Music from Gen-dai

お気楽色の僕らのBlue

父親

2011-04-10 01:34:27 | 日記
子ども繋がりで知り合った方々からは

「○○くんのパパ」と呼ばれることが多い。


だが、どうもこの「パパ」という言葉の響きは

自分に似合っていない気がしてならない。


僕のイメージする「パパ」とは

「ムーミンパパ」や「バーバパパ」のような

性格的に穏やかでどっしりと構えた人物。


まったく対極の位置にいる

短気でせわしない性格の僕には

当然似合うはずなどないのである。


Loudon Wainwright IIIの「Attempted Mustache」(1973)

1. Swimming Song
2. A.M. World
3. Bell Bottom Pants
4. Liza
5. I Am the Way (New York Town) [Live]
6. Clockwise Chartreuse
7. Down Drinking at the Bar
8. The Man Who Couldn't Cry
9. Come a Long Way
10. Nocturnal Stumblebutt
11. Dilated to Meet You
12. Lullaby


ご子息ルーファス・ウェインライトの活躍により

近年は、その父親として知られているLoudon Wainwright IIIの4thアルバム。


「Swimming Song」「A.M. World」「Bell Bottom Pants」と続く

冒頭三曲の程よいざらつき具合のフォーキー・サウンド。


中盤以降に配置された「Clockwise Chartreuse」「Down Drinking at the Bar」

「Nocturnal Stumblebutt」といった、非常にアクの強い泥臭いサウンド。


どちらのサウンドにおいても

こだわりと深みを感じさせる歌声は言うまでもなく素晴らしい。


「父親」の背中を見て子どもは育つと言う。

そう考えると、時にはLoudonのように

どっしりと構えることも必要なのかも知れない。
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一瞬

2011-04-09 00:53:36 | 日記
あれやこれやと熟考を重ねたことが功を奏す場合もあれば

「一瞬」のひらめきが功を奏す場合もある。


仕事も音楽も、最近はその「一瞬」のひらめきを

とくに大事に思えるようになった。


年齢と経験を経て、きっと自分自身のひらめきに

少し信頼が置けるようになってきたのだろう。


Boz Scaggsの「Moments」(1971)

01. We Were Always Sweethearts
02. Downright Women
03. Painted Bells
04. Alone, Alone
05. Near You
06. I Will Forever Sing (The Blues)
07. Moments
08. Hollywood Blues
09. We Been Away
10. Can I Make It Last (Or Will It Just Be Over)



レーベル移籍後の1971年にリリースされた3rdアルバム。

自身のルーツとなるSoul,R&Bとその後のAOR路線とを繋ぎ合わせる

まさに「瞬間」のひらめきが閉じ込められた作品である。


躍動感溢れるホーンとメロディが素晴らしい「We Were Always Sweethearts」

間奏のクレイジーなフルート、軽やかなリズムギターやドラムなど

申し分のない幕開けである。


続くボッサ・タッチの「Downright Women」

流れるようなピアノとしなやかに歌うBozの歌声が耳に残るナンバー。


ハイライトは美しいと言う言葉がぴったりとハマる

「Painted Bells」「Near You」「Moments」の三曲

いずれ劣らずの表現力豊かな歌唱。


突如野暮ったいカントリーテイストに塗り替えられる「Alone Alone」

実にボーカルスタイルの引き出しの多さを感じさせる一曲。


AORの金字塔とも言える、緻密に作り込まれた「Silk Degrees」と比べると

確かに各曲のトータルバランスにはまとまりを欠くかもしれないが

彼の変遷を辿る上で、ここでの「一瞬」のひらめきは軽視することが出来ない。
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そよ風

2011-04-07 11:21:54 | 日記
「親知らず」の抜歯は無事に完了。

噂で聞いていたのとは違って

今の所は大した痛みもなく、腫れもほとんどない。


ここ数日間、無駄に情報を入れすぎたせいで不安一杯だったが

なんとかこれで平穏な日々を過ごせそうである。


George Bensonの「Breezin'」(1976)

