観光ガイドというよりは、自国の歴史や文化のみならず、世界の歴史的な動きにも非常に精通した研究員、と呼ぶに相応しい方で、訪れるところの説明や解説だけではなく、私のさまざまな質問にも、しっかりと例えなども使って教えてくださる有能で、魅力的な韓国人ガイドさんでした
この日一日は、李さんのお陰で、本当に多くのことを知り、学ぶことが出来ました
興味をそそられることはいくつもお教えいただきましたが、その中でも、私が特に印象に残ったのが「陰と陽の文化」でした
民俗村を歩いていると、民家の入り口のところにつり下げられた「真ん中のところで赤と青に切り替えられ筒状の布」が目に入りました
さっそく、私は李さんに尋ねてみました。
「李さん、あのお家の軒先や玄関に掛けられている、提灯みたいな布の筒は何ですか?」
李さんのご説明は、こうでした
韓国には古来、「陰と陽」という考え方があり、赤色は、「陽」。青色は、「陰」を表すのだそうです。物事には、必ずこのように「対極をなす2つのもの」があり、その二つが相まってこそ、すべてのことが平安に治まる、という思想なのだそうです。
そう言えば、韓国の国旗にも、確かに「赤と青」が中央に使われています。
玄関の布は、結婚後、夫と妻(陽と陰)が二人協力し、一つの家庭を幸せに築き上げていけるように・・・という象徴なのだそうです
ほー・・・そうですねえ。物事には、陰と陽、明と暗、プラスとマイナス・・・あります あります
その二つは、どちらがより大事、というのではなく、その二つはあって当然のものであり、またそのどちらもが相乗作用を生み、対極のものの存在に意味を持たせ、一つの調和と効果を生む・・・
深いですねえ。そして私は考えました・・・
親は、どうして我が子に「プラス」ばかりを望むのだろうか?
どうしてプラスばかりを求めるのだろうか?
我が子の長所(プラス、陽)も、短所(マイナス、陰)も、どちらも愛しい我が子の一部分、我が子そのもの。その陽、陰、どちらも認め、その中に価値を見い出してやろうという親の愛情ある姿勢で、きっと子供は、もっともっと安心感をもって伸びていくのではないだろうか?
前夜にぱらぱらっと降ったにわか雨のために、民俗村の道は、ところどころでつるつるに凍り、わらぶき屋根からは小さなツララが美しく垂れ下がっていました 11月31日の初雪で、柿の木の枝や実にもふんわりと雪が積もっていました
足下に気を付けて歩きながら・・・私は二人のわが子のことを思い浮かべていました