1. Breezin'
2. This Masquerade
3. Six To Four
4. Affirmation
5. So This Is Love
6. Lady


プロデューサーTommy LiPuma、エンジニア Al Schmittの黄金コンビにより

製作された1976年作品。

Bensonのギターのみならず、ヴォーカルの素晴らしさをも提示してくれた本作は

POP、R&B、ジャズの各部門でNo.1を獲得することとなる。


全編を通してスムース&メロウなフュージョンサウンド。

春の「そよ風」のように「肌ざわり」も「耳ざわり」も非常に心地よい。


タイトルナンバー「Breezin'」

春の陽気にこれほどハマるサウンドはない。

おだやかに舞う「そよ風」もサウンドの一部となりそうな爽快な幕開け。


続くLeon Russellの名カバー「This Masquerade」

こんなにも歌えているのにヴォーカルナンバーはこの一曲のみ。

スキャットとギターのユニゾンを聴いていると

すべてのギターが結局は流暢に歌っているわけで

これ以上は、喉を使う必要はなかったのかもしれない。


本作中最もバックの演奏との均衡がとれた

Jose Felicianoのナンバー「Affirmation」

邦題は「私の主張」という一見不釣り合いな感じではあるが

滑らかに繰り出されるフレーズは、彼なりの「主張」と言えるミラクルプレイである。



抜歯後に見せてもらった「親知らず」は相当に大きいもので

憎らしくもあり、不思議と輝かしくも見えた。

子どもの頃からの歯医者嫌いも、僕の身体から同時に抜き取ってくれたようである。


帰りに感じた春の「そよ風」の心地よさは

しばらく忘れられそうにない。
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2011-04-04 00:55:37 | 日記
今日は花見の予定だったが

相変わらずの寒さのおかげで来週に持ち越しとなった。


夜は友人と、あるLiveへ。

何かと自粛ムード漂う昨今であるが

日本全体が活気をなくしてしまっては元も子もない。

今日のLiveでの熱唱を見て僕自身の心のもやも

晴れたような気がする。


Laura Nyroの「Smile」(1976)

1. Sexy Mama
2. Children Of The Junks
3. Money
4. I Am The Blues
5. Stormy Love
6. The Cat-Song
7. Midnite Blue
8. Smile


結婚・離婚・母の死といった波乱の日々を経て

ニューヨークの一流ミュージシャン達を配して作り上げられた

1976年の復帰作品。


真っ赤なジャケットの中に佇む彼女の姿が物語るように

全体を通して非常に洗練されたサウンドに仕上げられている。


オープニングはモーメンツのカバー「Sexy Mama」

冒頭からニューヨークの息吹を十分に感じとることが出来る。


当時の最先端の音を集めたと言っても過言ではない「Money」

ハイトーンの彼女の歌声にもいつも以上の艶が宿っている。

曲後半でのマイケル・ブレッカーのサックスとコーラスとの絡み合いは

いつ聴いても素晴らしい。


タイトル通りにエモーショナルな世界が展開される「I Am the Blues」

ランディ・ブレッカーのトランペットは

彼女の心情を雄弁に語っているかのように鳴り響く。


派手さはないが、ゆったりと流れるリズムと鍵盤が

彼女の歌をしっかりと支える「The Cat Song」

まさにツボを刺激される一曲。


ジャジーなサウンドに効果的に差込まれる琴の音色に意表をつかれる「Smile」

幾多の波を乗り越えた彼女の当時の心境を

まとめ上げたかのような象徴的なエンディングである。


満開の桜と共に、暖かい「春」が訪れる日ももうすぐ。

「春」にはやはり「Smile」が似合う。
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新しい世界

2011-04-02 23:30:43 | 日記
親知らずからしばらく口が開きづらい状況だったが

ようやく数日前からやっと口が開きだし

まだ痛みはあるものの、なんとか元の状態に戻って来た。


大きな口でご飯を食べられるという

至極当たり前のことがこれほどうれしいとは思わなかった。


ただ来週にはいよいよ親知らずの抜歯が待っている。

担当医の話や、経験者の話では相当痛いし、相当腫れる模様。





Tom Rushの「Tom Rush」(1970)

01. Driving Wheel
02. Rainy Day Man
03. Drop Down Mama
04. Old Man's Song
05. Lullaby
06. These Days
07. Wild Child
08. Colors Of The Sun
09. Livin' In The Country
10. Child's Song


当時の新進気鋭のソングライターたちの楽曲を多数取り上げつつも

彼自身のスタイルを築き上げた通算7作目。


David Wiffenの「Driving Wheel」

James Taylorの「Rainy Day Man」

Jackson Browneの「These Days」「Colors Of The Sun」

Murray McLaughlinの「Old Man's Song」「Child's Song」

センス良く選ばれた楽曲に乗せられる、柔らかくも深みのある彼の歌声。


パーカッシブにかき鳴らされるアコースティックギター

フリーキーに横やりを入れるエレクトリックギター

両者と彼自身の声もクールに絡み合う

「Drop Down Mama」「Wild Child」「Livin' In The Country」

畳み掛けるファンキーチューンは

アルバム邦題「トム・ラッシュとニューフォークの世界」という言葉通りの

「新しい世界」を提示してくれる。


年明けから腰痛やら歯痛やらと病気の「ラッシュ」であったが

親知らずの抜歯とともにピリオドを打って

「新しい世界」へと気分よく移行したいところである。
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